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シーちゃんの魅力を語ってみる

 この記事をご覧になられている奇特な皆様、こんにちは、お久しぶり、初めまして。Dr.KAIと申します。
 まー、この記事のタイトルからも分かる通り、私はアークナイツでシーちゃんを推してる訳なんですが……彼女の様に、絵でもってその魅力を伝えられる訳でもなく。ドクターとして、彼女の天才的な運用方法を提示できる訳でもなく。さりとて何か推し活はしたい!ってことで、せめて言葉で彼女の魅力を伝えたいな〜と思い、この記事を書いてみた次第です。

 という訳で、早速本題に入りましょう。一口にシーちゃんの魅力と言っても色々ある訳ですが、中でもまず私が語りたいのが「信頼度上昇後会話2」です。と言うのもこの会話、他に比べて特に魅力が詰まってると思うんですよね。
 と言う訳で、まずは聞いてみましょう――と言いたいところですが、ローカルの動画は載っけれないので画像でご勘弁を……

※セリフの最後が少し切れてますが、今回そこには触れないので大丈夫です

 あぁ~……いい!私と同じくシーちゃん推しの方には、もはや説明不要かも知れませんが、何がいいかって言えば、やっぱりまずはココでしょう。

「貴方、ちょっとこっち来なさいな。目を閉じて。はい、あーん。」

 も〜これよ!あーんて……あーんてあーた!それは反則でしょーよ!?しかも、普段ぶっきらぼうなシーがそんなことしたら、ギャップも相まって威力は倍率ドン!さらに倍!!ってなもんですよ!!
 失礼……少々取り乱しました。いや、でも実際凄くないですか?こんな事してくれるオペレーター、今のところ他にいませんよ?あーんの前に近くに呼んで目を閉じさせるなんて、ちょっとフェイント入ってるのもまた……
 何よりこんな、下手したらキャラ崩壊しかねないセリフなのに、違和感を感じさせない絶妙なトーンが素晴らしい!私なんて、あーんてしてくれてるのに気付くまで3回ぐらいかかりましたからね。
 さて、もうコレだけでも充分に魅力的なのは間違いないのですが、勿論それで終わりではつまらない。まずは「あーん」に意識を持っていかれがちですが、そもそもこの会話、冒頭からしておかしいと思うのですよ。

「ごはんの準備が出来た?あら、ありがとう。」

 ほら、ね?なんでごはんの用意なんてしてんのよドクター?で、シーちゃんもさも当然の様に受け入れてるけどなんで?何?一緒に生活でもしてるの?夫婦なの?夫婦だよね?もう夫婦ってことにしちゃっても文句ないよね!?
 ……え?流石にちょっと飛躍しすぎ?いやね、そりゃまあ秘書に任命してるわけだし?一緒に仕事してれば、ご飯ぐらい一緒に食べてもおかしくはないでしょうよ。私も最初はそう思いましたとも!ただね?続きの会話をよ〜く聞いてみて下さい。

「ふーん。どこの国のお酒かしら?悪くないわ。うん、どこか足りないような味が逆にいいのよ。」

 はいここ!ここですっ!分かりますか?ここ、どう見てもお酒飲んでますよね!?他の国の常識についてはよく知りませんが、少なくとも日本人の感覚で言えば、特定の業種を除いて仕事中の飲酒なんてまずあり得ません!つまりこれは業務外、プライベートってことになりませんか!?
 さあ!そうなるとほ~らおかしい!あの気難しいシーちゃんが?仕事でもなくプライベートで飲みに付き合ってくれるなんて、普通あると思いますか!?百歩譲ってあったとして、もう少し渋々って感じになりそうじゃないですか!
 でもこれね?実際にボイス聞いて貰わないと分からないのですが「あら、ありがとう。」の部分、彼女にしては大分口調が柔らかいんですよ!え?じゃあもうガチじゃん?ガチでシーちゃんと距離縮まってるじゃん!?
 とまあ、私としてはもうこの時点で夫婦認定しちゃってもいいんじゃないかと思うんですが、この部分、まだ一つお伝えしておきたいことがあります。それは、シーちゃんがお酒を飲んでいるということです。
 それはさっきも聞いた?まぁそうなんですが、また別の意味でこの事実は重要なんです。では、何がそれほど重要なのかと言うと……

リィンの回想秘録より抜粋

 こちらはシーの実姉、リィンより得られた重要な証言です。そう、実はシーちゃんはお酒が飲めなかったのです!それも、なんと一雫も受け付けないレベルで!!
 無論、この証言が真実ではない可能性も考慮しました。先の会話でも「どこか足りないような味が逆にいい」と好みを語っていたり、実際に飲んでこそいないにせよ、彼女がお酒を飲みたがってるシーンもいくつかあります。

九色鹿の回想秘録より抜粋
(「一献」は酒宴を意味する表現)
シーの回想秘録より抜粋

 シーの性格からすると、飲んだくれの姉からの誘いを断る方便として、多少オーバーに伝えている可能性も十分にあり得るかと思います。
 ですが、そうは言っても相手はあのリィンです。詩人である彼女は人の機微に敏感で、半端な嘘なら看破してきそうな貫禄があります。ましてや、実の妹の発言なら尚の事でしょう。
 故に「一雫も受け付けない」とまではいかないまでも、お酒があまり飲めないのは事実ではないかと思うのです。で・す・が!先程も申し上げた通りドクターとはお酒を飲んでいるんです。
 だんだん分かってきましたか?さて、では次に何故シーちゃんはお酒が飲めないのか?その理由についても言及していこうかと思います。と言っても、実はこれについてもリィンの回想秘録で語られています。

 「眠っちゃって夢を見るのが怖い」って、シーにしては随分可愛い理由に聞こえるけど……本当に?そう思ってる方はいないでしょうか。私はちょっと思いました。
 ですがコレも、おそらく事実だと思います。我々からすると超然としていて、怖いものなどない様にも思える彼女ですが、彼女の兄姉達からは一様に「臆病」だの「肝っ玉が小さい」などと言われてしまうほど、実は気が小さいようなのです。

 じゃあまあ「夢を見るのが怖い」のは事実として、「何がそんなに怖いのか」についても考えてみたいと思います。が、それを語るにはまずシーや彼女の兄弟姉妹達がどういう存在なのかという点に軽く触れておく必要があるでしょう。
 彼女達は、元々『歳』と言う名の巨獣――平たく言うと神様の様な、龍の姿をした1体の怪物でした。それがまぁ昔の炎国の人達となんやかんやあった末に、力を失って眠りにつき、代わりに産み出された12体の分身がシーやその兄弟姉妹って感じです。
 でまあ、それがさっきの話とどう関係するのかってことですが、シーはどうやら眠ると夢の中で自分達の本体である『歳』と邂逅してしまうようで、彼女はそれを恐れている様に見受けられます。事実、将進酒で『歳』の影と対峙した際にも、珍しく動揺している彼女の様子を垣間見る事ができます。

SV-9 戦闘後会話より抜粋

 さて、ではなぜ『歳』と邂逅することがそれほど恐ろしいのでしょうか?一つは、それが自分達の本体であるが故に、抗うことが出来ないという自覚から来るものでしょう。そもそも、彼女達は本体が眠っている間の代理的な存在である為、本体が目覚めると存在が消滅してしまうようなのです。

WR-10 戦闘後会話より抜粋

 なるほど?存在が消滅する=死んでしまう上に、それがいつ何時訪れるか分からないというのであれば、相当恐ろしいでしょうし、目を背けたくなる気持ちも分かると言うものです。が、ここでふと私が気になったのが「信頼度上昇後会話3」です。

 ここで語られている「余白に落書きするやつ」というのが誰なのかは未だに明かされてないので、ひとまず置いておくとして。ここで彼女は「生死を気にしない」と言っています。強がっている風にも見えないし、信頼度200%の会話であることも踏まえると、おそらく嘘ではないでしょう。
 はて?しかし、死ぬことをきにしていないのであれば、結局彼女は何を恐れているんでしょうか?その鍵は、おそらく放置ボイスにあるかと思われます。

 幾星霜(いくせいそう)とは、非常に長い時間が経過したことを表す表現で、この会話で彼女は眠ってる間に時間が経過してしまうことを憂いているように見受けられます。とは言え、普通はそんなにずっと眠っていられる筈もないので、ここで言う「眠る」とは『歳』が目覚めて彼女達の存在が消えている状態を指しているものと思われます。
 一度消滅した彼女が再び目覚める事があるのかは分かりませんが、もし仮に目覚める事が出来たとしても、その時は何年か――下手したら何十年、何百年と経過してるんだろうなあ。と、傍らでノーテンキに寝こけているドクターを見ながら、感慨にふけっているのだと思います。
 そう――「ひとたび眠れば」と考えた時、彼女が真っ先に憂うのは『歳』が目覚めることでも、その結果自身が消滅することでもなく、時間が過ぎ去ってしまうことなのです。つまり、これこそが彼女の真の不安であり、眠りたくない理由なのではないでしょうか。
 確かに、時の流れというのは全てを飲み込んで形を変えてしまう、魔物の様な側面を持っています。例えば、百年も時が経てば大半の人間は死んでしまいます。山河ですらその形を変えてしまうかもしれません。その上、鉱石病や天災、各地の武力衝突や海の脅威まである過酷なテラの大地では、そうした変化はより一層大きなものとなるでしょう。
 つまり、彼女からしてみれば、一度寝てしまうと、目覚めた時には彼女の愛していた人も、自然も、文化も、全てが失われてしまっている可能性があるのです。それが彼女にとっては堪えがたく、そして何より恐ろしいのではないでしょうか。
 思えば、彼女があまり外に出ようとしない理由もそこにあるのでしょう。これについては、彼女自身も、会話3で次のように語っています。

 先の信頼度上昇後会話3で「筆に乗せた意思は残り続ける」と言っているように、彼女にとって『描く』とは、すなわち描いて『残す』行為なのだと思われます。つまり、仮に自分が幾星霜眠ることがあったとしても、描いた絵はなくならず、未来に持ち越す算段があるのではないでしょうか。
 ゆえに、ここで言う『描ききれない』は『残しきれない』ということであり、それほどまでにシーにとってこの世界は愛すべきものに満ち溢れているということなのでしょう。
 つまり、ここまでの話をまとめると、シーちゃんはこの世界の多くのものを愛していて、それを失うことを恐れており、その原因となる『歳』の目覚めを恐れ、そこに繋がる『眠る』という行為も恐れ、さらにそこに繋がる『酒を飲む』という行為すら出来ず、おまけに失うものを増やすまいと外出すらしない……と。
 う〜ん……なるほど?こうして書き連ねて見ると、確かに兄姉達が『気が小さい』と仰るのも分からないでもありません。とは言え、己の消滅ではなく、他を失うことを恐れているのであれば、それは『優しさ』と言って差し支えのないもので、決して揶揄されるようなものでもないと私は思います。
 とまぁ、さんざん脱線してしまいましたが、そろそろ本題に戻りましょう。いい加減忘れてしまってる方もいるかもしれないので、もう一度言いますね?シーちゃんがドクターとお酒を飲んでいると言う話です。
 ここまでの考察で、私はシーがお酒を飲めないのは、割と根深い――なんなら一種のトラウマ(厳密にはトラウマではないですが)と言ってしまってもいいレベルの問題ではないかと感じました。にも関わらず、彼女はドクターとお酒を飲んでいます。
 これは何故か?無論、ここまでの考察が全くの的外れである可能性は否定出来ません。が、それだと話が終わってしまうので、この場は正しいものとして進めると、以下の様な要因が考えられるかと思います。

①不安はあるが、それ以上にドクターとの酒宴を楽しみたいと思っている
②不安はあるが、ドクターがいればなんとかなる、なんとかしてくれると思っている
③ドクターといる間は、そもそもそんな不安を感じない、忘れてしまっている

 こんなところでしょうか?一応、順序的には①から③にかけて、ドクターへの信頼がより厚くなる様に列挙しましたが、仮にシーの不安がトラウマに近いレベルのものだとすれば、①の時点でも相当大きな感情を寄せられていると思いませんか?そりゃ「あーん」の一つもやってくれるってもんです。
 これだけの信頼はそう簡単に得られるものでもないと思うので、きっとそれだけの何かがシーとドクターの間であったんだろうなぁと思います。ですが、残念ながらこれについては何の情報もないので推測の域を出ません。ただ、一つ言えるのはドクターにはこの事実――つまり、シーからこれ程の信頼を寄せられていることは伝わっていないだろうということです。
 なぜなら、このお酒はドクターが用意したものだからです。飲めないと分かってる相手にお酒を用意するほど、ドクターはいい性格してないでしょう。仮にそうだったとしたら、シーの方から嫌味の一つでもありそうですが、それもありませんしね。
 つまり、ドクターは彼女がお酒を飲めないことを知らないってことです。飲めないことを知らなければ、飲むことの特別さなんて、分かろうはずもありません――シー本人が言わない限りは。
 そう、彼女は言ってないのです。ドクターと飲むことに抵抗がなかったとしても、元来好ましくない行為なのであれば、そのことを伝えて避けてもいいはずです。が、彼女はなぜかそれをせず、さもなんでもない事かの様にお酒を飲んでいるのです。
 なぜ彼女は言わないのでしょう?飲めないことがドクターに知られると困ることでもあるのでしょうか?これについては、色々と推測できる材料はあるものの、確証はないので各々で勝手にこじつけてしまうことにしましょう。
 確かなのは「言わない」のが彼女の意思であるということです。つまり、シーはドクターに好意や信頼を伝える気がない――より正確に言えば、少なくともドクターに伝わるような表現はしないということになるかと思います。(まぁ「あーん」とかしてくれるのは、多少漏れてる気もしますけど)
 ということは?ということはですよ?逆説的に、彼女がドクターに向ける言葉の中には、常にそれと分からない形で、好意や信頼が含まれている可能性が出てくるわけです。
 さあ、そうなると他の会話も聞き直してみたくなってきませんか?なりましたよね?是非一度聞き直してみてください。そして、そこに他意はないか、一度じっくり考えてみてください。
 それが思い込みでも構いません。多分に好意的な解釈だとしてもいいじゃないですか。そうして、もし皆さんがシーちゃんの新たな魅力を見出すきっかけになれたなら、喜ばしい限りです。

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