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ユニオン イズ マネー

 私は現在100足らずの労組の執行委員の1人です。元々は結構大きな組合に所属していたんですが、その経験を買われてなのか、そもそもやりたがる人がいなかったのか現在も一応労働運動に携わっています。私の所属組織は30年前までは150人を超す組合員を擁していました。現在は100切っていますし、多分来年90人を切ります。なのに執行部は8人いる。小さくなった会社に取締役が8人もいる会社は倒産まっしぐらでしょう。私が新卒採用の頃親会社に入社したと同時にグループの組合員となった時から「もう正社員中心の労働運動は限界」と言われ続け、その20年後企業別労組どころか企業そのものすら衰退気味なのに労働運動に対する信頼度は低いまま。これで全く危機感を持っていない役員がいるとしたら、よほど労働運動に熱意がなさすぎて、なんで執行委員なんか引き受けたのか?と思うぐらいの鈍感人間しかいないと思います。そもそも何かのニュースで見たのですが、「組合費がもったいない」という若手社員が増えているという論調を見ました。確かにコロナ禍を経て、そもそも労組主催のイベント行事すらリモートばかりで少ない賃金で組合費ばかり削られていく現状に不満がある人もいると思いますし、そもそも労働組合がない企業にお勤めの人は何でそこまで苦労して労働組合を作らないといけないのか?と思われるでしょう。
 ネット上で昭和の労働組合を未だに引きずっている人は労働組合に一切所属したことない人ばかりが多いと思います。現在の労組はそもそも政治運動はそこそこに会議ばっかりやっているという個人的なイメージです。ちゃんと活動もやっているんですけどね。これが関係労連の委員長書記長クラスになれば週一で何らかの会議に参加してます。これはこれで危機感を持たないといけない大問題ですが、個人的に私の組合役員人生で得たちょっとした財テクを紹介したいと思います。私は親会社の労組で専従をやっていた時からそもそもオルグ関係ではなく、福利厚生担当で現在も同様です。なので私の場合は労組が結成された後のお話しかできません。このお話を機に組合に興味を持ち自分たちも労働組合の立ち上げをしたいという有志がどこであれ相談し労組立ち上げを成功させてくれたら、幸いです。

労働者のお金のはなし

 労働組合の福利厚生に一応通算10年以上携わった自分だからこそ、労働組合に数千円払うだけで将来の資産形成に繋がる話をしたいです。とりあえず話半分で聞いてみてください。現在物価高の影響で実質賃金は1年以上、マイナスです。賃上げムードなのに物価が高いので所得が上がった実感はなく、本当にプラスマイナスでマイナスになっているのが現状です。この場合生活防衛策として①節約を徹底する、②保障制度を遠慮なく使い、将来のために財産を作っておくの2点です。節約と言うものはガソリン代かけて1円でも安い食料を求めて隣町のスーパーに買い出しに行くとか効果が薄いことをやっては意味がないと思います。例えば現在スマホは生活必需品みたいなもので、格安スマホも一時期ブームになりましたね。格安な分サービスの質も落ちますが、最低限使えればいいと言う人にはこれも立派な固定費削減です。固定費の見直しは不景気な世の中においては絶対に必要です。
 ただ案外無頓着になってしまう部分もあります。最近では自動車に莫大な維持費がかかるために、そもそも車を持たない人も増えていますが東京など公共交通機関が整備されているところでようやく成立する話で自動車は生活必需品です。安い維持費のために軽自動車でいいというのも立派な固定費削減です。ただそれだけではまだまだ甘い。そもそも自動車を持つという事は自動車保険がセットなんですよ。自動車保険ってどういう会社で契約していますか?ディーラーに言われるがままに契約した保険会社だと毎月バカ高い保険料を支払うことになります。最近ではネット保険もかなり勢いを増していますが、労働運動家の末端として推したいのが共済です。それも労働組合の共済です。労働組合の共済で著名なのは「全国労働者共済生活協同組合連合会」略して全労済でしょう。最近だと「こくみん共済」と言う愛称もできたらしいですが、ここでは全労済で通します。
 そもそも共済事業というものは組合員がお金を出し合い、何かしろ災害にあった人に補償を行う制度です。これだけ聞けばすごく綺麗な話のように聞こえますし、現実もうちょっと生々しい話もあるんですが基本はそういう制度です。なので保険会社のように株主に還元する必要もなく、人員も最低限でよく全労済の場合は労働組合が営業先なので新たな顧客開拓のために海外進出!というリスクもなくむしろ組合運動とリンクすることが重要なので掛け金が安価になります。また全労済の人はうまい事言うんですよね。「○○の職業の人は事故が少ないから掛け金をお安くできるんです」とか。私も組合活動の時よく全労済に行くんですがその言葉どこでも言ってるなと毎回思ってます。とは言え労働組合が共済事業を勧めたとき、資料ぐらいは貰っておいても損はないです。生命保険などは実際ネット保険よりうまく行けば割安で同じ補償内容で契約できます。さてお金のお話もっとしましょう。

年金不安?自分で年金額を増やしておく方法。

 若者世代にもっと投資を!と叫ぶ人がいますが、大体こうして一時はお金をバラまいても、そもそも後から回収されるのも世の常です。というか若い一点のみで「もっと若者にお金をかけて!」と言われても「じゃあ若者でも将来お国のためになる人材を選抜します」と言われたらどうするんでしょうか?高齢者世代から若い世代に予算をつけかえることは一見美談のように見えますがこれこそ「選択と集中」の最たるものです。極端な話エリートだけが国費の恩恵を得て、貧乏人は学問なんか必要なく肉体労働でもしろと言われて納得する人がいるんでしょうか?若者世代と主語を大きくすることでそういった「選択と集中」をボヤかしている人もいますが、そもそもそういう人に限って実家が金持ちで海外留学が豊富と言う人間が多くないですか?実際統計を取ってみたことがないですが、元お嬢様芸人として売っていたのに急に若者世代の代表となった人を見るとうがった見方をしてしまいます。話が脱線しました。
 全労済には「新団体年金共済」と言うものがあります。団体の生命保険と積立制度を組み合わせることで長期的な資産を増やすという制度です。この共済の弱点はそもそも個人で加入できない、それこそ労働組合と同じデメリットがありますが、労働組合を作ることでこうした共済に加入できることがモチベーションになるのなら悪い話ではないと思います。職業や年齢によってこの「新団体年金共済」の条件は変わりますが、こうした長期共済を40年というスパンで積み立て続ければ、原資700万円が受取額1000万に!と一応全労済の人はいいます。あまり当てにはしてませんが、私も一応加入しています。福利厚生分野の執行役員が入っていないというのも都合がよくないという事もありますが、実際積立はやっていた方が節税対策になります。年末調整でかなり戻ってくるパターンもあります。そもそも原資を作ることに四苦八苦する場合もありますが、将来の遊興費が少しは多くなるかもしれないと思って加入するのも悪くはないと思います。お金に無頓着な人間の最期がお金に悩むことになったらバカバカしいではないのですか?だから色々と相談しておくのも対策です。何もお金を増やす方法を一択にする必要はありません。様々な方法で自分のやりやすい方法で。

NISAのお話

 2024年から新NISAが始まります。新NISAは現行のNISAに比べて積立額が増え、非課税機関が無制限になり投資の上限も増えます。NISAはそもそも国の制度なので、どんどん投資してくれとNISAをやってくれという政府のお達しですが、どこまで活用できるのでしょうか?そもそもNISA最大のデメリットがそもそも投資なので積立共済のように必ずお金が増えることはなく、原資を割ることもあり得ます。かつてサッカーくじ「TOTO」を推進した人たちを旧日本社会党系を中心に「バクチ議員」と悪口を言われたのですが、日本政府の方針が貯金するぐらいなら、資金の一部を市場に流せという政策なのでNISAとサッカーくじは根底する者は同じです。運用成績によってはNISAは爆発的な利益を見込める一方、損をする可能性も高いです。リスクは一切取りたくないなら、普通に積立貯金をしましょう。ただ積立も絶対安心ではなく時にはリスクを選択する可能性もあります。そもそもお金をドンと爆発的に増やしたいなら宝くじに全財産傾ける方法が一番積極的です。当然ゼロか7億かの選択なのでそういう本物のバクチをすることはないと思いますが。労働者は原資がそもそも限られているので、ただ給料をもらってその分だけ消費するという事だけだと何一つリスクが回避できないです。日本の福祉制度というのはかなり優れていて、住居が少なくなってもちゃんと行政に相談すれば何か代替案を出してくれます。各市町村には規模の違いあれ養護老人ホームという施設があり、3食ごはんが食べるだけでいいのなら貯金を食いつぶして、家を失っても何とかできるんです。何とかできるっていうだけで自由とは程遠いですが、どこかの大企業の創業者一族だって老後も社員の暮らしのために何か働かないといけなくて、その日暮らしがうらやましいと思う瞬間があるそうです。私もできればホームレスになるよりかは大企業の創業者一族のプレッシャーの方が自由と言いませんが、そっちの方がなりたいと思いますけど。とはいえしがない労働者階級に労働組合があるのなら福利厚生担当者にお金の相談するのも人生設計の一つです。前にTwitterにも書いたのですが私は「トッカン 特別国税徴収官」と言う漫画が好きでした。その中にこんなセリフがありました。「どうかお金に殺されないで」。お金に殺されるほど、お金に困るのなら、ちゃんとお金の相談をしましょう。お金で解決できる問題は人間で解決できる問題です。見栄を張り、相談もせず、全部一人で抱え込むほど馬鹿らしい生き方はないです。お金に振り回される人生が嫌ならちゃんと資産管理に目を向けましょう。税から逃げられることができたとしても、人生から逃げられることは生きている以上あり得ません。降伏するぐらいな死を選ぶという人生は創作物としては綺麗ですが現実でそれをやってしまうのは単なる喜劇にもなりません。お金と戦うにはまず、お金の相談を誰かにしましょう。それが労働組合だったらなおのこと共済事業に組合員として携わった自分は嬉しいです。

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