ファンタジー小説/サンダーコレクター10
「るな、!ゲームしよー!」
ネッ友から、連絡がきた。オンラインゲーム仲間だ。
顔も知らないけれど、よく話す。
「いいよー!」
一緒にプレイをしながら、いろんな話をする。
「最近なんか良いことあった?」
そう聞かれた。んー、良いことか。なんだろう。
「バルたんさんって分かる?あのひとが、サンダーコレクター始めたらしいよ、ほらあの有名なアプリ」
バルたんさんと個別に直接会話したことはないけれど、たまに見かけるひとだ。
別のグループでゲームを楽しんでいる。
私も始めたよって言いたかったけれど、なんだか言い出せずにいた。
バルたんさんはゲームが上手ですごく有名人なのだ。
「しかも、バルたんさんってめちゃイケメンらしいよー!だってイケボだもんね。一度方言聞いちゃったことあるけど、多分るなと同じエリアの人だよー!話し方似てるもん」
一応、サンダーコレクターの登録の際に、他人に活動を言うことは禁止されているのだ。ネットでの書き込みも不可。巡回に来る。このネッ友は情報通だし、様々なひとと交流を持つことが得意だ。野次馬気質でもある。ゲームをする上では、良い仲間だけれど、あんまり自分のことは言わないようにしている。
「なんかね、順調にランクアップしていってるんだって。気になるよねえ、私も始めようかなー。登録簡単らしいよ。でも、続かなかったり、トラブル多いらしいもんね。」
雷の取り合いというか、そういうことが起きたりするからだ。
ハンター同士で、協力して活動も出来るけれど、やはりお金が絡んでいるから、収益の配分などで揉めるようだ。
グループで活動も出来なくはないが、その辺がやっぱり難しいよなーと考えたり。
どこでも結局人間関係で揉めるよなあと考えたり。
「でねでね、今度バルたんさんとゲームすることになったから、るなもおいでね。二人住んでるとこ近そうだし、これがきっかけで♡ってなったら、私キューピットだね!いや、預言者かも!」
まさかのハンター同士のキューピットにはなっているけれど。
ちなみに前回は、ランクアップしなかったけれど、収益がすでに開示されていて、2回の活動で、一か月の生活費は賄えるくらいあった。
そりゃ皆、血眼になってやるよなーと思った。
✨🌟💫✨🌟💫✨🌟💫✨🌟💫
前回の活動が終わった後、夜中に爪に埋め込まれたチップのバッジを通して、収益など確認してみたのだ。
数字を見て驚いていたら、肩にいつの間にかニャックが座っていて耳元で、
「べいべーーーーーーー!!!!」
と叫んだのだ。びっくりして、みっともない声をあげてしまったら、うまく私を驚かすことに成功したニャックが楽しくなってしまったらしい。
~BE MY BABY!BE MY BABY!BE MY BABY!
夜中にあなたを想い 思いを馳せ、眺める~
そう、愛しい収益 SHU☆E☆KI☆
君はいつも姿を現さず、夜中に積もり積もる この想いを揺れ動き トントンrock rock 現れる~
るなちゃんはキミのTORIKO♡ ベイベー!
真夜中に君を想い near near顔 なでなでバッジ
その顔ははまさにニヤニヤ~
夜中に通帳を眺め、ニヤニヤするのが好きな社会人と同じさ~
歌いやがった。腹立つ。
お前いつから見てたんだよと思ったけど、なんでお前そんな即興で作れるんだとは思った。
すごい才能だな。よく見るといつもと恰好が違う。なんかおしゃれしてるやん。
でもなんかキャンプの服装っぽいな。
リュックも背負ってるし。
「これからsummerだよ?るなてえてえてぇてゃんよー!俺、ソロキャンプ行ってくるから、三日間おやすみね!で、その間、俺、るなてゃんにつけないから、活動できないじゃん?」
「そのため、親チケット使いまーす!俺、君の、親っていう設定になってるのね。それで活動しなくても収益はいってくるように設定できるわけ!俺しかこれ使用できないのよ。枚数もさ、政府に配られてるから所定の枚数しか所有できないんだよねー。とりあえず、三日間は、るなちゃんリリースだよーん。放流ー!べいべー( ΦωΦ )」
ということでの今に至るのだ。
ゲームしながら思い出して、またムカついた。
浮かれすぎだろ、ニャック。
休み満喫するか。
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