カメとウサギのバランス

毎日のルーティン作業を続けるのが若い頃から苦手だった。
庭の手入れ、毎日のお掃除、勉強、糠漬け。
コツコツ積み上げること全般。
憧れてやり始めてみるものの、三日坊主で終わることの連続で、
とはいえ残念には思うものの、それほど困ることはなかった。

そのかわりに色んなことを次々と思い付くし、
「思いついたが吉日」という言葉を実践して、すぐに着手する。
そういう時の集中力と持久力は「薬やってんじゃね?」というレベルで、延々と取り組む。寝食も忘れる。

「ウサギとカメ」でいえば、明らかにウサギである。
カメは偉いとわかっていても、カメには勝てないとわかっていても、ウサギはウサギとしてしか生きられないのだ。だってスイッチが入っちゃうんだもん。

そうやって、生きてきた。

ところが年をとって、ルーティン作業が必要になってきた。
たとえば練習。たとえばストレッチ。

若い頃はストレッチなど全くしなくても困らなかったし、練習も気が向いた時にアホみたいに練習するだけで、それ以外は何もしないというやり方でなんとなくうまくいっていたのだが、今はストレッチをサボれば翌日腰が痛くなるし、2時間超える練習などすれば膝が痛くなる。
そして一回あたりの練習時間が制限されるようになったと同時に、「一日練習をサボるとテキメンに足が動かなくなる」ということも起こるようになった。

それで現在は30分ストレッチと1時間を越さない練習のセットを毎日コツコツやる習慣ができた。ついでにスペイン語の勉強も「Duolingo」で毎日やっている。

ウサギは年をとって、長く速く走れなくなった代わりに、カメ要素を手に入れることができたのである。
やったね!

ところが。

ところが、この「毎日のルーティン」は、「思いついたこと」を阻む要素があることに最近気がついた。

たとえば「明日は休みだから自転車に乗ってドコソコに行こう」と思い付く。
だが、朝起きて、ご飯を食べて、練習をして、スペイン語をやって、その後で・・とすると10時くらいになっちゃうなあ〜・・とか思うと、なんとなくやる気を削がれる。
別に練習だってスペイン語だって最低限にすれば全部で40分くらいのもんなのに、それをやった後で、と考えると、なぜかものすごく億劫になる。
「朝一番に自転車に飛び乗って出かけよう!」というイメージがなくなると、なんとなーく「うーん、まあ別に明日じゃなくてもいいかあ」という気持ちになるのだ。

これはなんなんだろうか。
カメとウサギは両立できないのか。

そういう「思いついちゃった日」は思い切ってルーティン作業はサボればいいのだろうか?
しかし思いついちゃったら、次から次へと連鎖的に思いついちゃったりするのがウサギの宿命。そしたらずっとサボることになって、気がつけばそれは最早ルーティンではなくなってしまうのではないか?

これは困った。
生まれもってのカメ型の人に聞いても、「え?その期間が終わったらまた普通に毎日やればいいんじゃないですか?」とか言いそうなので、後天的カメの方がいらしたらご教授願いたい。

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