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まだ、そこに君がいる気がして。

シッポを切り離したトカゲは、自分のシッポのことをいつまで覚えているのだろうか。命の危険から逃れるために仕方なく切り離すのだから、逃げる事に全力を注いでいて、それどこではないだろう。
でも、ボクなら後で気になって、一度見に戻りたくなると思う。すぐに戻るのは危険だとしても、ほとぼりが冷めた、そう、何年かたった後なら大丈夫だろうと見に行ってしまうと思う。
ボクにとってその人は、そんな思い出だった。

勝手に憧れて、雨のあとに傘を閉じるのと同じように当たり前に終わった。・・・・・・はずだったのに、最近になって気にしてる。

「そろそろ見に行ってもいいんじゃないだろうか?」

トカゲになれないボクが這い出していく。雨露が残った涼しい葉っぱの下から、太陽が降り注ぐ真夏のアスファルトの上へと。
何を切り離して逃げてきたのかも忘れて。

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