詠人不知

ようこそ。 私の、 煮凝り へ。 誰かのことば  ではなく、 ことば自体が残…

詠人不知

ようこそ。 私の、 煮凝り へ。 誰かのことば  ではなく、 ことば自体が残ることを願って。 自身の、 上澄み液 と、 沈殿物 の置き場として。

最近の記事

白蛇

記憶の大概が 朧げになってしまっても あの日の ペディキュアの色だけは 確かに覚えている 白い脚先の紅 まるで 白蛇の紅い瞳 美しすぎて

    • Nacht

      わたしの腕を伝う 紅 膨張し続ける 咎 満ちている そう感じられた 刹那だけ 同じ数だけ 耐え切れぬ夜を増やしてしまって 誰も 居やしないのに 孤独に 嗚咽を 聞こえぬように

      • bête

        羨望 と 嫉妬 そんなものを 動力に巡る 舟 眼を瞑り 咀嚼した 罵りの言葉 は 鉄の味 羨望 と  嫉妬 そんなものを 求める獣 もっと わたしを見て そんな言葉は醜い だから 呑み込んでしまおう だけど 臓腑の底 痩せこけた獣 が居る 顔の無い獣 それなのに 射るような視線 を放ち 羨望と嫉妬で ぎらぎらと 獣の顔を探していた私は 気付いてしまう 鏡に映る己の目 それこそが 獣の眼 真っ赤に渦巻き 嫉みの息を孕んで 昏い井戸の底のような 醜く

        • 音色

          奏でる音色 は 決して 和音 ではなくて どうしたら この輪廻から抜け出せるのか 自虐 嫌悪 懐疑 真っ白なシーツに落ちた 闇色の染み 闇を落として 指でなぞって 拡がりゆく様は まるで 海原 奏でる音色 は 決して 和音 ではなくて 心が軋む音 また 優しいくらい痛い そんな朝を 独り 迎えた

          あたり。

          あたり。

          鼓動

          逢いたいと思って 言葉にする 好きだと思って 確かめ合う 甘い囁きなど要らないから 不安を いつも あなたの声 で 拭って欲しい 途方もなく 焦がれたなら あなたを喪くしたとき きっと わたし の 脆弱な心臓 は 最期のひとつを 鼓動するだろう やさしく 冷たい思い出 を 抱いて

          下書きとして貯めてある記事に目を通して改めて思う。 自分はブレていて 修正できていない 今の「世界」は「別世界」だと思う。 元には戻れないのか? などと、つぶやくこと自体、 今の状態の証か。 笑止だな。

          下書きとして貯めてある記事に目を通して改めて思う。 自分はブレていて 修正できていない 今の「世界」は「別世界」だと思う。 元には戻れないのか? などと、つぶやくこと自体、 今の状態の証か。 笑止だな。

          断片

          わたしは わたしが好きで 誰よりも嫌いだった きみ は わたし とは 全然違う 春と夏の狭間 が 少し好きになれたのは きみのお陰で 独りで居ることに 耐えられなくなってしまったのは きみのせいで 淡くしか思い出せないことも 焦がれたことの 断片 それから の 今 が在る 未練 を 抱え続けているのではなく 忘却 の 過程なんだ さみしいけれど

          千切れた自分 が戻らない

          千切れた自分 が戻らない

          嫌な夜だ。 所詮、俺は何も見つけられなかった。 「仮住まい」さえ未だに無い。 誤った選択で場所も失った。 身体という錘ばかりが膨らんで、 崩れた自分を保つのも、 限界かもしれない。

          嫌な夜だ。 所詮、俺は何も見つけられなかった。 「仮住まい」さえ未だに無い。 誤った選択で場所も失った。 身体という錘ばかりが膨らんで、 崩れた自分を保つのも、 限界かもしれない。

          捜す

          元気なふり し過ぎたかもしれない 平気だよ って そんなふうに繕った言葉 また 話を聞いてもらえるかな 淡い期待 そんなこと あなたにはきっと 意味がない のに そして わたしは 暫く自己嫌悪する いつも  浅はかで 馬鹿だな って それでも 今 わたしの奥は あなたの残り香 を 捜している

          偽り

          今日 だけ 珍しく 砂糖を溶かした珈琲 只 孤独だから 誰かと一緒にいたい 透けた会話も 作り笑いも 苦ではない ひとりよりはましだから 混沌としたのは 視界だけなのか わたしが抑えているのは 自我 そのものであって 臆病で 弱虫で 言葉すら失いそうで 羅列することは 虚偽の極み 其れは 嘘 とは異なる 言葉は 心を 覆い隠してしまう

          もう少しで出勤。 また新しい週。 火曜日には友人の誕生日祝いを理由に 飲み会。 週末は久しぶりに映画の予定。 体調を保ち乗り切りたい。 その次の週からは所謂、GWだが、 通院のある自分にはあまり関係ない。 無難に過ごせればいいが。

          もう少しで出勤。 また新しい週。 火曜日には友人の誕生日祝いを理由に 飲み会。 週末は久しぶりに映画の予定。 体調を保ち乗り切りたい。 その次の週からは所謂、GWだが、 通院のある自分にはあまり関係ない。 無難に過ごせればいいが。

          未明からずっと雨。 昨日の朝帰宅して、 今朝三時まで寝てた。 身体が重く、 気持ち悪くて。 雨しか自分の側には居ないが、 隣り合わせというより、 囲まれているみたいだ。 まるで、 檻 だ。

          未明からずっと雨。 昨日の朝帰宅して、 今朝三時まで寝てた。 身体が重く、 気持ち悪くて。 雨しか自分の側には居ないが、 隣り合わせというより、 囲まれているみたいだ。 まるで、 檻 だ。

          風船

          雨降れば 憂い  晴れ抜ければ 嘆き 心 というもの の 定義の欠片 そのひとつ ひとつ  なんと難解なことか 脆弱な精神と 草臥れた軀 其れらは 酷く脆くて 本当は 雨が眩しい 明るいのは厭なのに 澱んだ雲 さえ輝やいて見えてしまう もしかしたら わたしは壊れてるのかもしれない この眼は既に 光を映すことが出来ず 真っ赤に染まって 風船が割れる音 わたしの手は 冷たいままで そんなもの 誰も 握り返す訳もない