【美術館感想】花・flower・華 2024で一足先に花見
先日山種美術館に行きとても面白かったので感想を記載する
美術館、展覧会概要
山種美術館
【特別展】花・flower・華 2024
―奥村土牛の桜・福田平八郎の牡丹・梅原龍三郎のばら―
開催期間:2024年3月9日(土)~2024年5月6日
渡辺省亭、奥村土牛、小林古径、小茂田青樹、菱田春草、速水御舟、田能村直入、荒木十畝、松岡映丘などの日本画約60作品が見られる展覧会
感想
個別の感動した絵の紹介
桜に雀 渡辺省亭
日本画らしい日本画。
初めは桜の白さに目が行き、少し見ていると描写の細かさや絵の中心という配置から雀に目が自然に行く。
雀が今にも動き出しそうなほど細かなところまで描写されていた。
雀は日本以外にも生息しているのになぜ西洋画ではあまり見ないのか疑問に思った。そもそも西洋画は人物画、宗教画、風景画が中心で動植物だけを注目して書くということ少ないのかもしれない。
牡丹 福田平八郎
屏風いっぱいに描かれた牡丹の花がとても綺麗だった。
白、ピンク、赤の色とりどりの牡丹が淡く描かれていて、背景に溶けていきそうなとても妖艶で幻想的な印象を感じた。
裏彩色という絵の裏側から色を塗ることで表側からは淡い色合いに見えるようにするという技法を使っているらしい。
百花 田能村直入
絵巻物に所狭しとたくさんの花が描かれていてとても綺麗だった。少し離れて全体を見ても、近くで一つ一つの花を見てもどちらでも見どころがありよかった。
作品の説明によるとそれぞれ異なる実在の植物が描かれており、植物図鑑的な意味も持っているらしい。
ただぎっしりと花が描かれているだけでなく色や配置もとても考え抜かれていると感じた。デジタルイラストであれば後から配置など修正したりできるが下絵などを行っていたにしろアナログのみでここまでバランスよく濃密に花を配置するのはすごいと感じた。
総評
行く前は「日本画は西洋画に比べて地味だしなあ」と感じており、前から気になってはいたがなかなか足を運んでいなかった。
今回足を運んでみて日本画のイメージが変わった。
花を題材とした展示でもあったせいか、
見た目や色彩がとても華やかでぱっと見でも目を引かれるものが多かった。
西洋画の油絵と比べると日本画は色がはっきりしていないものが多い。
淡く彩度が低いことで花の繊細さやはかなさがより感じられ、幻想的な印象が強かった。
私と同じように浮世絵などのイメージで日本画ってパッとしないよなと思っている人はぜひ行ってみてほしい。こちらのサイトでも展示絵画が一部見れるようになっているので行く前にそちらを確認するのもいいかもしれない。
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