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三河大政争2024

 2020年、岡崎市長選挙は覚えていらっしゃるでしょうか?全国放送では、コロナ禍もあり一地方選挙では少し珍しく全国放送されました。実績は一応あった現職が元代議士の新人候補に敗れたのです。あの時テレビでは「新人候補は市民全員に5万円を配る」と言う公約が報道を賑わせました。実際は現職は昔衆院選で多数の選挙違反をした元市長の息子であり、県議になり一定の権力を持った「地方の王」でした。本当に岡崎市内でも一地域限定ですが、その地盤で県議から市長にまで転身できました。初めての選挙では2度目の総理になる前の安倍晋三も応援に来ました。彼と安倍は2人とも安倍晋太郎の秘書出身でした。地方の王の息子と御曹司では待遇に差があったとは思いますが、一応前の市長は国政と多少は話ができる立場でした。
 さて新人候補は元代議士でした。民主党の代議士でしたが出自は自民党です。当時の岡崎市の自民党代議士杉浦正健の大規模選挙違反の時、彼も書類送検されています。その後は新生党や新進党に入党しトヨタ労連のバックアップもあって、杉浦正健相手に勝てなくても総支部長の座は譲りませんでした。それも暗転したのが2014年。岡崎市の大半の労働組合はその民主党代議士についていましたが、愛知12区の野党系の候補者に重徳和彦が選ばれました。重徳和彦の選対幹部にはかつて杉浦正健の選挙違反の時の責任者はじめ多くの杉浦後援会の重要人物がいました。岡崎市内の労働組合にとって仇敵を推せと民主党本部は言ってきたので、大半の労組はまともな運動をしませんでした。地方選では民主党候補を次々と落選に追い込む重徳のやり方を褒める労組はほとんどありませんでした。
 と重徳と連合愛知の仲は最悪でしたが、それもある意味解消したのは希望の党クーデターのおかげで保守系で杉浦後援会の一部が推す重徳と自力では中々候補が出せない労働組合との冷戦は解消、いつのまにか杉浦より県議が主体となった自民党岡崎支部と総選挙で2回ぶつかっていますが、今のところは無敗です。結果として希望の党が擁立した選挙区は大変でしたね。あれだけ実態もないのに、巨大政党のような報道をされた幽霊政党はありません。希望の党は希望なく消滅しましたが、岡崎の政争は再び活性化しています。

豊橋市長選2024

 一つ東三河の話もあります。豊橋市は保守地盤として有名ですが、開発によって無党派層も増加。愛知県は清和会王国で村田敬次郎と言う大物代議士がいましたが、その功績は今や誰もが知らないです。政治家なんて本来そんなものなんですよ。ネルソン•マンデラすら若い世代にピンとこない南アフリカの若者が急増していますから。
 2020年の豊橋市長選挙は珍しく現職を推薦しませんでした。現職は3期12年と言う条例を主張し、初当選していまだにその条例ができていないのに4期目を目指して出馬ですから、身内とは言えないけど民主党の県議が出馬するならそちらを推薦しました。結果新人候補が圧勝。
 さてその時いわゆる市民派市議と言われる地方の市会議員によくいるどこの団体がついているのか分からないけど何故かトップ当選かそれに準ずる票をかき集める庶民派でありながら、ガチガチの組織選挙をする人間がいます。豊橋市長選挙は現在自公は野党ですが、自公よりも非自公候補が現職反対派として立候補をする事を表明しました。公約を破ったのは現在の豊橋市長もやっています。だからどうだと言う気はないですが、平気で言った事を翻すやり方はとても褒められません。そうこうしているうちに自民党も地元の議長を擁立(あくまで推定ですが)しました。連合愛知は現市長を押しましたが、今回も多分推薦するでしょう。推薦して泥を被るのは最早恒例行事です。とは言え市民派と名乗る市議ほど案外ドス黒いやり方で支持者を集めており、なんとも言えないです。無所属もある意味政治的な色はあります。豊橋市は詳しくないのでこの辺までです。

岡崎市長選2024

 「地方の王」を破った保守の跳ねっ返りだった元民主党代議士、現在岡崎市長は5万円の公約を撤廃した後、いつのまにかオール与党体制を築いていますが、肝心の市職労や自治労傘下の労組が何を思っているのかなんとなく見えてこないので岡崎市の民間労組は静かなのです。市長選挙は結局市職労の意見が1番参考になる。そこが組織内市会議員すら色々と対応について迷っているような話を聞いたら、民間労組はとりあえず市長選より同日行われる市議選なのです。同日じゃなくても市議選の方が重要ですけどね。だから市職労の対応を見極めていて、どうするのか早くはっきりしてほしいと言う思いもあります。岡崎市職労組織内は高齢どころか、そこらの職場委員の方がよほど市職労に貢献できると思いました。駿馬も老いればと言う言葉ありますね。現在は天下の自治労がえらく弱気になっていますが若い生きのいい組合関係者は間違いなく揃っていますが、面倒なことにお役所系の下請けですら、うまく皆が推したいと言う人をマネジメントできないんでしょうね。岡崎市議は労組軍団が一定の議席を持ち、一定の与党で、一定すらチェック機能が果たせていないでしょう。もの言う野党がケチをつけられるなら、ケチつける人間は幸せです。もの言わぬ野党は、ものどころか同調する野党は存在価値がないです。国政は対決、地方はプロレスすらしない甘々な議会なら議会民主制の真贋が問われます。オール与党なんて言われるのは恥ずかしい話です。日本国の政治文化は理解しますが、議会は別。議会でしょう。オール与党地方議会なんて独裁国しかやっていません。

2024年決戦始まる

 2020年は安倍政権の通知表でした。安倍晋三と言う男の本性は晩年にいくにつれ狙って騙されやすい人間をカモにしていた印象です。楽な商売ですよ。太平洋戦争事の大臣の血筋で、父親は悲運の政治家、3代目は保守派の顔もでき拉致問題では人権派の形態もできるのだから、第二次安倍政権なんか随分とそれで得をしました。今やその亡霊にすがろうと自称保守派は躍起になっていますが、これはイデオロギーよりも階級差ですね。保守ももしかすると革新もそうなのかもしれませんが、人柄より血筋を好む。人間である以上抗えない性かもしれません。
 政争の街岡崎市で一つの事実があります。民営化を推し進め、市のサービスのチープ化を結果として推進したのは前市長で今の市長もそれはほとんど改善されていません。市政の在り方に意義あり。市民野党でいる限り、その闘いは永遠です。


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