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保健師時代を振り返る⑦

大切な皆さま、こんにちは。

前回は、
地域包括支援センターの役割について
長々と書かせていただきました。
書きながら、
もっとわかりやすくお伝え出来たらいいのにな、
と思いつつ、
用語的に避けられないモノもあり、
伝えることの難しさと大切さを
感じさせていただきました。

今回は、そんな地域包括支援センターでの
お仕事で感じていたことをお話しできたらいいなぁ、
と考えております。

では、今回もよろしくお願いいたします。

前回の記事はコチラ

続き…


12.伝えたいこと

前回、最後に書かせていただいた

一人で抱え込まないで欲しい

という言葉。

この言葉を頭の片隅でも良いので、
置いてもらえたらと思います。

そして、
このメッセージを伝え続けることが
地域包括支援センターの役割として
大切であること。

関わる方、地域全体が元気でいられるように
陰ながらサポートする保健師の視点、
役割として大切であると感じています。

介護保険のサービスや社会資源を利用する際、
中心になるのは、
利用する「本人」です。

では、
「本人」だけ見ていればいいのでしょうか?
ご本人が望むことだけ叶えてあげれば
良いのでしょうか?

答えは「NO」です。

色んな見方があるため、
一概にそうとは言えませんが、
サービスを利用する、
何か支援を行う際に中心となるのは確かに
「本人」です。

しかし、
色々な家族の形、身寄りがない方も
いらっしゃいますが、
本人を支えている方がいます。

核家族化が進んだり、
家族がいても遠方に住んでいたり、
といったことはありますが、
高齢になった本人を支えているのは
現在の日本では、
家族が大多数になります。

「老々介護」
という言葉もありますが、
高齢の妻や夫を、
同じく年を重ねて高齢になった
配偶者が介護を行なっている状態です。

夫婦だけで解決できないこと、
家族だけで解決できないことが
あります。

解決できたとしても
無理をしている」場合もあります。

どこに助けを求めていいのかわからない。

誰かにお願いするなんて恥ずかしい。

周りの人に知られたくない。

まだ頑張れる。

もっと困ったら相談する。

みんな本当に様々な思いを持っています。

これらは、決して悪いことではありません。

介護保険サービスを利用するからと言って、
何もかも全部やってあげるわけではありません。

むしろ、全てを解決できる。
という保証もありません。

ご本人やご家族が持つ力を活かす、
その力をいかにサポートできるのか、
ということが大切です。

本人や家族が無理をすることによって起きる
二次障害を予防することが大切です。

その中で、
困っていることや大変だと感じていること、
家族や介護者の負担を軽減することも
支援者としては大切な役割です。

極端ですが、
介護者が無理をして倒れてしまうことで
本人の生活がままならなくなり、
食事や排泄、衛生面が保たれず、
入院となってしまう可能性もあります。

家でまだまだ生活できたはずが、
施設へ入所。
となってしまうケースもゼロではありません。

それを悲しむのは、
本人だけでなく、
家族、介護者も傷ついてしまうことになります。

責任を強く感じてしまう方もいらっしゃいます。

本人、家族、介護者の方、
それぞれが安心して生活していくために
苦しい」「大変」「助けて」・・・
声を上げて欲しいと願います。

それは、
弱さではなく強さだと私は感じます。

一人じゃない。
一緒に考えていきましょう。

そのために
サポートしてくれる人、
場所があります。

地域包括支援センターも
是非ご活用ください。

13.人生が宝物

「人の数だけ人生がある」
とお話ししてきていますが、
それは年齢関係なく全ての方に
当てはまります。

そして、
年齢を重ねれば重ねるほど、
自分自身の経験、
他者との関わり、
家族関係、
仕事、子育て、地域との関わり…
などなど
人生の重み」が
増してくると感じます。

今の自分を静かに受け入れる方もいれば、
自分の状況を受け入れられない方もいます。

色んな方と関わらせていただく中で、
人生の重み
人生の厚み
を沢山感じさせていただき、
様々な経験を乗り越えてきた中の
大切な一部分に関わることが
恐れ多くもあり、
また、
私の人生を豊かにする大切な
経験をさせていただいていたのだと
今振り返って感じます。

生きている中で、
一緒に暮らしていたとしても
全く同じ人生を過ごしているとは
言えません。

考え方も感じ方もその時、
見ているモノも違います。

年齢を重ねれば重ねるほどに
色んなことが増えていき、
自分の中に「経験」として
積み重なっていきます。

それは、
自分以外の誰かが手に入れたくても
決して手に入れることは出来ない
自分だけの大切な
宝物(人生経験)】です。

高齢期は、
人間が生きている中での
最終段階です。

今まで積み上げてきた
沢山の経験、
数えきれない宝物を
持っていらっしゃいます。

大切なモノ、
宝物に触れる時は、
壊さないように
そっと手に取ったり
誰にも見つからないように
大事にしまってあったりすると
思います。

自分一人での生活がままならなくなり、
介護保険や誰か人の手を借りる、
となった際には、
その宝物を人に見せる、話す、
といったことが
必要になることがあります。

その時、
宝物に触れさせていただく、
という
感謝と尊敬の気持ちを
忘れてはいけないのだと感じます。

仕事だから、
保健師だから、
必要なことは何でも聞いていい。
触れていい。
ということは決してありません。

本人や家族にとって
触れられたくない所に
触れてしまうこと、
必要に迫られたり、
命の関わる時など
どうしても、
ということも
もちろんあります。

でも、
そんな時だからこそ、
大切な宝物に触れさせていただきます。
という
気持ちを忘れてはいけないのだと
思います。

自分が働いていた時に、
常にその気持ちを持ち続けられていたか
と言えば、
そうではなかった時もあったと思います。

私にとっても経験を積ませていただく中で、
大切なことを教えていただきながら、
成長させていただいていたのだと
改めて思います。

そして、
それらが今の私に
宝物(人生経験)】となって
残っていると感じます。

この大切な宝物・経験を
伝えることが
私を育てて下さった
全ての方への少しでもの
恩返しになれたらと思います。



続く…

楽々出来ていたことが
年齢と共に出来なくなってくる。
その虚しさや葛藤が、
本人や家族の中に生まれてきます。

そんな時、
第三者の立場として、
地域包括支援センターとして、
保健師として、
何が出来るのか、
答えはあるようでない。

ですが、
それを探し続けることも
大切な役割だと感じます。

それではまた、次回。

いつもありがとうございます。



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