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皆様こんばんは、Biz Craftです。
今回は悩みを軽くする哲学者の言葉をご紹介したいと思います。
その哲学者とは誰かというと、ドイツの哲人アルトゥル・ショーペンハウアーです。

なぜ今回このテーマにしたかというと、人の悩みの根源を詳細に言い当てているからです。
悩みの根源がわかれば対処しやすいのではないか、そんな思いで今回ご紹介させて頂きます。

数ある著作の中からアフォリズム(箴言)という形で4つセレクトしてみました。
あわせて独自考察も入れておりますので、参考になれば幸いです。


1.ショーペンハウアーとは?

アルトゥル・ショーペンハウアーは1788年にダンツィヒで商人の家に生まれました。
父の死後学問の道に進みカントやプラトン、インド哲学に影響を受けました。
主著『意志と表象としての世界』では、世界の本質は盲目的な意志でありそれが人間の苦悩の源であると主張しました。
ベルリン大学でヘーゲルと対立し隠遁生活を送りましたが、晩年にはその独創的な思想が評価され、ニーチェやワーグナーに影響を与えました。


2.ショーペンハウアーの言葉4選

1.欲望の根底

全ての欲望の根底にあるのは、動物や人間にもともとその本性からつきまとう不足欠乏そして苦痛である。
その一方でほしいものがいとも簡単に得られ欲望が減退すると、そしてついに欲望の対象がなくなってしまうと、人は今度は恐るべき虚しさと退屈に襲われる。
そうなると自分が生きていること自体が、全く耐えることのできない負担になる。
このように人の生活はまるで振り子のように、苦痛と退屈の間を行き来する。
・・・すべての苦しみと悩みを地獄の中に追及した後では、天国にはただ退屈しか残らないのだ。

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筆者考察
人の悩みが発生するのは、まだ手に入っていない不足状態から始まります。

例えば仕事を例に考えてみましょう。
「仕事に就きたいけれど、就職できない。」
この仕事がないという不足状態が最初の悩みのスタートとなります。

そして頑張って就職活動を続けてようやく仕事に就くことができました。
ところが就職してしばらくすると、次の欲望が姿を現します。

「もっとやりがいのある仕事がしたい」
これも達成されると、そのまた次の欲望が襲ってきます。

「もっと給料の高い仕事をしたい」
こうして欲望の対象がどんどん増幅していきます。

欲望の対象がすべて手に入ると、最後は欲しいものがなくなります。
欲しいものがなくなると、人は退屈を覚え再び悩みを発生させるというわけです。

この永遠の連鎖を断ち切るには、欲望の対象を抑える以外に無いようです。
しかしそのようなことは現実的には考えにくいでしょう。

なので、何を必須のものにして、何を切り捨てるかの区別が必要だと思うのです。
これが悩みを軽減して豊かな人生を送る秘訣なのではないかと思います。


2.人は欲望の集合体

人間の正体は期待、欲求のあらわれであり、何千もの欲望の集合体である。
欲望をかかえこんだ人間は、地上にあってはおのれ自身にしか頼るものがない。
そしてすべてが不確実であり自分の欲求や苦痛をなかなか克服することができない。
こうして毎日、出現してくる難題と取り組みながらなんとかして生きてゆこうと憂慮するのが人間の生活の基本である。

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筆者考察
私たち人間というのは、欲望で成り立っていることは否定のしようがない事実です。
そして唯一頼れるものといえば自分自身しかいないのです。

しかしそれ以外は不確実な存在であり、なかなか自分の思い通りにはいきません。
それ故に人は毎日悩みと格闘しているわけです。

これは人間として当たり前のことであり、悩みが尽きないというのは致し方ないことです。
ですが悩みが必ずあることを前提にすれば、いかに解消していくかという考え方にもっていった方がトクです。

悩みは抱えるものではなく、解決するものであるという姿勢が大事です。


3悩みの種類は無限大

苦しみを追求しようと絶えず努力をしても苦しみの形式を変える以上のことはできない。
本来の苦しみは欠乏困窮それに生命を保つための憂慮である。
たとえ困難を克服してこうした形の本来の苦痛を押しのけることができたとしても、苦しみはただちに何千という別の形をとってあらわれてくる。

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筆者考察
人はいくら悩みを克服しようとしても、別の悩みに変えることは可能ですが、悩み自体をなくすことはできません。

人間本来の悩みというのは、生命を保つ最低限の不足困窮に対するものです。
ですから仮にこれらの欲望を満たすことができても、次の欲望種類を変えて次々に襲ってくるというわけです。

これを克服するにはどうしたらよいでしょうか?

前述で申し上げたように、自分にとってマストなものそうでないものとを明確にすることです。
これはキャリアアンカーみたいなもので、自分自身が人生において何を重視しているのかによって変わってきます。
まずは自分自身を知ることから始めてみてください。


4.悩みは人の素質で決まる

どの個人についても、その人がかかえる本質的な苦しみの量は、その人の素質によって常に一定である。
たとえ苦しみがとる形は千変万化であるにせよ、この苦しみの定量は多すぎることも少なすぎることもない。
・・・このようにその人の苦しみは、ひいては喜びは、外部からではなく、その人に内在している苦しみの定量、つまりその人の素質によって決まってくる。
個人の持つこの素質は時間の経過により、また健康状態によって多少の変化はあっても全体としては不変である。

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筆者考察
人の抱えている悩みの量というのは、その人の素質によって決まってくるというわけです。
また、その人の悩みというのは外部的な要因で決まるのではなく、内面的な気質が大きく作用するというわけです。

仮に年を重ねても、健康状態が変わったとしてもその気質は変わらないということです。

例えば、憂鬱質という気質があります。
確かに他の気質より悩みが多そうなイメージです。
人より多くの心配をしてしまうなど、気質によって悩みの数は変わってくるのかもしれません。

しかし、それぞれの気質に合った生き方仕事があるのですから、一概に悲観する必要はないと思います。
特に現代では様々な選択肢があるわけで、生まれながらの気質をうまく活用し、サポートしてもらうなどして自分らしい生き方をすることは可能です。


3.まとめ

以上、ショーペンハウアーの言葉4選をご紹介しました。
私はこの言葉と出会った時に、何だか仏教思想に近いようなものを感じました。
「欲をなくせば悩みは消える」、このような考え方です。
合理的な考え方ではありますが、全ての人がこのように欲を抑えていたらこの社会は発展しないでしょう。

人が人生において欲するものはそれぞれ違いますし、欲望のコントロール度合いも違うのです。

私が強調したいのは、あくまでも人生アンカーをしっかり定め、必要なもの不必要なものとをはっきりさせることが大事だと思います。
そうすることによって悩みを軽減することはできると思うのです。

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