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新しい靴をはいて

新しい靴をはくと、何かが変わった気がする。それは風の冷たさだったり、木の葉の色だったり、空の高さだったり、地面から伝わる感触以外のものも、どこかいつもより、優しく肌で感じられる気がする。
靴だけでも、きらきらした春にはちょっと浮かれたくなるし、風の柔らかい秋には落ち着きたくなる。

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靴が好きだな、と気が付いたのは、いつのまにか玄関に自分の靴が五足ほど並んでからだった。

同じ靴をずっと履き続けるより、一日おきに変えて履いた方が長持ちする、ということもある。古い靴を捨てないまま、新しい靴を買っていたらこうなっていた。毎日、つま先だけでもきれいにしておくと長持ちするし、見栄えもいい。季節が終わるごとに、その季節の靴は洗ってしまっておく。

古い靴も、新しい季節には、懐かしい気持ちと、また出会えて一緒にでかけられる新鮮さとがある。なんとなく歩きたい気持ちになって、外に出る。

新しい靴をはいて、街をゆっくりと歩きたい。



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