おいしいねぇ〜

私が勤務する生活介護事業所では、コロナが流行る前は、大まかな給食とお昼休憩の時間がありましたが、コロナ以降は結構カッチリと決まっています。

利用者さんはペースが本当に違うので、同じ時間に食堂に入っても出てくる時間が違います。

以前は給食が終わったら、休憩時間内であれば自由に事業所敷地内の自動販売機にジュースを買いに行けていましたが、今では作業グループ単位での行動になっています。

食べるペースがゆっくりな人は、自動販売機へ行く時間が無いので、この体制になった当初は"ジュース買えない!"となり色々と職員と揉める場面が何度かありました。

今ではこの状況にすっかり慣れているので、買えなくて怒ったり、悲しんだりしていた利用者さんも動揺したりしなくなりました。

泉灘が以前担当していた作業グループ"やわらぎ"は、ゆっくりペースな方が多いので自動販売機には縁がありませんでした。
(むしろ給食の時間内に終わらないことで色々と。。。)

そんなやわらぎの中では、最近食後のジュースを楽しみにしているメイカさんがいます。

食べるペースがゆっくりなので、食べることの方を楽しみにしているのですが、食器を片付ける時は、

「メイ、ジュース買う」

そう言ってきています。

-メイちゃん買いたいんだね。よーし片付けて買いに行きましょうね?
「うん」

お盆を持つ手にも力が入り、しっかりと持っています。
(麻痺があるので、なかなか自分の思う通りに動くことが難しい方です。)

片付けが終わって、作業室にみんなで戻る途中、自動販売機に立ち寄ります。

-なに買う〜?

そう聞くと、頭を起こしてグルッと見て、腕を挙げて一角をさして

「これ」
-ん〜隅っこさしているのは分かるけど…どれ?赤?金色?白?
「白のやつ」
-カフェオレか!
「うん、カフェオレ」

泉灘がメイカさんの代わりに買います。

チャリンチャリン、ピッ、ガタン!

自動販売機から出てきた缶を手渡すと、指を精一杯広げて受け取ります。

そのままメイカさんの席に戻り、

「開けて」
-はい、開けたよ。
「手伝って」
-持つの手伝うから、メイちゃんも持ってね?

ゴクッゴクッ

「おいしいね〜」

表情も柔らかく、こういう時は職員や利用者さんとの会話もハッキリと受け答えしています。

メイカさんにとっては、自動販売機で買うことは、おいしいだけではなく、自分で選んだ、買った、飲んだ、そんな行動や、職員や利用者さんとの会話も含めての楽しさ、それに繋がっているのかなと思います。

最近変わってきたなと感じるメイカさんです。

お昼休み、利用者さんと生活支援員のみなさんは今日はどんなことがあったのでしょうか?


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