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ある夏の思い出 伊勢神宮から賢島 後編

伊勢神宮おかげ横丁を後にして五十鈴川駅までバスに乗ろうとしましたが、バス停が見つからずかなりの距離を歩く羽目に。なんとかバスに乗り駅に着き近鉄に乗車し終点の賢島を目指します。

ガラ空きの車両には私を含めてたった二人。なのにもう一人の乗客は何故か私のすぐ後ろの席に座っています。なんとなく落ち着かない気分でいましたが、伊勢湾が見渡せる頃にはその乗客も下車し、車両は貸切状態になりました。そしてとうとう終点の賢島に到着です。

英虞湾に面したその島は鏡のような海と空と夕陽が映える避暑地です。かつては真珠の養殖が盛んで今はホテルや旅館が点在する風光明媚なリゾートアイランドです。2016年には伊勢志摩サミットが開催されました。私が泊まったのは、サミットにも使われた志摩観光ホテル ザ クラシック。テラスから望む海と夕景は息を呑む美しさ。食事は同じ系列の隣接するラグジュアリーなベイスイートのフレンチで。鮑も素晴らしく美味しかったのですが、何より食後のチーズが絶品でした。熟成したミモレットととろけるブリアサバランをワインとともに楽しみました。

食事の後は同じベイスイートのテラスでくつろぎのひととき。夜景を眺め夜空を見上げると満天の星が静かに輝いています。言葉を無くしました。忘れ得ぬ夜になりました。

翌日は賢島クルーズや温泉を楽しみ、夜は伊勢海老を鉄板焼きでいただきました。

土砂降りの東京を発ってから僅か3日間の旅でしたが、名古屋から伊勢神宮、神宮から英虞湾に面した賢島と、初めて訪れたそこは皆、晴れ渡り、輝き、旅する人々をおおらかに受け入れてくれる素敵な場所でした。良い思い出です。


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