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ミッション・UNポッシブル|ショートショート

※友人の記事をもとに、悪ふざけで作った作品です!
※お下品注意です…!





こいつは甘ちゃんだ。



シャカイジン2年目だというのに
まるで俺のことを警戒しない。


やつは今日も今日とて、
無為な時間を過ごしている。

なんでも、知り合いから聞いた話によると
そいつは最近までゲームをプレイしていたらしい
でぃしでぃあふぁいなるふぁんたじー、というやつらしい

まぁそんな得体のしれないものなど
まったく関係ないことだ。

そのゲームも「サ終」しちまったらしいが
それも、まったく関係ない。


なぜなら、今からおれは

こいつの人生を、

ただただ終わらせようとしているからだ。


・・・


用心深い俺は
まず”アイツ”に協力を申し入れた。

この界隈ではちょっとした有名人。
数多くのシャカイジンたちを闇に葬ってきた
名うてのヒットマンであり
古くからの良き相棒だ。



仕事はシンプル。

まずアイツがひとりゲートに向かう。

すると馬鹿な管制官どもは、
アイツの人畜無害そうな顔を見て
声をあげるんだ。

「異常なし!」

大人しそうってだけで
安全だと判断しやがるんだからな。
馬鹿な奴らだ。

そうして危険物検出用のベルトコンベアに
持参した大きめのスーツケースを流し込む

そのままの検品用のボックスセンサーを通過する。


え?
いったい、俺はどこにいるかって?

ここだよ、ここ。

今まさにコンベアを流れてる
スーツケースの中だ。

くく、奴らの間抜け面が目に浮かぶようだ。


センサー?
当然、そんなものは反応しない。

この状態じゃあ
俺はただの「有機物」だからな。

ゲートを通過し、「外」に露出することで
俺ははじめて「危険物」になる。

「中」にいるあいだは
俺はだれよりも安全な存在なんだよ。

おろかな奴らには
それがわかっちゃあいないんだ。



スーツケースが、センサーを通過し
アイツの手元に戻る。

やつらはまだ
「だまされた」ことにも気づいちゃあいない。


管制官がぼそぼそと指示を出すと、
見上げるほどの大きなゲートがまんま開く。

ぶしゅうという排気音とともに
黄金色の煙が立ち上る。



ここまでは手筈通り。


勝負はここからだ。


一瞬の隙をついて、
アイツが勢いよくゲートへ駆け出す。


緊急アラートがけたたましく響き渡る。


そうだ。そうなのだ。

この体の主が「違和感」を覚えたのだ。


こうなると括約筋機構が激しく反応し
俺らを内側に押しとどめようと躍起やっきになる。

アイツはすぐさま姿をおぼろにしながら
俺の入ったスーツケースを
ゲートに向かってぶん投げる。


…ああ、紹介が遅れたな。

ついさっき無散しちまったが、
俺の相棒の名前は、

「おなら」ってんだ。

やつにはまだ異臭を散らすって仕事が残ってる。
ここからは別行動ってわけだ。


さて、いよいよ俺の番だ。


俺の入ったスーツケースが
火山岩のごとく打ち出される。

ゲートの外へむけて
猛スピードで突き進む俺は
さながら不死鳥の再来だろう。

黄色い煙に紛れ、
流星のごとく直線を描く俺に、
ばかな管制官どもが見とれる。

閉じ行くゲートを寸前のところで通過する。


俺はスーツケースを華麗に脱ぎ去り、
その「こげ茶色に輝くフォルム」を露出させた。


直立態勢をとり
空気抵抗を極限まで低減する。

そうして、着陸するは
白銀の巨大なドーム。

俺が頭から突っ込むと、
まるでそこを爆心地にしたかのように
茶色畑が広がった。

しみこみ
塗りつぶし
そして漂わせる芳醇な香り。

ただの人間であれば、それで気づくだろう。

「…ああ、やっちまった」と。

さあ、ここからはお立合い。

この宿主が「どこで」
この異常に気付いたか。


残念だが
「中」にいた俺にゃくわしい状況がわからない。

カイシャ、や、デンシャ、であれば、上々。

すぐにでも俺たちの香りは周囲に広がり、
ハザードがたちまち引き起こされるだろう。


そうさ。
俺は、
いや俺たち

こうして何人もの
「シャカイテキな命」を
狩りつくしてきたんだ。




ん?
俺の名前か?
そうだな。まだ名乗ってなかったか。

まぁ気づいてるやつも多いだろうが、

この際だ。

しっかり覚えておけ。


うんこだ。




どうだ?
青ざめたか?

…はは!
血の気が引いただろう?

まぁその反応なら、お前はまだ正常だ。

この名前を聞いて
すまし顔をしてる輩がいるなら、
そいつはまだ俺の恐怖を知らないってだけだ。

正常に処理されなかったときの
俺たちの恐怖をな。


…おっと、光が差し込んできやがった。
宿主が俺の存在に気付いたようだ。

みろよ、やつのマヌケ面を。
体張った甲斐かいがあったぜ。



まぁ、バレちまったからには
俺はここまでだろう。

だが、忘れるな。

俺たちはどこにでもいる。
当然、「お前」の中にも。

俺たちは、いつだってこのスイッチを押せるんだ。

牛乳、カルピス、ヨーグルト
このあたりの乳製品は
俺たちを奮い立たせる。

賞味期限、常温保存、未加熱の肉類
それに甘えたものの末路を、
想像したことはあるか?


おれたちはいつ、なんどき、行動を起こすか。
けっしてお前たちにはわかりゃしねぇよ。

せいぜい、
震えながらその日を待つがいい。

もよおしたその日が、
あんたの「シャカイテキ命日」
なるかもしんねぇからよ。



…そういや、

俺の先人たちはどうなったんだろうな

まぁどうせ
そのまま廃棄されるだけだろう。
あとは、身を任せるとするか。
別に苦しみもねぇしな。

…ん?
なんだここは。

水場か?
あ?なんだこの、見たこともねぇ色合いの液体は?

「センザイ」だぁ?


センザイってなんだそ……ぶっ!!

なんだこれは?!
ぐっ、息ができねぇ…!
体が、、、俺の体が溶けていく?!
うがあああ
俺が、俺を維持できねぇえ!

だめだ崩れる!
俺が、消える?!

ああああだが忘れるなああ
第二第三の俺がああ、

いつかお前を、、必ず、、、
必・・・ シャー。ズゴゴゴ。


・・・ 殲滅作戦は
だれにも見つかることなく完遂された。

風呂場の床も清掃を行い
証拠は完全に滅された。

安堵したわたしは
汚れた下着を洗濯機にぶち込んだ。


~ミッション・コンプリート~


お下品なネタでたいへん申し訳ない!!!

いや、でもわりとうんちネタ、noteでは一般的って聞いています!
かのエッセイスト、イトーダーキさんもよくよく話してますし…
…ふつうふつう!


「宿主」役こと私の友人が、noteにオリジナルを挙げてくれています笑

ぜひぜひ、こちらも御覧になってください!

もちろん、お食事を済ませてから推奨です!



🐈️気に入りましたら、ぜひサイトマップも覗いていってくださいな🐈️

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