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皆さまこんにちは、Biz Craftです。
よく座右の書という言葉を聞きますが、皆さんはどのような書物がお気に入りでしょうか?

それは詩であったり小説であったりと、人によってさまざまでしょう。

どんな形にせよ、それさえあればいつでも自分自身に立ち帰ることができる、そんな時間は貴重です。

今回はそのような自分自身と向き合う大切さを象徴するような詩をご紹介したいと思います。

あわせて独自考察も加えてみましたので参考になれば幸いです。


1.自分自身と向き合える詩

書物(「夜の慰め」1929年前後)

この世のあらゆる書物も
おまえに幸福をもたらしはしない。

だが、書物はひそかに
おまえをおまえ自身の中に立ち帰らせる。

おまえ自身の中に、おまえの必要とする一切がある、
太陽も、星も、月も。

おまえのたずねた光は
おまえ自身の中に宿っているのだから。

おまえが長い間
万巻の本の中に求めた知恵は
今どのページからも光っている、
それはおまえのものなのだから。

ヘッセ詩集  高橋健二 訳

2.独自考察

冒頭でいきなり、どんな書物も幸福をもたらさないと宣言しています。
核心をついていますね。
これはどういうことでしょうか?

そこで第二段落に注目してみましょう。
書物はあなたをあなた自身に立ち帰らせると言っています。

きっと幸福は外側にあるのではなく、自分自身の内にあると言いたかったのではないでしょうか?

そう考えると納得ができます。

だから太陽も星も月も、ありとあらゆる外部の一切のものが実は自分自身の中にある、と捉えることができます。

続いて第四段。
ここは少し解釈に時間がかかりました。

前段で光と太陽・星・月をかけあわせています。
ここにヒントがありそうです。

恐らくですが、こうは言い換えられないでしょうか?

おまえのたずねたとは、人生の答えのこと。
人生の答えは自分自身の心に眠っているはずだと。

そして最終段の考察に入ります。

ここは第一、第二段落からヒントを得ました。

「どんな書物も幸福をもたらさない、
しかし立ち帰るきっかけとなる。」


こうは考えられないでしょうか?

何か答えを見つけ出そうと必死に書物を読み漁った。
そして今はそのすべての書物の中に答えを見つけ出すことができる。
なぜなら、書物は自分自身の内にある答えを呼び戻すものであるから。

3.作者の生き方から答えを見つける

いかがでしたでしょうか?
あらゆる詩の解釈各人各様であり、訳者自身の解説もありませんでしたので完全な独自考察となります。

しかし作者の生い立ち思想の背景を知ることで、ある程度の解釈は出来そうな気がします。

今回ご紹介したヘッセ詩集も同様です。
ヘッセの生き方や考え方がわかれば、これほどストンと胸に落ちる詩は無いのではないかとおもいます。

皆さんも一度ヘッセ詩集と向き合ってみるのも良いかもしれません。
きっと他の誰でもない自分自身の答えを感じ取ることができるはずです。


☟今回参考としたヘッセ詩集です。

☟よろしければ前回ご紹介したヘッセ詩集もあわせてご覧ください。

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