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ファンタジー小説/サンダーコレクター8

大きな水溜まりにいっぱいのコレクターさんで溢れかえってる。
次から次へと新しいコレクターさん達が集まってきた。
コメントで話しかけてあげたり、水溜まりの水をシャボン玉のようにしてきて、私が息でふーっと吹き返したり、反応すると喜んでいるようで手足をバタバタさせ、キラーコメントを形成していく。

前回よりもはるかに大きいキラーコメントの壁が形成されていく。

そして前回よりも大きな雷の一筋が入り込む。
ゴォォォォン。
雷鳴が轟く。
激しくて、こちらにまで振動が伝わる。

「るなちゃん危ないよ!」

ニャックが私の腕を引っ張った。

左の腕に何か痛みが走った。

「痛っ」

思わず声も出る。え、何が起こったの??

「キラーコメントの強度が足りなくて、雷のパワーを抑えきれなくて、キラーコメントの一部がはじけ飛んできたんだよ。雷とキラーコメント合わさってる状態だから、本当に当たったら死ぬよ。だからキラー(killer)なんだよ。直接当たってなくてもこんなふうに来るからね。気をつけて。」

そういうことだったのね。諸刃の剣と表現していいかわかんないけど、そういう事なのね。

入り込んだ雷の反発も今回はすごい。前回よりも重低音で、どしんとこちらにも響く。漏れ出す光たちもすごい。
竜巻のようにキラーコメントがぐるぐるまわる。そのすきまから、光が絶え間なく点滅する。
サイケデリックな曲を聴いてるようだ。
DJブースでグンッと加速度を上げてる音楽みたいだ。

「今回はすごいね。気象条件も良かったけど、るなちゃんのファンに確実になってる人達が増えてるんだよ。すごいすごい。だってあのアイテム、無料じゃないのよ?るなてゃんと一緒に音聞きたかったんだろうね。」

ニャックが言う。

まだ慣れないけれど、そういうものなのだろうか。

昨日はそんな余裕がなかったけれど、様々な色に溢れ、雷鳴がいいサウンドになり、高揚感で包まれてきた。

コレクターさんたちが夢中になるのも分かるな。
その様子を見ながら、ふと思った。

それでこれで電力が作られているのも変な感じだ。



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