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平成名文学考

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平成名文学考 序章

平成という時代が去ってまもなく3年になろうとしている。

じゃあ大正文学、昭和戦前文学、昭和戦後文学のように『平成文学』と言うものが生まれただろうか。悲しいかな文学界はそんなことも出来ないのだ。文学の危機と言われたのは1988年でなんと昭和だ。その後どうなったと思います?

「2020年・ベストセラー」って見たことあります?それはそれは酷いものでゲーム攻略本に漫画のノベライズだらけなのだ。あとは宗

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平成名文学考 第1章 『空飛ぶタイヤ』

というわけで最初の作品を出すわけだがこれほどまでに「平成」という時代を表現した作品はなく『劣化・退化・隠蔽』の代名詞である「平成時代」を表現した文学はないだろうと。

文学って社会があってはじめて成り立つものですよ?

文壇界って何をやってるんですか?三菱自動車・三菱自動車トラック・バスほど「平成」を象徴した会社はないですよ。映画化もされましたよね?

文学が「オワコン」になったのはヤングケアラー

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平成名文学考 第2章 『金融腐蝕列島』シリーズ

平成って時代はね不良債権というものに命を多数殺されたも同然だ。だったらこれが「平成」の代表作であるべきだ。違うか?

第一勧業銀行総会屋利益供与事件がモデルでしょ?「呪縛」は第一勧銀の近藤克彦頭取が記者会見で「呪縛が解けなかった。」と言ったから『金融腐蝕列島 呪縛』なんでしょ?今のみずほのゴタゴタにもつながる話ですよね?宮崎邦次元会長の自殺まで発展した事件ですよね。

完結編は旧UFJ銀行がモデル

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平成名文学考 第3章 『孔子』

井上靖って忘れちゃいました?いきなり『論語』読めって言われても出来ませんよね。だから平成版にして翻訳して読んだらどうですか?孔子ってこういう面白い人物ですよという作品が1989年には出来てたしヒット作になってた。

まだこの時代は「文学」が書けていた。それが平成30年頃には出来なくなっていた。違いますか?

孔子だけじゃもったいないですよね。数々の思想家に応用できる作風ですよ。

『おろしや国酔夢

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平成名文学考 第4章 『平成三十年』

堺屋太一氏って日本の没落を朝日新聞連載『平成三十年』で平成7年当時で見事的中させた人物なんですよ。だから「らんたの愛読書って何ですか?」って聞かれたがガチの友人には「『平成三十年』です」って答える。というか「失われた10年」という概念もない時代に限界過疎、産業空洞化、中国の覇権国家化を見事当てた人物はいないよ。堺屋太一って天才なのね。でも文壇はこの『平成三十年』をガン無視したよね?

文壇って経済

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平成名文学考 改めましてはじめまして

はじめまして。いつも挨拶は第四章と第五章の間に挟んでるらんたです。挨拶と「終わりに」だけ読んで『倍速』で読んでる人は〇ねって感じですね。だから「はじめまして」の位置を変えたんです。らんたは。そうやって速読して何か得るものありました?文学ってじわりと感動するものですよ。あなたは映画を2倍速で見ます?それやったらただの馬鹿ですよ?でも速読ってこれと同じことやってるわけ。ビジネス系の意識高い系の読み方を

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平成名文学考 第5章 『ポトスライムの舟』

ちゃんと読みました?女性ですが就職氷河期世代の話ですよね。就職氷河期世代って就職したらラッキーじゃないのよ。入ってもパワハラで精神を病んでドロップアウトするんですよ。それで引きこもるんです。そしてそういう人間に対して「軟弱者」と攻撃されたのがロスジェネなんです。

さすがにこの作品は2009年に芥川賞を受賞しましたが。だから親しくない人には「あなたの愛読書は何ですか」って聞かれたら私は『ポトスライ

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平成名文学考 第6章 『地下鉄に乗って』

映画版は割と後なんだよね。地下鉄(メトロ)なので。東京メトロになったから記念に映画化されたもんなんでね、あれは。

主人公は世界企業の御曹司だが親に反発して家を出てしがない下着売りの営業マン。そんな営業マンが地下鉄を降りて永田町駅の地上に出ると広がる光景は昭和39(1964)年の新中野。そう東京オリンピック直前の東京だった。。。。

『地下鉄に乗って』の小説版は1994年で恐らく主人公は団塊ジュニ

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平成名文学考 第7章 『火怨 北の燿星アテルイ』

朝廷に歯向かったアテルイが蝦夷のために戦った勇者として復権がなされたきっかけの文学で後に「快速アテルイ」が運行されましたよね。それまでアテルイは鬼扱いつまり妖怪と同等だったのです。

じゃあ鬼って何よ?って事ですが土蜘蛛なら特に熊襲を鬼は特に蝦夷を指していましたよね。つまり朝廷に歯向かう奴は人間じゃなかったのです。でも攻め込んだのは大和の側ですよ。アテルイは間違いなく史実に存在した勇者なのです。

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平成名文学考 第8章 『OUT』

まず発行年見て驚くわけだよ。1998年だよ。1998年に夫のDV、リストラ、家庭崩壊、認知症介護、ギャンブル中毒を書いてるわけ。でもそうだよなって。もう1998年頃に日本の家庭はあちこちで壊れていたよなって。つまりいろんなご家庭が文字通り「OUT」だったわけだよ。

で、この人たちは東京近郊のデリカ工場で主婦パートとして働いていたわけ。そういう人に限って異常犯罪に手を染めるわけだよ。

まさに平成

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平成名文学考 第9章 『ハゲタカ』

俺さ、経済小説って日本企業の勝利は読みたがるけど敗北ましては外資系ファンドによる買収劇と再生物語は読まれないよね?何で?

そもそも日本って国はGHQによって再生した国ですよ。

ただし、小説のモデルとなった新生銀行は外資系ファンドですらさじを投げたがな。

いったいどれだけの企業が外資系によって復活したんだ?シャープしかり。なのに外資だとガン無視か?いい加減にせいや。

たしかに一部ハゲタカファ

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平成の文学には〇〇派と言うものが存在しない。

平成文学には、文芸思潮と言うものが存在しない。

ええ!?嘘?本当!?

じゃあ「白樺派」とか「写実主義」とか「自然主義文学」とか「プロレタリア文学」とかあります?無いですよね。

普通はこの思想をもとにこの文学を表現するというのが古今東西の文学史なんですが。が、日本には1980年頃からこの「文学思想」というものが消えてただの大衆消費財、エンタメに落ちるんです。

普通これだけの超高齢化、失われた

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平成名文学考 第10章 『若おかみは小学生!』

映画化もされたけど、これが児童文学ということも念頭に入れてだけど

子供が労働することが善って言う発想がすでにサイコパスですよ。

小学生時代に小学生らしい遊びや恋愛をしないと人間は、壊れます。なのでこれは中学受験をしたお子さんも含まれています。成功すればいいですよ。でも例えば東大・京大に1名も合格者を出さない中高一貫校やMARCH未満の中高一貫校要は受験失敗組だ。そういう学校に6年も居るとどうな

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平成名文学考 第11章 『コンビニ人間』

まず「らんた」は社会学で文学の人間じゃねえのね。そこからして文学の世界の評価とは全く違う事を言うからそこんとこよろしく。

そんなに18年間もコンビニバイトの独身女に対してマウントを取る周りの世間の方が異常だよ。ええ。

そもそもSVが「君、フランチャイズ店のオーナーにならないか」ってお声がけするよね?それだけの大ベテランバイトならば。コンビニってバイトでも発注作業あるんだよ。つまり法人格を持って

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