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【ファンタジー小説】サンダーコレクター14

「計測行ってきますかね。」

そういうと、ペッパーはキラーコメントの中に入っていった。

「ばり、だるいわ。はああ。」

バルたんが呟いた。
ずっと歌を歌っているから、そうだろうなあと思う。

体を動かしたり、表情に気を付けているからそりゃそうだろな。
やっぱり声に影響するだろうし。

でもって、コレクターさんたちへの対応も即興だから、大変だろうな。

「おつかれさまです。大変ですね」

そう声をかけた。

「今はコレクターさんたちが自分たちでの話が盛り上がってるから、すこし休憩とることにした。たまたま居合わせたメンバーだからこそ、会話も活発に盛り上がるよね。取り残された感じがしたから、そのままにしてる。こういう現象嫌がるハンターもいるんだよね。あたしはそんなことないけど。」

バルたんは、ほかハンターとの交流もあるようだ。

「他のハンターとは、どこで出会うのですか?」

「ルーキーイベントだったり、ハンター紹介のところにアーカイブが残ったりするでしょう?そこで知り合ってというか認知してって感じかな。イベント参加者も一覧でみれるよ。」

「あのー、いつも女性に声かけるのですか?」
前から思っていた疑問をなげつけた。

「うん、そうだよ。だって、あたし女好きだもん。あ、この後お茶しにいく?♡」

ん?これはなんだ?誘われているのか??

「えーと、失礼ですが、異性愛者ですか?」

「そうだよーん、こういう話し方と、恰好してるほうが女の子油断するから、仲良くなれるんだよね☆がっつり男よ♡|๑'ω'๑)グフフ♡」

おい、すこし配慮して、バルたんてめぇの扱い悩んでた私の時間返せよ。

「いや、疲れたのでもう帰ります。」

「えー!やだやだやだぁ!行こーよー!」

「嫌です、無理です、辞めてください!」

「やだー!行こー♡」

こんなやり取りを繰り返した。押し問答やん。
うぜぇなぁ。
次第にイラついてきてしまって、口調も厳しくなってしまう。

「だから嫌だって言ってるでしょうもん!!!お前しつこいなぁ!!!!」

「めげない、しょげない、泣いちゃダメ!それがあたしのポリシーだから、諦めない、投げ出さない、やり通すの!!!!」

意地になってるやん。
しかもこれがんこ森のがんこちゃんのセリフらしい。
だから、お前も頑固なのかよ。

いつの間にかペッパーが戻ってきていて、私たちのやり取りを見ていて、ケラケラと笑っていた。

「俺、バルたんの"めげない、しょげない、泣いちゃダメ!"の座右の銘好きなんだよね。メーターの水こぼしそうになったじゃん。はい、今日るなさんが来て、テンション上がったから、結果良かったね!バルたん、プラス2だよ!ランクアップまた出来るよ!おめでとう!」

悔しいがおめでたい。
とりあえずはお祝いの言葉をかける。

「おめでとう!すごいね!良かったじゃん!」

「え、それはお祝いの席を用意してくれるってことよね?♡いいねーのんびり出来るところ行っちゃう?♡🏩」

返しも早いから、言い返せん。

まったく、ニャックもバルたんも口が達者だ。
どっと疲れるけど、なんだかこうやって言い合う相手ができて良かったのかもとも感じていた。

ペッパーは私たちのやり取りに飽きて、1人でまたレコードをいじっていた。

たまにこれはおふたりに向けての、音楽だよーと言って、ロマンチックなのをセレクトしてくれる。
しかし目の前にいるのは、やけにニヤついたバルたんだけで、ロマンチックもくそもなかった。

今日もよく寝れそうだ。疲れるわ、本当に。


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