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アメ車に昂る秋

近ごろアメプラにすっかりはまってる僕ですが、先日'63 pontiac tempestのfunny carを入手しました。
それはModel Kingというブランドでパッケージングされてるけど、中身はAMT製の1/25です。

僕は箱絵よりも中身がしっかりしてさえすれば構わない派だけど(中身もアレなオールドキットをアップデートするのも好きだけど)、しかしそれにしてもこのパッケージには思わず笑っちゃいました。
まずモデルと背景と、そしてテンペストに乗ってるドライバーとの合成がなんともチープだし、せっかくキットで奢られてるメッキパーツも作例ではベタなシルバーで仕上げてあるし、バンパーの取り付けも実車の位置からズレてるし、青いマスタングなんて同梱されてないですよ?


せっかく元のAMTパッケージこんなかっこよくて、このModel Kingパッケージにもこのデカールが同梱されてるのにどうしてこうしちゃったかな…。


しかしfarmerとあるように、農家のドラ息子がだだっ広い農道を爆走し「おらの村には速度制限が無ぇ!」というIKZOなストーリーだったり、隣村のニーヌ・マッケンジーの操るマスタングとカエルのようにピョンピョンとウイリーさせながらドラッグレースに興じる様を想像すると、このパッケージにも愛着も製作意欲も沸いてきます。

さてキットですが、僕はGasserだとかfunny carだとかの文化に詳しくないけど、このV8エンジンがドライブシャフトを伝って駆る大径の後輪と、"直線番長"ゆえに必要最小限の舵取りさえできればいいと割り切ってる補助輪同然の細い前輪とのギャップだったり、ベース車輌からホイールベースを縮小して飾りのように後ろに突き出たトランクスペースのオーバーハングだったり、シャコタン信者だったはずの僕の目線から見ればイビツと思えるほどに上がった車高だったり、スッカスカの構造のリーフリジッドサスペンションだったり、フロントフェンダーの下からチラリズムする集合排気管もまた味わい深くて、たまりませんわ。(←杉本彩のものまねというか清水ミチコ)

僕が昨今まで1/25のアメプラを敬遠し続けてたのは先述した通り、1/24にこだわるからというのが主な理由だったけど他にもいくつかあります。

アメプラってお値段も少々張るし、箱の中を見られる模型屋さんでさえもシュリンク剥がせないし、箱の寸法だって独特だし、なかなか取っ付きにくいものだと思います。
しかし一度取っ付いてみると、その車種の豊富さはもちろん、網羅してる時代もそれこそT型フォードから現行モデルまでといった具合に、それぞれの時代にそれぞれの魅力があってアメリカのモータリゼーションの懐の深さを感じます。

海外のアメプラレビューなどを見ると「Nice chrome parts」などと評されてるけど、それはお国柄の違いなんですかね?
せっかくメッキ塗装の輝きは綺麗なのになんかボッテリしていて、そのモールドが日本製や西欧製のキットと比べてシャープではなく、結局パーティングライン消さなきゃいけないしパーツの型抜きをスムースにするための"テーパー"が効きすぎてるのが、僕は残念だと思ってました。

しかしこのテーパー角が効いててモールドもユルかったおかげで、40~50年あるいはそれ以上昔の金型のキットが今でも再販できるのだなとも思います。そしてそのテーパーを垂直に、モールドをシャープに仕上げてパーティングラインを処理してやれば、アメプラは格段にかっこよくなると思います。

そんなわけでまずは、せっかくの後輪の大径タイヤが少々細い印象だったので、輪切りにしたプラ板を挟んで隙間をエポキシパテで盛って2mmほどワイドにして、ベンチシートも少しだけ修正しました。

あとはバスタブ内装をそのまま接着すると隙間ができてしまうし、エンジン付近のパイプフレームもフェンダーに干渉するので各所を削ってようやく四点接地できるようになりました。

テンペストは後のマッスルカーとして大ヒットしたポンティアックGTOの原型とも言えるフロントグリル中央が分割されてるマスクが印象的だけど、丸目四灯で少々膨らんだフロントフェンダーのコーナーからテールエンドにかけての{ こんな }プレスラインがどことなくハコスカに似てますね。
あ。ハコスカのGasser仕様…いいかもしんない。

そういえば何年か前に静岡ホビーショーで、日産チェリークーペの、あれはボディがフリップトップだったからGasserというよりもfunny carに近いかな?
このテンペストもパッケージにFunnierって書いてあるから両者の境界線は曖昧だと思ってるけど。

Youtubeなんか見てるとサバンナRX-3などが喧ましくロータリーを鳴らして爆走してるドラッグレースの模様なども見られるし、いづれにせよ実車の考証なんか気にせず自由な発想で作りたいプラモデルだと思います。
と言いつつ実際に活躍してたマシンも数多くキット化されてるけどね(底なし沼)

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