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バイセルのテックカンパニーへの変遷、CTOとしての取り組みを振り返る

約3年ぶりの投稿になります、株式会社BuySell Technologies(以下バイセル)で取締役CTOをしている @kyunsです。
バイセルでのCTO歴も2年半が経ちましたので、この記事ではバイセルのテックカンパニーへの変遷に向けたこれまでの取り組みの紹介をしていきたいと思います。
本記事はバイセルテクノロジーズ Advent Calendar 2023の 25日目の記事となります。

バイセルについて

バイセルはグループ各社がそれぞれの強みを活かして、買取から販売まで、幅広い商材を取り扱う総合リユースビジネスを展開しています。
特に出張訪問買取事業は業界最大級の規模で全国展開するバイセルの強みです。出張訪問以外にもバイセルグループ全体で全国200店舗以上を運営しています。 売上規模は400億円を超え、グループ全体の従業員は1400名以上になります。

バイセルグループの事業概要
全国200店舗以上の買取・販売店舗を運営

なぜバイセルにきたのか

前回の記事でも紹介したようにZOZOのCTOとして、テックカンパニー化に向けた取り組みは順調に進んでいました。
ZOZOは今となってはエンジニアに人気の企業となり、優秀なエンジニア達もたくさん集まっているテックカンパニーになったと思います。
CTO協会が発表したDeveloper eXperience AWARD 2023にZOZOがランクインした時も非常に嬉しくなりました。
CTOを引き継いでくれた@sonotsさんには感謝していますし、ZOZOは今もなおテックカンパニーとしての進化を続けていると思います。
転職のきっかけは丁度前回の記事を書いた頃あたりに、知り合い経由でたまたまバイセル会長の吉村さんや岩田社長に会ったのがきっかけです。そこでバイセルおよびリユース業界のことを知りました。
話を聞いていくうちに隠れ資産約44兆円というリユースマーケットの規模の大きさに驚きましたし、この業界がアナログでまだまだテクノロジーを活用できる余地が沢山あること、バイセルがデータドリブン経営を行ってきて、まだまだこの先もデータを活用していける可能性があることなど、とにかくマーケットと会社の成長の可能性をとてつもなく感じました。
そもそも僕は辞めるつもりは全くなかったのですが、話をしていくうちにこの場所で次のCTOとしてのチャレンジをしたい、と思うようになりました。

これまでヤフー、VASILY、ZOZOとずっとインターネット×ファッションの業界で生きてきたもののテックカンパニーをつくるノウハウは別の業界においても再現性があるのではないか?それを確かめてみたいという思いもありました。

バイセルは全国に拠点や営業センターがあり、営業だけでも400名以上が在籍しているリアルなビジネスを展開している企業です。リアルなビジネスを展開している事業会社のDXを推進していくというチャレンジもしてみたかった、という思いもありました。
想像しはじめると、次々と色んな思いが溢れてきて最終的にはワクワクする方、バイセルでのチャレンジを選択しました。

CTOとしてのさらなる挑戦

今回僕が新たにCTOとして目標に置いたことは以下の3点です。

  • 上場企業の取締役CTOとしての責任を持つこと

  • 自分がいなくなったとしても常に組織課題が改善され続ける仕組みをつくりあげること

  • 事業貢献ができるエンジニア集団をつくりあげること

バイセルの組織づくりにおいては特に上記の点を意識しました。
また、新しくCTOとして挑戦するからには今までと同じレベルのことをしていけはいけないと考えました。過去のやり方にとらわれず同じ課題を解決するにしたとしても、常にベストなやり方が無いか模索しながら仕組みを作り上げていきました。エンジニア組織づくりにおいては、一定の再現性はあるとはおもいますが、組織も生き物ですので都度試行錯誤しながらやっていく必要がありました。

まずなにからはじめるか

CTOに就任して最初の仕事は現状分析し、組織課題をみつけていくことです。会社全体の課題がどこにあるのかを分析していきました。
結果として以下のような課題があることがわかりました。

  • 全社的にテクノロジー活用ができておらず、アナログな作業が多々ある

  • プロダクトのロードマップやビジョンがない

  • エンジニア組織が他部署と分断されている

  • エンジニア採用がうまくいかず、エンジニア組織の拡大ができていない

など、あるあるだとは思うのですが、上記のような課題があることがわかりました。
また、僕が入社するタイミングと同時に前任の技術責任者の方が辞めてしまい、そのタイミングで多くのエンジニアも辞めてしまったということが起こりました。就任早々なかなかのHard thingsです。
全エンジニアと面談しながら、組織課題などの整理をおこなっていきました。

中長期のテクノロジー戦略を考える


課題を整理し、戦略を考えていく上で2つのDXを意識しました。
僕が理事をしているCTO協会では企業を変革させていくときのキーワードとして2つのDXを掲げています。
企業のデジタル変革を意味する「Digital Transformation(DX)」、そしてソフトウェア開発者にとっての働きやすい環境と高速な開発を実現するための文化・組織・システムが実現されているかを意味する開発者体験「Developer eXperience(DX)」、この2つのDXを推進していくことが鍵となると考えています。

2つのDXをバイセルの状況に置き換えると以下のような戦略になりました。

  • データドリブン経営の加速

    • データドリブン経営をよりスムーズに解像度高く行える仕組みをつくること

  • テクノロジー活用による生産性向上

    • 買取から販売までの全ての業務フローを見直し、効率化できるプロダクトを考えていくこと

  • AI技術とデータを活用した研究開発

    • AIやデータを用いて、非連続な業務効率の改善を行えるようにすること

  • エンジニアリング組織マネジメント

    • エンジニア組織の強化・拡大を行い、プロダクト開発を円滑に進めれる体制をつくること

バイセルのテクノロジー戦略

上記の方針をもとにそれぞれバイセルとしての中長期のテクノロジー戦略をたてていきました。

データドリブン経営の加速

バイセルが設立以来、ここまで急成長できた背景にはデータドリブン経営という概念があります。売上利益を司るKPIを分解し、それぞれの部門においてKPIを設定する。そして、セールスイネーブルメントという手法を用いて、
優秀な成績を収めているプレイヤーの要素を因数分解していき、教育プログラムに反映する。これを繰り返していくことで優秀な成果を出せる人間を科学し、組織全体の営業力をあげていくという手法です。
データドリブン経営を行っている中で、ある程度のデータ活用はできていましたが、以下のような課題がありました。

  • データはあるがDBやスプレッドシート、手元のエクセルなど色んな場所に散らかっている

  • アナログな作業が多く、まだ取得できていないデータがある

  • データを集計・分析するにもデータサイエンス部門への依頼が集中し、速度がでない

上記課題を解決するために以下のような施策を行っていきました。

データドリブン経営の加速

データドリブン経営を支えるデータ基盤の構築

データドリブン経営を加速するためにも、買い取りから販売までの全てのデータを一元管理できる全社データ基盤(Pocket)の構築を行いました。
Google BigQueryに全ての情報を集約。データベースに入っていないようなスプレッドシートや手元のファイルなどは、Databricksを用いてインポート、メダリオンアーキテクチャに基づいて扱いやすいデータレイクを実現しました。これによってオンライン化されていない手元のデータも取り込めるようになりました。

データドリブン経営を支えるデータ基盤の構築

データ活用のための従業員教育

全社でのデータ活用推進の為、データ集計・分析のスピードをあげるためにも従業員向けにSQLやデータ分析の研修・勉強会を実施、アンバサダーを各事業部で育成し、全社での利用を促進しました。
結果として、自分たちでSQLを書いたり、直接データ基盤を利用することで、素早くニーズに応じたデータ集計・分析が可能になりました。
現在ではビジネス職や子会社含めて400名近い社員がデータ分析基盤を直接利用しています。

データ活用のための従業員教育

詳細に関しては以下の記事をご覧ください。

テクノロジー活用による生産性の向上

リユースプラットフォーム構想

中長期的なテクノロジー戦略を考えることはCTOの重要な役割です。DXを推進していくとはいえビジョンなきDXは意味がありません。バイセルに入社した当時はプロダクト戦略やビジョンが無かったので、バイセルにとってどういうテクノロジー戦略があるべきかを考えました。
そこで、リユースプラットフォームの構想を考えました。

リユースプラットフォーム「Cosmos」

バイセルの場合は出張訪問買取や店舗買取、宅配買取など買い取りチャネルも多数あり、販売チャネルもToC、ToB含めて多数のチャネルがあります。
さらにバイセルはM&Aを毎年行っておりこれらのチャネルは今後も増えることが予想されました。
またリユースにおいては先程述べたようにデータが非常に鍵となります。
そこで、これらの課題を解決するために買い取りから販売まで1つのデータ基盤の上に、一気通貫にデータ活用ができるリユースプラットフォーム構想「Cosmos」を考えました。
中長期的にはバイセルグループでCosmosを利用し、最終的には外販できるSaaSとして展開していく予定です。
こうすることで全体としてデータ活用がしやすく、さらにそれぞれの業務別に最適化したシステムをスピード感を持って開発することができるようになりました。

各プロダクトでのテクノロジー活用

Cosmosの各プロダクト群はそれぞれの業務フローをすべて見直し、新しい仕組みとして業務効率化に取り組んでいます。
10個以上のプロダクトが存在するので個別には紹介しませんが、2023年の各プロダクトの成果は以下の記事にまとまっていますのでぜひご覧ください。

AI技術とデータを活用した研究開発

AIを活用した商品の特定・検索

この業界に入って一番驚いたことは商材のマスタがほとんどないことでした。査定時間を短縮し、査定数をスケールしていくためには商材マスタの開発が必須でした。そこで、まずは特定商材(お酒)のマスタを作成し、さらに5万枚の査定画像をAIに学習させ、画像から素早く商品を検索・特定できるようにしました。これによって5分かかっていた査定時間を20秒に短縮することができました。
現在はお酒とバッグが主ですが、今後も商材の幅を広げていき、AIによる査定アシストを標準化していきたいと考えています。

写真からお酒の種別を判別するAI

BuySell Researchのたちあげ

テクノロジー戦略において非線形な成長を目指すためにも中長期の技術的な投資が必要です。
バイセルにおいては、買取、査定、販売の各カテゴリにおいて、最先端技術の研究開発による事業貢献を目的としたR&D組織「BuySell Research」を設立しました。データやAI、LLMを用いてリユースにおける各分野での研究を開始しています。

リユースにおける各分野での研究開発を行う

生成AIとデータの活用

私にとってChatGPTの登場はiPhone登場以来の衝撃的ニュースでした。当然バイセルでも生成AIの活用の取り組みをいちはやく積極的に行いました。生成AIを使いこなせるかどうかで従業員の生産性は劇的に変わります。
そこで、全社で安全にChatGPTを利用できるための仕組み(BuySell Buddy)を新卒エンジニア達の研修内容に設定し、開発を行ってもらいました。また生成AIの利用ガイドラインなども制定し、これによりChatGPTをより安全に便利に、Slackからも手軽に利用できるようになりました。
現在ではバイセルだけでなく子会社含めてグループの従業員が毎日利用しています。
またBuySell Buddyはプラットフォームになっており、社内の他のプロダクトからもAPIをコールすることができるようになっています。
これにより、各Cosmosプロダクト郡からもChatGPTを安全に利用することができるようになりました。

社内AIサービス、「BuySell Buddy」

BuySell Buddyのさらなる進化

ChatGPTのAPIを利用できるだけでも十分便利なのですが、やはり利用者からは社内の色んなドキュメントを検索したい、という声があがってきます。
そこで、いろんな社内の査定に関するドキュメントやマニュアル、ヘルプデスクの回答などをRAGを用いて検索できるように現在取り組んでいるところです。これが実現すると更に社内の生産性向上が期待できます。
また、ドキュメント検索以外にも全社データ基盤のテーブル構造やカラムの説明をとりこみ、データ集計や分析などもBuddy経由でできるような仕組みを開発中です。

社内のマニュアルを読み込ませて回答できるようにした例

生成AIに関しては今後もプロダクトにあたり前に組み込まれるようになるでしょうし、我々もできるかぎり最新の情報をキャッチアップしながら業務に活用していきたいと考えています。

エンジニアリング組織マネジメント

CTO室の立ち上げ
プロダクトの開発体制を整えるためにはエンジニアの採用が必要になってきます。これはZOZOの時もそうでしたが、スピード感をもってエンジニア組織づくりをしていく上で、同じ視座を持って動けるチームをつくることはなによりも重要です。そこでまずCTO室の立ち上げを行いました。
丁度このタイミングで、CTO室に入って組織づくりを一緒に行いたいといってくれたEM(@naoto_pq)を採用することができたのも運が良かったです。

CTO室のミッション

「全社における技術的な戦略策定および、エンジニア組織強化のための施策の推進」

技術戦略策定、技術広報、人材採用、人材育成、セキュリティ対策など全体としてやるべきことは幅広く、一度に全部できるものではありません。優先度をつけて、それぞれの取り組みを行なっていきました。

エンジニアリング組織マネジメントの領域

  • ミッション、ビジョン、バリュー(行動指針)の制定

  • エンジニアの採用

  • エンジニアの評価制度

  • エンジニアの成長支援・福利厚生

  • 技術広報

  • 開発生産性の向上

  • 組織エンゲージメント強化

  • 組織改善施策をまわす仕組み

MVV(ミッション、ビジョン、バリュー)の制定

組織においていかなる制度を作る場合でもMVVはとても重要だと考えています。バイセルにも元々MVVはありましたが、丁度全社的にも考え直すタイミングだったのでテクノロジーという観点を入れたビジョンに、バリューもエンジニアの行動評価にも使えるものに刷新しました。
考え直す時の観点としては以下のようなことを考えるべきだと思っています。

  • 従業員に会社の良いところ、メンバーの良いところを挙げてもらう

  • 経営陣として大切にしたいコアバリューを決める

  • 会社として今後も強みにしていきたい部分、伸ばしたい部分を決める

  • バリューの観点から評価制度をつくる

  • エンジニアを評価する際の観点としても使えるようにする

こうしてバイセルとして新しいMVVが出来ました。

ミッション、ビジョン、バリュー

エンジニアの採用

エンジニアの採用体制づくり

基本的にエンジニアの採用数はアクション数に比例すると思います。そこでエンジニア採用を行うためにもまずは採用できる体制を整えなければなりません。これまでエンジニア組織だけで行なっていたエンジニア採用を
CTO室+人事という体制を中心にエンジニア採用を専門に行うチームを作りました。もちろん人事側の担当はエンジニア採用をしたことがない人事です。大事なことはエンジニア採用業務にしっかりと時間を使えるチームを作ることです。
エンジニア採用未経験の人事でも1年ぐらいすればエンジニア採用ができるようになります。テックリードやEM達も採用プロセスに協力してもらいながら体制を作りました。
採用においては日程調整や手続きなど、候補者との細かい調整業務が発生します。
そこで、候補者と日程調整や連絡をやりとりする専門の担当者(コーディネーター)を置き、それぞれの担当の負荷をさげました。
これによって、採用に関わる人の負荷を下げながら採用を回せる仕組みづくりを行いました。
また、面談が特定の誰かに偏らないように選考に関わる人々の面接に使ってる時間なども集計でいるようにし、負荷が分散するような取り組みも行っています。

エンジニア採用体制の構築

新卒エンジニア採用

新卒エンジニアの採用はよくベンチャーには向いていないと言われます。育てれる人がいないからです。でも私自身、組織をサステナブルに成長させていくためには新卒エンジニアの採用は必要だと考えています。これは自分が今まで関わった組織において新卒達が、会社の文化づくりや組織をリードする人材に育っていくのを何回も目の当たりにしているからです。そこでバイセルでも新卒エンジニア採用を本格的に行うようにしました。

新卒エンジニア採用の方法はいくつかありますが、新卒採用に強いエージェント(サポーターズ、アカリク、ローカルイノベーション、レバテックなど)を利用するのが今もなお主流になっています。
こいうエージェントから個別紹介を受けたり、逆求人と呼ばれるイベントに参加しました。逆求人はエージェントが開催しているもので、1回あたり学生が2、30人に対して15社ぐらいの企業がお互いに30分ずつ面談していくスタイルの採用イベントです。
逆求人に参加する学生はあらかじめエージェントによってスキルセットや経験である程度フィルタリングされており、全国から非常に優秀な学生達が集められています。バイセルも逆求人イベントに積極的に参加をしていきました。
もちろんこのイベントに参加する企業はLINEヤフー、DeNA、DMM、マネーフォワードなど名だたるIT企業ばかりです。普通に面談するだけでは到底他の会社よりも魅力的に見せることはできません。
我々としては自社の魅力をどのようにすれば伝えれるか徹底的に話し合い、魅力を伝えれるようなプレゼンや面談の練習を行い、開催会ごとに反省会を行い、練度を上げていきました。
また、新卒エンジニアの待遇の改善なども行い、初任給を引き上げたり、内定やインターン生のフォロー体制も整えていきました。
結果として改善の成果や採用チームの頑張りもあって、2023、2024についてはそれぞれ10名程度の新卒エンジニアを採用することができました。

中途エンジニア採用

採用プロセスマネジメント

採用体制を作った後は、しっかりと採用プロセスを回せる仕組み作りをすることが重要です。採用プロセスの各ファネルにおいて、候補者の情報共有などEMと人事とでしっかり密に連携を行います。

  • 採用管理ツール(HERPやHRMOSなど)を導入し、応募から入社までの各ファネルのKPI管理を行う

  • 応募

    • プロダクトチームと連携し、各ポジションの応募要項を随時アップデート

    • 日程調整ツールを導入し、候補者のUXを向上

  • 面談

    • カジュアル面談を行い、ラフに候補者に寄り添う

    • 一次面接や二次面接の間に必ず面談を設けて、候補者の本音を引き出す

  • 面接

    • エンジニア+人事が同席し、面接のログを全てとる

    • 採用基準を作成し、採用基準に沿っているかどうかを軸に面接を行う

  • 振り返り

    • 合格、不合格に関わらず採用関係者全員で合否の理由を振り返る

大事なことは面接をできる人がやるだけの採用体制ではなく、採用に関わるメンバー全員の採用力を引き上げ、採用ができる人を増やし、しっかりと採用が回る仕組みを作ることです。こうすることで全体としてのアクション数を増やし、採用に繋げていきました。

流入媒体別のマネジメント

採用の流入媒体別にもそれぞれ工夫を行い、改善のサイクルをまわしていきました。

リファラル(社員紹介)

エンジニア採用においてリファラル採用は非常に強力な武器となります。
そこでリファラル採用の制度などに関しても強化を行いました。

  • 採用候補者との会食費用負担

  • リファラル奨励金(一人入社するごとに紹介者に一律50万円を支給)の準備

エージェント紹介

  • エージェントと定例を設けて随時情報をアップデート

  • エージェントを集めて、エージェント向けの説明会を実施、自社の魅力を伝えエージェントにファンになってもらう

スカウト

  • スカウト媒体の運用を分担して回す。媒体ごとにユーザー層が違うので、狙うそうによって媒体を分ける(転職ドラフト、Findy、ビズリーチなど)

  • 候補者ピックアップからスカウト送付までを仕組み化

エンジニアの評価制度

よくいろんな方にエンジニアの評価制度はどうつくればいいですか?と聞かれます。
評価制度とはただ給与を決めるためだけのものではなく、
「エンジニアを成長させる羅針盤」というのが私の考えです。
優秀なエンジニアといっても人によって、会社によって定義は様々です。
なのでまずは自社のエンジニアをどう成長させたいのか?ということを考えるべきだと思います。
自社にとっての行動指針はバリューに現れます。そしてそれを分解し、あるべきエンジニア像を定義し、行動要件に落とし込む、こうすることで、会社の方針に沿った一貫性を持った評価制度をつくることができます。

人事制度の目指すゴール

人事制度を見直すことで以下のことを目指しました。

  • パフォーマンスの高いエンジニアを育成する仕組みをつくる

    • エンジニアとしての成長を促し、成果を出せる人材を育成する

    • どのような能力を伸ばすべきかを評価制度によって明確にし、成長の確度を高める

  • より良質なエンジニアを採用できる採用力を創出する

    • 採用力を強化する上で、評価制度や給与テーブルは非常に重要な要素になる。

      • 良いエンジニアが納得して働くことのできる評価制度/報酬体系を整える

      • 給与水準において、競合他社に負けることが無いようにする

    • バイセルで働くことがエンジニアとしても一番成長するし、経済的にも一番合理的になるようにする

エンジニアの等級制度、キャリアパス

エンジニアにとってキャリアが築けるかどうかということは非常に重要な要素です。エンジニアの中にはリーダーやマネージャーとして活躍するよりも、技術を磨いて事業貢献したい人たちが居ます。
そこで、今まで1つしか無かったキャリアパスに加えてエキスパートコースというものを新設しました。またあいまいになっていたテックリードに関しても、テックリード制度を見直し、1年に1度の任命方式に変えました。

等級制度とキャリアパス

評価のしかた

エンジニアの評価に関しては、短期的に成果がでるものもあれば中長期的に成果がでるものもあります。
そこで、評価に関しては成果評価(事業への貢献)と行動評価(バリューの体現)の両面を50%ずつ、2軸で行うようにしました。

成果評価と行動評価

行動評価の行動評価

行動制度に関しては会社のバリューを分解し、エンジニアとして評価できる項目に落とし込みました。こうすることでバリューとの一貫性を担保し、かつエンジニアとしての行動指針として扱えるようになります。

バリューを分解してエンジニアの評価軸に落とし込む

グレード、給与テーブルの見直し

評価する軸を決めたあとはグレードごとに期待される行動を定義していきます。
またこのタイミングでそれまで10個以上に分かれていたグレードをわかりやすく5個(メンバー層2つ、マネージャー層3つ)に減らしました。
そして、これまではグレードに対して給与が紐づいていたのですが、それによって中途入社社員が入る場合、前職給与などを考慮した給与にグレードを紐づけてしまうとグレードに対しての期待値とあわない問題などが起きていました。
これらを解決するために、グレードに対して給与はレンジ制を導入しました。
給与のレンジも見直し、最低、最大の年収上限の引き上げを行ったり、新卒給与の水準を引き上げました。
もちろんこれはただ闇雲に給与をあげるわけではなく、市場価格と本人の能力を見極めながら、2年かけて調整を行いました。
結果としてメンバーの成長などもあり、この2年でバイセルのエンジニアの平均年収は約200万以上アップしました。

行動要件定義表

エンジニアの成長支援・福利厚生

エンジニアの成長につながるものには投資する、という方針で様々な制度を拡充しました。リモートワーク環境の備品レンタル制度(リモートHQ)などは社員の利用度も高く、非常に好評です。

  • 書籍代全額補助

  • 自学費用補助(AWS/GCPのインフラ費用を月1万円まで負担)

  • 資格取得手当

  • 勉強会/カンファレンス参加費用補助

  • 社内外での勉強会開催/参加支援

  • リモートワーク環境での備品レンタル制度導入(リモートHQのインタビュー

技術広報

エンジニア採用強化や内部のエンジニアの成長機会の創出のためにも技術広報は非常に重要だと考えています。バイセルでもテックブログの運営や社内LT会など様々な情報発信の強化を行いました。

  • テックブログとして、月3本以上の記事公開

  • Qiita/Zennなどでの技術記事の執筆の推奨

  • Twitterでの広報活動

  • テック系勉強会・カンファレンスへのスポンサー

  • 勉強会の主催

  • 他社勉強会への登壇

  • noteでの社内情報発信

結果としてこの2年間で発信数は10倍以上になりました。
テックブログの品質を担保する取り組みなどはこちらの@molmolkenの記事をご覧ください。

開発生産性の向上

エンジニアの数が増えてくるとエンジニア組織全体の生産性が気になってきます。そこで、エンジニアの生産性を可視化するためにFindy Team+を導入し、定量化できるようにしました。
経営陣とのコミュニケーションにおいても、エンジニアの生産性を定量化して伝えることは重要です。
Findy Team+は先行していくつかのチームで試し、うまく行ったノウハウを横展開できるようにしました。
CTO室メンバーや現場メンバーの努力もあり、地道な改善活動を続けた結果、開発生産性指標の高い組織としてFindy Team+ AWARDを二年連続受賞することができました。
100名規模のエンジニア組織で二年連続受賞している組織は少ないため、非常に嬉しかったです。

Findy Team+
Findy Team+ Awardを2022,2023年と二年連続受賞

取り組みの詳細に関してはこちらの記事をご覧ください。

もちろん、開発生産性を向上したからといってアウトカムを最大化できていることに直結するわけではないですが、アウトカムを最大化していく過程の中で必要になる要素だと考えています。
そこで開発生産性だけでなく、ROIを意識したプロダクト開発体制をつくっています。
冒頭に書いた通り、バイセルのエンジニア達には自分たちがどれだけ事業貢献できているかを常に意識させたいと思っています。
全てのプロダクトは、ビジネスKPIのどれにどのぐらいインパクトがあるのかを試算、リリース後はダッシュボードを用いて改善内容を計測し、
ビジネス側と協力してプロダクトの改善を推進するようにしています。
ただ作るだけではなく、事業貢献を意識できるエンジニアの育成を目指しています。

組織エンゲージメント強化

組織が大きくなってくるにつれて、経営陣のメッセージがなかなか現場に伝わらなかったり、自分以外のチームメンバーがどんなことをしているかわかりにくくなったりします。
組織エンゲージメントを高めるためにも様々な施策を行いました。

本部会

毎月1回、テクノロジー戦略本部の各部署でどんなことをしていたかを全体共有する会を設けました。各部署の1ヶ月間の成果などを発表します。
また、MVP制度もつくり四半期に一回最も活躍した人にMVPを贈るような取り組みも行いました。本部会は二部制になっており、一部は各部署からの共有の場、二部は懇親会という構成になっています。
懇親会は毎月テーマを決めて、参加者同士が交流できるような内容にしています。組織の文化づくりにおいて、こういうイベントは非常に重要だと考えていて、記憶に残るような内容にできるように毎月試行錯誤しています。

10月の懇親会のテーマは「ハロウィン」でした

テックインサイト(朝礼)

月1回の本部会で各部の共有は行っていたのですが、月1回だと、やはり経営陣の考えていることをタイムリーに伝える場所としては物足りなさがありました。そこで毎週火曜日の朝にCTOや本部長から重要なメッセージを伝える場としてテックインサイトという朝礼を開催することにしました。こちらは毎週開催されるので、前日に行われた経営会議の内容をすぐにメンバー達にも伝えることができます。
また、この場では経営メッセージ以外にもEM達が部署メッセージやバリューについての考え方などを発表し、新しいインサイトをメンバーにもたらす場としての役割も果たしています。

テックインサイト

テック通信

テクノロジー戦略本部内では日々各プロダクトでDXが推進されていていろんな成果がでているのですが、他部署から見ると中でどんな動きがあるのかなかなか見えづらいという状況が発生していました。
そこでテクノロジー戦略本部内の様々な活動を全社向けに月1で発表していくテック通信という取り組みを行いました。
内容としては各プロダクトの進捗や成果報告、部署紹介や事業部の方を交えたプロジェクトのインタビューなどプロダクトに関するものもあればエンジニア組織の拡大状況や採用状況の報告など他部署に知ってもらいたいことなどを網羅しています。
この発信によってテック全体の取り組みを全社にしってもらえるようになりましたし、全社でのDXに関する意欲が高まる手助けにもなっていると感じます。

テック通信、プロジェクトメンバーのインタビューなどを掲載

組織改善施策をまわす仕組み

ここまで紹介してきた取り組みをCTO室メンバーだけで回していくにはとてもではないですが、リソースが全く足りません。
そこで、様々な改善活動を同時並行でとりくめるようにいくつかの工夫を行いました。

WG(ワーキンググループ制度)

こちらは組織における勉強会開催やテックブログ運営などを現場メンバーを巻き込んで組織運営する仕組みです。
WGはいくつもあり、メンバーがそれぞれ立候補で担当することができます。
バイセルにおいては23新卒メンバーを中心に例えば以下の様なWGを運営しています。
これには自分たちが働きやすい環境、成長する環境づくりに積極的に関わっていってほしいという狙いがあります。
このフェーズにおいて組織づくりに関われることは組織全体を理解したり、リーダーシップを発揮するよい機会になると考えています。

ワーキンググループ例

  • テックブログWG

  • 本部会運営WG

  • フロントエンドWG

  • フロア風紀委員WG

  • イベントWG

  • 開発合宿WG

  • OSS WG

など多岐にわたります。

テックイシュー制度

開発生産性はGithub上だけの数字の成果ではありません、開発生産性向上のためには文化づくりが重要です。
文化づくりの為にバイセルでは様々な課題を解決する必要があります。
比較的運営がやりやすいようなものに関しては上記のWG制度で解決できますが、テック組織において解決難易度が高い課題に対してはCTO室と各部のEM達で分担してそれぞれの施策を進めれる体制づくり(テックイシュー制度)を行っています。
EM達がペアになることによって、お互いにアイデアを引き出しながら、素早く様々な施策を行うことができるようになりました。
テックイシューに関しては半年に1回、後述するマネージャー合宿にてテーマを洗い出し、担当のEMを決めます。
そして解決までの3ヶ月〜6ヶ月のロードマップを考えてもらい、その進捗をCTO室と一緒に追っていくという流れです。

2,3人のEMのペア
テックイシュー制度、扱う課題は多岐にわたる

テックイシュー例

マインド

社内アンケートを取った際に、MVVをきちんと言える人が少ないなどバリューの浸透に大きな課題があることがわかりました。
そこでこの課題を解決するために生まれたのがマインドというカテゴリです。バリューの浸透に関してはMVV勉強会のワークショップを行ったり、BuySell Starという社内エンゲージメント施策(称賛を送り合う制度)を行ったりして、MVVの浸透に務めました。
もちろんこのアイデアもテックイシューをリードするEM達が自分たちで考えて出したものであり、率先して仕組みづくりを行ってくれました。

事業理解

バイセルは社内のDXを推進していく仕事が多いので当然事業部との連携が重要になります。
しかしながら業務の幅が広く、自分の担当する部署以外の事業理解ができていない部分があるよね、という課題がありました。
そこで、事業部側の人を呼んで勉強会を行ったり、全事業部とプロダクトに関して話をする場を設けたり、と事業部との連携強化を行うようにしました。

マネージャー合宿

これまで紹介してきたように組織づくりを行っていく上で、EMの役割は非常に重要です。バイセルには10名以上のEMがいるのですが、彼ら自身の成長が組織づくりのスピードを左右します。
バイセルのEM達は皆非常に熱量が高く、組織づくりにもかなり積極的です。
このフェーズのバイセルに入るということは彼らにとっても組織づくりに関われる非常に良い成長機会になります。
組織課題を横断的に解決するべく、マネージャー同士での合宿を半年に1回行っており、毎回テーマを決めて丸一日使い組織課題をすべて洗い出し、カテゴリ別に分類、そして解決までのアクションプランを洗い出します。
この合宿の中で新しいテックイシューの洗い出しや重要な意思決定などを行っています。

このときは深夜3時ぐらいまで熱い議論を交わしていました

その他の取り組み

情シス

全社で改革を行っていく上で、情シスも社員の生産性を支える上で非常に重要な役割になります。
また、バイセルは全国に拠点があり、社員数が毎年何百人も増える、かつM&Aでグループ会社も店舗も毎年かなりの数増えていくという状況です。当然いろんな問題がでてくることが予想されたので、情シス面でも様々な施策を行いました。
全社でのコミュニケーション促進のためにSlackの導入、そして端末管理をより正しく行えるようにMDMの刷新、ゼロトラストな環境構築と幅広く色んな施策を推進してきました。

セキュリティ、リスクマネジメント体制の構築

組織拡大やプロダクトの拡大を行っていく上で、セキュリティや全社のリスクマネジメントも重要です。
守りの部分もしっかりと固めていくことでより速度がだせると判断し、情報セキュリティ強化への取り組みも行いました。
個人情報の法改正対応やISMSの取得などを進めていきました。
こういった部分への取り組みはなかなか定量化しずらいので、判断基準として用いるべくSecureSketCHを導入し、スコアを改善していくことにしました。
SecureSketchはリスクマネジメントに関する項目が網羅されており、非常に使い勝手がよい診断ツールです。
情シスの協力もあって、2年で結果としてスコアがCからBに改善されました。
とはいえCSIRT対応や、CASB導入、セキュリティー診断などまだまだやるべきことは山盛りの状態です。
来年はセキュリティの専属チームもできますので、このあたりをしっかりと進めつつさらなるスコアの向上を目指します。

総合点はCからBに、今後も有事対応の強化が必要


エンジニア専用のオフィスフロアづくり

ちょうどオフィスの増床プロジェクトがあり、1フロアまるまるテクノロジー戦略本部として利用できる想定だったので、デザイン会社に相談しながらエンジニア専用フロアを1からデザインし、理想のオフィスづくりを行いました。
人が交流できるような導線設計を中心にイベントや勉強会の開催ができるようにオープンスペースを設けたり、1on1や集中したいときに使える小さめの小部屋、昇降デスクの採用やスタンディングで作業がしやすいエリアなどオフィスに関するありとあらゆるものを自分たちでデザインしていきました。
内容や什器などもショールームまで確認しに行き、素材なども自分たちで選びました。
細部までこだわってデザインした結果、非常に満足度の高い環境をつくることができ、評判もかなり上々となっています。
元々利用を想定していたイベントスペースでは毎週のように社内外問わず勉強会が開催されていますし、新型コロナが落ち着いたのもあり、オフラインでの勉強会やイベント利用でも利用機会が増えてきています。

エンジニアが働きやすい空間づくり

IR活動への取り組み

冒頭述べたように、バイセルでは私自身上場企業の取締役CTOとして、IRを意識した活動も行ってきました。機関投資家にむけたスモールMTGやバイセルのテクノロジー戦略についての勉強会をおこなったりしました。
また、決算説明資料やIR資料にテクノロジーのパートを設けてもらい、バイセルのテックへの取り組みを紹介したりしています。
バイセルは「証券アナリストによるディスクロージャー優良企業選定」の新興市場銘柄部門で第一位に選ばれています。
そんなバイセルがIR資料等でテクノロジー投資やエンジニア組織について言及することは非常に重要で意味があると思います。
どういう項目をどういう風に乗せるべきかをCFOやIR担当者と話しながら資料づくりを行ってきました。
自分たちの取り組みやテクノロジー投資の成果を投資家に対してどういう風に説明するべきか、という観点も経営していく上では非常に重要ですし、自分自身の説明能力を磨く良い機会となっています。

どういう変化があったか

結果としてバイセルでは約2年半で以下のような変化が起きました。

  • リユースプラットフォーム「Cosmos」のローンチ

    • 買い取りから販売までの業務を効率化、AIやデータを活用した機能の実装も実現

  • 全社データ基盤の始動

    • 400名以上の人たちが自分たちでデータ分析ができる状態に

  • エンジニア採用体制の確立

    • 毎年30名近くのエンジニアを採用することができるように、新卒エンジニアも10名採用できるように

    • 2年半でエンジニアの数は30名から100名の開発体制へ

  • 開発生産性の高い組織づくり

    • Findy Team+ AWARDを2年連続取れるぐらい開発生産性の高い組織づくりを

  • 情報発信量が10倍に

    • テックブログが継続して公開されるように、社員の登壇数も増えた

ここでは全て挙げきれないですが、少なくとも2年前と比べてエンジニア達にとって魅力的な会社になってきたかなと思いますし、テックカンパニー化が進んだと思います。
もちろん、ここまでの変化をすることができたのもCTO室メンバーや一緒に組織づくりを行ってきたEM達、様々な施策に対して協力的に推進してくれたメンバー達の努力のおかげです。
就任したときには急激な変化を恐れてエンジニアが数名離れて行ってしまいましたが、信じて残ってくれたエンジニア達も少しは残ってよかった、と思ってもらえていると思います。実際に辞めてしまったエンジニア達も3名ほど出戻りしてきてくれました。

また冒頭に上げたCTOとして目標にしていた3項目に対しても少しずつ達成することができていると実感しています。

CTOの仕事とは何か?

ここまで、バイセルの2年半の取り組みの一部を紹介してきました。
3年前に書いた記事の中でもCTOの重要な仕事は以下のように書いていました。

起こりうるべき未来から逆算して、プロダクトやエンジニアリング組織をマネジメントしながら技術的な側面から中長期ビジョンの策定と実行、事業を成長させていくこと

https://note.com/kyuns/n/n00d467243857

これはバイセルを経営していても強く思いますし、改めて未来から逆算することはCTOの重要な仕事だと思います。
とくにこの2年は生成AIの登場などテクノロジー分野での進化が目覚ましいです。常にアンテナを貼り、どのような未来がくるかを想像し続けなければなりません。

今年を振り返って

ここまでいろんな取り組みについて紹介してきましたが、全てが順調かといわれるとそうではありません。昨年バイセルの時価総額は1000億にタッチするなど順調な成長をとげていましたが、今年は広域強盗事件や酷暑などの要因もあり、非常に苦しい業績となった1年でした。
もっと早くデータ活用ができていれば、素早く変化を捉えて対応できたかもしれないと思うと非常に悔しさが残る一年でした。
会社を成長させることができなければどれだけ良いプロダクトや良い組織をつくっても意味がありません。
バイセルにはまだまだ成長の可能性があります。
また来年の倍成長にむけて、CTOとしてできることをやり、引き続きバイセルを牽引していきたいと思います。

さいごに

この2年半は自分にとっては新しい挑戦の日々の連続でした。

何をモチベーションにここまで続けてこれたか、と問われるとそれは

CTOという仕事の面白さと強い意志のおかげだと思います。

常に経営の最前線でいること、CTOとして技術トレンドを把握しながら新しい挑戦をし続けること、そして思い描いた未来を実現していくこと。
これがCTOという仕事ならではの面白さです。
また、これらを遂行していくためには強い意志が必要だと思います。
強い意志があれば、それに共感してくれる仲間が集ってきてくれます。
そして熱量は伝播し、より強いチームをつくることができます。
バイセルでまだまだ実現したい未来がありますし、一つずつ実現していくことができるCTOはやはり私にとってとても面白い仕事です。

まだまだバイセルでのチャレンジは続きますが、今後もCTOとしてワクワクできる取り組みを行っていきたいと思います。

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