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糖鎖のリングCタイプに効く薬の実験

我が家には住み込みのベビーシッターさんがいます。この人は元々自衛隊で長年働いていたおじいちゃんですが、海外派遣や災害地での活動を通してPTSDになりました。本人は肉体的にも精神的にも自分は強いという気持ちでいたし、周りの人も「この人に限ってそんなことはないだろう」と思われているほど弱音を吐くような感じではなかったのですが、積もり積もった「多くの人を自分は助けられなかった」という懺悔の気持ちが身も心も壊していってたんです。

彼の才能は蘇生術にありました。死にかけた人、死んでしまった人を呼び戻す特殊能力がありました。習ったわけでもないのに最初から自分にはできたと言います。蘇生の技能を他の隊員の人に教えたり呼ばれて行って見せたりする仕事もしていたのです。

人一倍多くの人を助けてきておきながら助けてあげられなかった人の夢を毎晩のように見て苦しんでいました。

私はこのおじいちゃんに私の子供の世話をして欲しいと依頼しました。

お給料を払うので住み込みで働いて、私の子供の呼吸が止まった時に心肺蘇生を施して欲しかったのです。

うちの子はいつも夜中や朝方発作を起こしていました。休みの日の夜中などは救急車で運ばれた病院に小児科の医師がいないことも頻繁にありました。運ばれても対処の上手い人ばかりではなく、このまま救急車と病院任せではいつか子供は死んでしまうという予感がありました。

自力で何とかしなければと思いましたが、私は子供が紫色になってけいれんを起こしているのを見ると自分の意識も遠のいて倒れてしまうポンコツでした。それで「心肺蘇生の上手い人」を雇うことにしたんです。

安い給料でも使命感に燃えて仕事に取り組んでくれました。

私の子供は頻繁に呼吸が止まってチアノーゼが出て死にかけましたが、この人のおかげでまだ生きています。これは本当にダメだと思ったときも6度ほどありました。もしこのシッターさんがいなければ15回は死んでいたと思います。

毎回違った蘇生術のテクニックを駆使して引き戻してくれました。

「これは喉に唾が溜まってる」
「これは息をしていない」
「心臓が止まってる」
「この間は低血糖による発作だったけど今日は違う」
「熱がこもってる、服を脱がせて扇風機をかけて!」
「大きな声で呼びかけて!」
「座らせよう!」
「顔を横に向けて寝かせて、電気をつけて明るくして!」

脳性麻痺のけいれん発作はいろいろですが、うちの子の場合は出る症状が毎回変わりました。効く薬もありません。

時には「俺一人じゃダメだ!すぐに救急車呼んで!」ということもあり、到着した救急隊員に指示を出して一緒に蘇生してくれました。救急隊員も「さすがです!こんなやり方は始めて見た」「凄い!ものすごい勉強になった」と毎回言って帰っていきます。

最近シッターさんはPTSDの症状が出なくなって精神科に通わなくなりました。精神科の担当の先生は自衛隊員のPTSD専門の人でしたが、「小さい子の世話が症状を抑えることに役に立っている。自分が必要とされているということが心の支えになっている。これは他の隊員の人にも経験してもらいたい」と言われていたそうです。

ずっと元気で普段通り生活していた自衛隊員が定年で退官したとたんに自殺したりすることがあって、家族の人達も「そんなそぶりは見せていなかったし毎日変わらなかった。気づけなかった」というそうです。

人を助ける仕事を毎日してきた人が助ける仕事を辞めた時、助けられなかった人達が早くこっちにこいと呼んでいるような気がして自殺してしまう。うちのシッターさんも何度も自殺未遂をしていました。自分を粗末にするように浴びるように酒を飲み不摂生をして寿命が縮まることを願っていました。

大きな災害があるとTVで追悼番組なんかを放送します。ウッカリそれを見てしまうとその時のことを思い出して倒れたりしていました。でも今はもうそういうことはありません。

私は最初のころはちゃんと慰霊祭にいってなくなった人のお墓参りをしたりしていないから、助けられなかった人への気持ちに折り合いがつかないのだろうと思いましたが、本人がそんな場所に行ったら自分は倒れてしまいそうだというのでできませんでした。病院でもらう薬も役には立たず、ずっとしんどい思いをしてきたようです。

私の子供はシッターさんに助けられたことをよく覚えていて、毎日のように「じじ、ありがとう。大好き」といって抱きついて行きます。その繰り返しの中でシッターさんの無力感や絶望は薄れていったようです。


ただシッターさんももうお年なので体のあちこちを壊しています。本人は「寿命がくるよ」というのです。確かにそうかもしれない。

シッターさんが仕事を続けてもらえなくなるということは、発作時の対応ができる人材がいなくなるということです。それは私がうちの子供との死に別れることになるかもしれません。

シッターさんが元気でいる間に蘇生術を習って自分で何とかできるようにしたかったのですがそれができるようになる可能性を1%も見出せません。

同じことができる人をまた雇いたくても、そんな仕事の出来る人はなかなか見つかりません。タイムリミットはそれほど長くはないので、シッターさんの代わりを見つけることは私にとって大きな課題になると思います。


「もし私がどうしても障害児で生まれなければならないならあなたの家がいいわ。あなたがお母さんだったら障害児でも幸せだと思う。そういうシッターさんを見つけて雇って、そのかわり人の2倍も3倍も働いて子供を生かしてくれるお母さんなんて他にいないもの。シングルマザーでそんなこと、どれだけ大変かわかるわ。この子がこんなに明るくて優しく育ったことも、全部あなたの頑張りのおかげよ。普通のことじゃないわ。他の人にはできないわよ。そんな家に生まれることなんてなかなかないわよ。この子は本当にいい家を選んで生まれた来たんだわ」と言ってくれる人がいました。同じようなことをもう30人以上に言われているのでそれは私にとっても幸せなことだと思います。

そしてそれはシッターさんがたすけてくれたからこそで、とても感謝しています。

シッターさんは3歳の頃から柔道をやっていたので柔道整体ができました。大学は体育学部だったので体のケアの方法は習っています。自由自在に関節を外して入れ直したりできるような人ですから、うちの子供が療育に通わなくても良かったのはシッターさんが毎日家でケアをしてくれていたからです。


今のシッターさんのスペックが高すぎて、次の人は見つかりそうにないです。

それなら、私はシッターさんの病気を治すしか方法がない。シッターさんが元気で長生きをして欲しい!


シッターさんは最近頻繁に寝たきりになります。筋力が落ちて一気に30歳は老け込んだようです。

シッターさんの見事な病気の数々がこちらです。

・糖尿病
・高血圧
・脳梗塞(ささくれができるタイプ)
・脊柱管狭窄症
・大動脈解離
・心臓肥大
・肝硬変
・胆嚢結石
・胃潰瘍
・十二指腸潰瘍
・胃の静脈瘤
・食道の静脈瘤
・大腸ポリープ
・視力低下
・フケ症
・睡眠障害、不眠
・鬱病
・冬の酷いあかぎれ
・ぜんそく
・アレルギー(カンジダ)
・花粉症

見事にCタイプで逆流をしてBタイプの症状が重く出ているタイプの人です。脳梗塞を起こして麻痺が手足に出ていても無理やり動かして元気に歩いていたような人です。


最近特に具合が悪くなってきたのですが「左半身だけ低緊張になって右左で筋肉量が全然違う」「頭痛がした後に鼻水が出る」「熱が出たり下がったり激しい」「食欲が全然ない」という症状がでていました。

以前肝臓が腫れて腹水が溜まっていた時に黄連解毒湯を私が飲ませてみると「嘘のように効いた」と言って喜んでいたのですが続けて飲んでいると前より酷くなったらしく「どのくらいの量を飲んだらいいのかわからない。辞め時を自分で判断できないから苦しむ」と言っていました。シッターさんは微調整というものをしません。決められた薬を決められた量きちんと飲む性格なので、「もういいと思ったら辞めていいよ」ということが理解できないようです。

その後風邪をこじらしてから一切起きれなくなっていました。私は漢方の先生に聞いてみると「胃が弱って食事がとれないなら元気を出してもらわないと」と言って「補中益気湯」を紹介してくれました。これは2包飲んだだけでスタスタ歩き始めてスーパーに買い物に行けるようになりました。

寝たきりだったのに!

シッターさんは若い頃に「漢方薬は長く飲まないと効くか効かないかわからない」という言葉をどこかで聞いていたようでそのイメージに翻弄されていたようです。処方が間違えていなければ1包で違いがバシっとわかるものですよね。

肝硬変が末期なので病院にいっても「出せる薬はない」と言われ、糖尿も酷いのでわけのわからないほどの量の薬を飲まされてしんどくなっていたようです。それらすべてをやめてリセットし、漢方薬を飲み始めたところ激しく変化が出てきました。

・補中益気湯を飲んだら
   ・食欲が戻った
   ・倦怠感が消えて歩けるようになった
   ・腰や背中のハリが取れた
   ・肝臓のある位置の硬い感じや重さのある感覚が消えた

  ➡しばらく飲むと酷い頭痛がし、鼻水が出るようになった
   筋肉量がさらに減った
    ・麻黄湯がよく効いた

  ➡しかし不眠が強く出た
    ・朝晩1包ずつ飲んでいたのを朝昼1包ずつに変更

こんな感じで飲み方を変えています。筋力低下や鼻水はAタイプの症状なので、元々Cタイプのシッターさんに取っては死の症状です。とても良くないです。

これを漢方に置き換えるとこうです。

これでだんだんと漢方薬の分類ができてきました。

自分の体質の偏りが本来の自分のタイプと違う部分に来ている場合は、その部位に適応した漢方薬を飲むと全く関係のない症状が出ていても効果があります。ただしABタイプの人はCDタイプの薬は効果がないので飲めません。でもCタイプの人はABタイプの薬を飲むことができます。そしてBC両方の症状が出ているときはCタイプ向けの薬は効果が出にくいものもあります。

Cタイプのシッターさんが頭痛と鼻水がして寒気があったら普通は葛根湯ですが、筋力低下と倦怠感があるならAタイプの症状なので麻黄湯を飲むと頭痛が止まりました。

Aタイプの私が寒気がする風邪をひいたからと言って葛根湯を飲んでも効果はありません。


この言い方だとわかりにくいかな?

まとめると

・ABタイプの人:
  ・ABの部位の症状が出たらそれに適応した薬は効果がある
  ・CDの部位の症状が出てもCD向けの薬は効果がない
  ・ABとCDの両方の部位の症状が出たらCD向けの薬は効果がない
  ・Aタイプの女性が対角線上の症状が出てもCの薬は効果がない
  ・Bタイプの男性が対角線上の症状が出てもDの薬は効果があるかどうかはわからない(ない可能性が高い)

・CDタイプの人:
  ・ABの部位の症状が出たらそれに適応した薬は効果がない
  ・CDの部位の症状が出たらそれに適応した薬は効果がある
  ・ABとCDの両方の部位の症状が出たらCD向けの薬は効果がない
  ・ABとCDの両方の部位の症状が出たらAB向けの薬は効果がある
  ・Cタイプの人が対角線上の症状が出たらそれに適応した薬は効果がある
  ・Dタイプの人が対角線上の症状が出たらそれに適応した薬は効果があるかどうかわからない(ない可能性が高い)


D-2だけがサッパリ理解が及んでいませんが、周りにDタイプの発症している女性がなかなかいないせいです。発症済みDタイプの女性のご協力をお願いいたします。

おそらくD女性がBの症状が出てもBの薬を飲んでも効果がないと思います。逆もしかり。

女性は男性よりも理論上効く薬が少ないと思います。特にCYPの高いD女性はさらに薬が効きにくい。それで薬の数が多いのだろうけど、D-2に入る薬のことを考えると…。

それは当然甘草の比率の高い薬であるような気がします。


何とか理解を進めて早くシッターさんに元気になってもらわなければ。我が家の安寧はじいじの健康にかかっているのです。

D-2の漢方薬がわかれば、上手く糖鎖のリングを回して正常なCに戻せるはずなのにな…。

芍薬甘草湯かな???
違う、、、かな??


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