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通貨評価替えのリスクとこれまで実施した国々の顛末は


通貨評価替えは、自国の通貨価値を他の通貨に対して引き上げる政策です。自国の輸出産業を保護することにも主眼が置かれており、保護主義的な側面も持っています。また、輸入物価を抑えるためインフレの抑制にも効果があるとされています。

一方で、通貨評価替えによる硬貨は一時的なもので、国際的信用力を失い、あらゆるリスクが考えられます。ここでは通貨評価替えによるリスクを紹介します。そして、実際にこれまで通貨評価替えを行った国々を紹介。実際に通貨評価替えを行ったことで、その後どうなったのかを詳しく見てみます。

●通貨評価替えを行うことのリスク


通貨評価替えは自国の経済を立て直す一種の処方箋とも言える措置ですが、長期的な視点に見れば、行って正解とも言えるものですが、直近ではあらゆるリスクが内包しています。

●●輸出企業の収益減少

基本的に通貨評価替えを行うことで自国通貨は割高になります。これは、ハイパーインフレを抑制するための措置であるため当然のことですが、それによって、多くの場合輸出製品の価格が海外市場で割高になります。

そうなるとどうなるのかというと、輸出企業の収益が減少することになります。それでなくても、外貨がほしいところに輸出市場での競争力が悪化するので、ただでさえ少ない外貨が目減りするのは間違いありません。

また、為替レートの変動リスクが高まるので、輸出を第一にしてきた企業の経営計画が立てづらくなるのは間違いのないところです。企業の収益性が悪化するので、設備投資や研究開発投資などが抑制され、製品競争力が悪化するでしょう。そうなると、企業倒産を避けるための措置としてリストラが行われるのは必至で社会不安も増大します。

企業の業績悪化による人員削減で、失業率が上がることは間違いありません。通貨評価替えのリスクの中で企業の体力が削がれるのはどうしようもない部分であり、ここからの巻き返しが必要になるのは言うまでもありません。

通貨評価替えによって自国通貨が割高になると、輸出企業の収益が減少します。これは、輸出製品の価格が海外市場で高くなり、競争力を失うためです。

●●輸入物価の下落

通貨評価替えが行われると必然的に自国通貨が割高となります。そのため、外国製品を安く購入することができるので、輸入物価の下落を招きます。

輸入製品が国内市場において安くなるので、消費者にとっては大きなメリットとなりますが、先述したように輸出企業はダメージを受け、恩恵を受ける輸入企業も(安価で購入=安価で売却)ということになり、こちらも収益が減少します。

●●投機資金の流入

通貨評価替えの目的は自国通貨を強くすることです。自国の通貨価値を他国の通貨に対して引き上げる政策とも言えます。これによって輸出産業を保護すること、輸入物価を抑える効果があります。もっとも、強制的な荒療治でもあり、メリットとデメリット・リスクが内包しているのは間違いありません。

又、通貨評価替えによって投機熱の高まりが予想されます。投機筋が自国通貨を買って利益を得ようとするためです。通貨評価替えによって自国の金利も情報します。これによって金利収益が得られるメリットがあるのは言うまでもないところです。

ただし、これらの動きが高まることによって、自国の通貨価値を実力以上に押し上げ、実態のないバブルを引き起こすリスクがあります。それはつまり経済の混乱を招くことになるのです。

●●インフレが加速する可能性も

通貨評価替えが行われるのは、経済が総崩れでハイパーインフレが起こるときです。一方で、先述したように通貨評価替えによって、輸入物価の下落、国内の物価水準の下落、さらには金融緩和政策によって、一時的に落ち着いた物価も、インフレが加速する可能性も否定できません。

●通貨評価替えの具体例


過去の通貨評価替えによる具体例をご紹介します。

●●ドイツ(1923年)

第一次世界大戦で敗北したドイツは、戦後の混乱と重くのしかかる賠償金によるハイパーインフレに苦しむこととなります。1923年、ドイツ政府はマルク紙幣を大幅に切り下げ、新しいレンテンマルクを導入。この通貨評価替えによって、ドイツはハイパーインフレを克服。経済を安定させることに成功します。一方で、さらなる社会不安から第二次世界大戦に向かうこととなります。

●●フランス(1945年)

第二次世界大戦後、フランス政府はフラン紙幣を大幅に切り下げ、新しいフランを導入。この通貨評価替えによって、フランスは戦後の経済復興を促進することになります。ただし、海外植民地の相次ぐ独立など、フランスの世界における地位は次第に下降していきます。

●●イスラエル(1985年)

1980年代、イスラエルは慢性的なインフレに悩まされることになります。1985年、イスラエル政府はシェケル紙幣を大幅に切り下げ、新しいシェケルを導入。この通貨評価替えによって、イスラエルはインフレを抑制。経済を安定させることに成功しました。一方で周囲を敵勢力に囲まれている地政学的な影響から、軍事費の増大は避けられず、インフレの大幅な抑制には至っていません。

●●ベネズエラ(2018年)

2010年代後半、ベネズエラは深刻な経済危機に陥ることになりハイパーインフレが発生。2018年、ベネズエラ政府はボリバル紙幣を大幅に切り下げ、新しいボリバル・ソベラノを導入。しかし、この通貨評価替えは大きな効果を上げることはできませんでした。現在に至っても、ベネズエラの経済危機は依然として深刻な状況となっています。

●通貨評価替えのまとめ


深刻な自国経済の衰えとハイパーインフレの中で行われる通貨評価替えは、諸刃の刃であることは間違いありません。しかし、何かしなければ国さえもなくなる状況下の中で、通貨評価替えは必然の策と言えます。多くのリスクはありますが、そこから再生した国々もあり、為政者のしっかりとした舵取りが要求されます。



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