「もう食べれない味がある」という圧倒的な絶望は、 歳を重ねるほど増してゆく。 料理名や見てくれだけは同じようなもので溢れているのに、 「代わりになりえない」という経験を重ねていくだけだから。 いやあ……マジで、 マジでととしぐれ下北沢店のトロたく巻食べたことある人います?? あれほんっとうに美味しかったですよねえ……なんだろあれ。 なんだったんだろ。 もちろんあの半地下空間や隠れ家的なコンセプトがアクセントになって 一層美味しく感じたということもあると思うけど、
もしも私に子どもができて 「ダディ、永遠ってなぁに?」 と聞かれたらこう答えるだろう。 「小田急線下北沢駅の地下2階から地上までのことだよ。もう寝なさい」 私はスピードスケートを9年間やっていたため、 膝に乳酸が溜まると安心する体質になっている。 だから基本的に階段とエスカレーターがあれば、階段を選択する。 こと下北沢駅はマジで安心する。 すっごい乳酸溜まる。 膝小僧が震える。 先日、いつものように地下2階から階段を登ろうとすると、 私の前を初老のサラリーマ
人生につかれましたか? そうですか……。 代々木公園のサイクリングコースへお行きなさい。 そこに答えがあります。 やれ「成長」だ「自己実現」だ「目標達成」だなんだ求められる社会に つかれましたか? そうですか……。 代々木公園のサイクリングコースへお行きなさい。 そこに答えがあります。 友情か恋愛か?夢か現実か?変化か維持か?ジョンカビラか川平慈英か? つかれましたか? そうですか……。 代々木公園のサイクリングコースへお行きなさい。 そこに答えがあります。 ささ
2013年 16歳の頃、寝つきが悪く4〜5時間睡眠で高校生をしていた私はショタ振りの「羊数え入眠」を試みた。 そしてゆくゆくは「羊数えのプロ」として独立し、生計を立てようと目論む。 だが、これが過ちだった。 数え過ぎたんだ。羊を。 「羊が1匹」 「やさしい羊が1匹」 「やさしさの中にシニカルを含ませる羊が1匹」 私はどうしても羊に「個性」を与えて数えるようになってしまう。 そしてどうしても柵を越えた羊の群れに「時の旅人」を合唱させたくなってしまう。 この入眠法は向いて
『1,527回』 これは、私の2023年の日記に登場した「ク◯が」「ク◯みたいな」の数である。 1日平均4回。 おいおい、と。 そんな酷な1年だったのかよ、と。 じゃあ他の年はどうだったんだよ、と、 遡ってみると 2022年:2,304回 2021年:1,400回 2020年:2,035回 どうも人生はク◯まみれ。 せめて肥料と化して、花咲かせてくれ。
2021年初旬 10年来のすこ友(すこぶる仲が良い友人)におバブが爆誕した。 当時ド無職だった私、たまには厳しい現実以外のものを直視したいと思い、 おバブのいるすこ友宅へ駆け出した。 「おー!いらっしゃい」 「……っ!」 10数年前、すこ友と共にテイルズオブシリーズを嗜んだリビングに、 おバブがド鎮座していた。 「まあまあ座ってよ」 そう私に声をかけるすこ友は、もはや私の知るすこ友ではなかった。 私の知らない「親」のトーン。 私の知らない「親」のほほえみ。 ほん