霞が関の人になってみた~知られざる国家公務員の世界~

豚汁生活3日目終了。これからは鶏汁生活に突入する僕ですが。

官僚離れが問題視される昨今。
そもそも国家公務員の仕事についてなーんにも知らんな。

と思い手に取った本。霞いちか作。
この方、文章がめっちゃうまい。
例え話やテンポの良さが読みやすく、
国に関わる方ってやっぱり賢いんだなぁって
尊敬の念が生まれること必須。

そして、国家公務員から見た「シンゴジラ」
というトピックが熱すぎる。

………

さて、霞が関に生息する国家公務員の印象と言えば…。
1.真面目で固い
2.何やっているかが分かりにくい
3.激ブラック
辺りが出てくるはず(僕調べ)。

これらのイメージについて、
1.は完全に覆る。
国家公務員の方の頭は柔軟で、新しい知識や未知のことに対する好奇心が強く、課題に対して「どうすれば改善できるか、無理だとしてもどこに落しどころを求めるか。」など、課題解決に対する実行力を持った集団だと感じることが出来る。
個性も強く、ウィットに富み、話も面白い。
って言われれば、納得はできる。
賢い人って時間の使い方が上手だし、知識量も豊富、とことん突き詰める性質をお持ちの方が多いし。
激務に対して「やってらんねぇ~」って思いながらも実行していくその姿が、
なんとなく想像できる。

2.について。
とにかく、「全国民を対象に正しい情報を伝える」ことが大切な世界では、
レイアウトの見やすさや分かり易さとはまず無縁。
正直、意識して摂取しないと政府発表って読む気にも見る気にもならない。
そんな中で、頑張って広報をしている省庁や、国会答弁までの流れ、見方を鬼滅の刃や野球に例えて分かり易く説明してくれている。

例えば農林水産省のこちらの動画

こうしてみると曰くのついたセクシー大臣も親しみやすく見えてくるからとっても不思議。
こうやって身近にしようと頑張っている方の努力がもっと周りに触れるといいなと思う(僕に、、、バズらせる力があれば、、、、、力が欲しい…)。

この本を読んだ後は審議での国会答弁に俄然興味が出てくるはず。
一緒に見ましょう。審議。


3.について。
何故業務がガングロになるのか、
どこに問題があるのかということを作者の視点から分かり易く伝えてくれている。
政策を作ったり、法律を作ったり、
通常業務の間に国会議員の無茶ぶりに応えたり…。
多岐にわたる関係者との会議や調整が必要でなのは容易に想像がつくし、
普通にしていても忙しいだろうなと思う。

ただ、読んでて一番「ねぇな」って思うのは、
想像以上にアナログな現場について。

未だ国会議員とのやり取りがFAX、省庁内の連絡手段がメールの添付ファイルでクラウドが機能していないとしたら……。
その効率の悪さに寒気がするね。
でも、高いセキュリティーが求められること、
平均年齢が高そうな国会議員を見ていると、
さもありなんという感じはする…。
優秀な若者からしたら効率悪すぎて嫌気がさしそうな職場環境で、
企業のホワイト化を発信するという皮肉よ。
この辺、他国はどうなっているんだろう。

………

ブラックでペイも少ない国家公務員になりたがる人が何故いるのかと思ってしまうけれど。

やっぱり、
国を動かす仕事っていうのは、それだけの魅力や価値があるんだろう。
各分野の最先端とやり取りをし、国としての方針を決める。

僕はそのプレッシャーに容易く潰される一小市民だけど、
ダイナミックな仕事がしたい人にはこれ以上の職場はないよなぁ。
というのは納得できる。
業務量的にブラックなのは仕方がないとしても、
能力も大志もある若者がやりがいを持って取組むことが出来る(自分の仕事が何につながっているのかや、お手当などなど)環境になってほしいなと切に思う。

国に奉仕する方を応援し、取り組みの理解をしようとする気持ちにさせてくれる一冊でした。


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