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その22)親離れとベーシックインカム

この連載の中で、ベーシックインカム時代の子育ては、親の使い込みから子供を守るため、ベーシックインカムは成人するまで段階的に抑えられ、学費や給食費などはベーシックサービスで提供して、なるべく平等な条件で教育が受けられるようになるのではと予想しました。

ベーシックインカム社会になっていて、かつ多くのエッセンシャルワークがAIやロボットに代替されている社会では、就職先は本当にないでしょう。そんな中でも何らかの才能を発揮した人は家を出て外の世界で活躍していく。そういう未来はまだあると思います。

そんな中で、ベーシックインカムのみで暮らす家庭の子供が巣立ちをする場合「世帯収入が減る」という問題が立ちはだかります。

ベーシックインカムは1人月10万円もらった場合、4人家族だと世帯収入は月40万円になります。複数人数でいろいろシェアしあう生活は1人の負担が少なくなります。これはとりもなおさず、成人した子供が家を出ると世帯収入が減り、生活の負担が増えるということになるのです。

この時の親の考え方が子供の未来を左右することは大きいと思います。引き止めれば今まで通りの暮らしですが、家を出たところで雇用などは無いです。生活は、世帯を分ければ何をするにも出費が増えます。

ベーシックインカムしか収入がなかった場合の巣立ちの選択肢は、こうしたところで狭くなっていくと考えられます。それでも、子供が独立したい、チャレンジしたいと表明すればさせてやるのが理想だと思います。子供の世界が広がることは未来を切り拓くことでもあります。

理想論はいくらでも言えるのですが、これが現実問題となった時、人々がどうしていくのかはとても気になるところです。

こうした問題は巣立ちのほかにベーシックインカム社会での住居問題にも大きく影響します。次回はそれについて考えていきます。

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