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進化の先に〔詩〕

形が崩れてもいいものを創り出した
教室のドアを開けると交わされるのは
崩れた おはよう

聞き取れなくても
何となくでも
文字で書いたら何語かわからなくても
気持ちがわかるような音がする

終わることが不思議で
永遠が当たり前のこと
明日 朝が来る予定をたてた

世界が変わって 
夜になれば 
不安になるような朧げな月
オハヨウが聞き取れないと
命の終わりをカウントできない
指折り数える さよなら
こんなことなら
人間になんてなるんじゃなかった

もしも 願いが叶うなら
動物になって
聞き取れない おはようの声を出す
でも そんなことは叶いっこないから
ゾンビになりたいと願った

肉が腐って堕ちて 
ゆっくり とぼとぼ歩いて
胸の中は空っぽで 
向こう側が見えたって
歯の無い口で言う おはよう
多分 好きな人には伝わる音

破れたシャツに
好きな髪型で
傷付く言葉は聞こえない
耳は 昨日あっちに落としてきたから
裸足で歩くのは気持ちいい

争わないで 仲良しだけで集まって
一人が好きなら それでもいい
寝癖のままで一日いても
ネクタイ締めたきゃ したっていい
そうして
終わりの知らない世界で
ひとつの動物になる
形が崩れてもいい動物になる




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