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市川雛奈は、知っている。

市川雛奈は、始まったばかりの青春に、もしくは全ての出来事には、いつか終わりが必ず来ることを知っていた。

そしてその終わりへのカウントダウンはもう始まっていることも、彼女は知っている。

そして、知らないふりをしていた。

本文では市川雛奈のコミュや市川雛奈の人間性に触れる。そのためネタバレを考慮しない。また本文は実は市川雛奈の事が良くわからなくなり、わかった事を書き留めておくのにも使用したため曖昧な個人的解釈を含むので、激しい解釈違いがあるかもしれないことや、読むのに10分強はかかる怪文書であることも注意されたし。


0.彼女の幸福論

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【なんでもそれなりに出来る】のが市川雛奈のの特技らしい。

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運動も、そして勉強にも苦手意識は無いという彼女。

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誰とは言わない。言わないが、当初私は市川雛奈は彼女と同じタイプだと偏見を持っていた。

だが市川雛奈のコミュタイトルは共通コミュからプロデュースコミュまで、横文字をふんだんに使ったオシャレな物で、「あ、同じタイプでは無いのかも」とまず思った。

勉強に苦手意識が無いと言っていたのも頷ける気がした。

市川雛奈はこう見えて頭も良い。

顔も良い、運動も出来る、頭も良い。そして大抵なんでも出来る、と公言している彼女は間違いなく【特別】な才能を持っている側の人間だ。
また実際に、プロデューサーが雛奈の才能を感じる、と発言したこともあった。

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本文の1つ前に福丸小糸についての記事を書いた。

そこでは生まれ持った才能をもつ【特別】な人間と、そうではない福丸小糸の葛藤と関係性について記述した。

福丸小糸は【特別】な幼馴染たちに追いつくために並々ならぬ努力をし、ギリギリの所で幼馴染たちのそばにいる。

そんな福丸小糸のすぐ隣に「大抵なんでも出来る、生まれ持った才能を存分に発揮する幼馴染」がいるというのは、なんというか残酷だ。

ここまで「なんでも出来る」万能感というか、才能を持っているであろう記述があるのは、あの芹沢あさひぐらいである。

大抵なんでも出来てしまう、そんな雛奈の、物事への考え方。

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なんでも楽しく、しあわせ〜に過ごす。

彼女が徹底しているのはこれだ。
物事の基準はそれが楽しくてしあわせ〜か、否か。これだ。

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この「みんなもそうしたらいいのにね?」という発言には「どうしてみんなはそうしないんだろうね?」ってニュアンスが含まれているように聞こえる。

普通の人間というのは大抵なんでも出来るわけではないから、出来ない事にぶち当たれば楽しくしあわせ〜に物事に取り組む事が出来ないかもしれないのは至極当然で、当たり前だ。なんでも出来る人間の方が少ない、そうPが言っている通りだ。

このセリフには雛奈が【特別】であることも強調されている気がする。

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簡単、ではない。少なくとも普通の人間にとっては。


1.しあわせじゃない未来の話

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雛奈との共通コミュ序盤からずっとプロデューサーの発言は歯切れが悪い。

「……」といった3点リーダが数多く使われており中には、……しか存在しないセリフがある。

それはどうやらプロデューサーが市川雛奈についてなにか考え事をしているから、みたいだ。

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大抵なんでも出来る雛奈の、一体なにをプロデューサーは憂いているのだろうか。

「なんでも楽しく、しあわせ〜にやる」雛奈はこのままでいいのか、というプロデューサー。

おそらくなんでも楽しく、しあわせ〜にやる、その事自体は悪いことじゃない。

けど、それだけじゃ足りないのだろう。

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これは以前、他のメンバーがレッスンが終わった後も自主的に練習に残っていたなか、一人だけ帰ってきた雛奈の事を言っている。

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雛奈は決められたレッスン量はちゃんとこなしているし、おそらくではあるが、きっと水準以上のパフォーマンスを"ばっちり完璧"にこなしてる。

けどプロデューサーが心配してるのはどうやらそこじゃない。

「頑張っている仲間を見てなんとも思わないのか?」
「もう少し周りを見て……」

もうちょっと頑張ってみてくれないか。

おそらく言葉はそう続くと思う。

プロデューサーがこの話を雛奈にするのは2回目だが、1回目は

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言い切らないうちに露骨に嫌な顔をされ(なにを言うか、なにを言いそうな雰囲気なのか察せられて先読みされて)

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「プロデューサーのコーヒーがいい匂いだから飲んでみたら苦かったので甘いものを食べて帰らなきゃいけなくなった」と言い放ち強引に逃げられてしまった。

このシーン、雛奈の頭の良さが滲み出てると思っていて、Pが何を言い出すのか察し、聞きたくないことは聞かない、聞かないためにこの場を離れる強引な手段を手早く導いている。
また、コーヒーが苦いか苦くないかは匂いをかぐまでもなく、見ればブラックかどうかなんてわかる。わかった上で(知らないふりをして)コーヒーに口をつけている。

そして今回は

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みんなもそうして欲しい、みんなで一緒に頑張って欲しいと思ってるのかな?そう問うて、

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決められたレッスン量はちゃんとこなしてるし、周りのみんなとはちゃんと仲良しだよと答える。

だがプロデューサーが言いたいのはそういう事じゃないみたいだ。

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「楽しくなくても無理して頑張ってやりなさい〜ってこと?」
「……辛くて大変じゃないと、頑張ったことにはならないの?」

市川雛奈のポリシーというかスタンスは、なんでも楽しくしあわせ〜に過ごす事だ。

楽しくしあわせ〜にやるレッスンは頑張ったことにはならないのだろうか。

きっとそんなことはない。

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いやそうではない、とプロデューサーも言っている。

だけどなんでも楽しくしあわせ〜にやる雛奈は遠目に見て頑張っているようには見えづらいかもしれない。頑張っていないと誤解されやすいかもしれない。

プロデューサーに頑張っていないと思われた、と雛奈は感じている。

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そんなプロデューサーに、「ほんとはこれも言いたくなかったんだけど」と前置きはあるが

「今日のプロデューサー、きらい〜」

と伝える。

言いたくなかったんだけど、言わずにはいられない。

言いたくない事を言わせるほどの事をプロデューサーはした。

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雛奈は出会った頃プロデューサーの事を好きかも〜!と伝えた事があった。

ここで共通コミュを飛び出してPSSRのコミュの話を少しする。

PSSRのコミュで「進路希望調査のプリントを雛奈はなかなか提出しない」というシーンがあった。

雛奈がプリントを提出しないことの理由の1つに「雛奈がやりたいこをやりたいように書くと先生にダメと言われるから」というのがあった。

出会った頃プロデューサーは雛奈の「楽しくしあわせ〜に過ごす」というやり方を否定しなかった。
市川雛奈のやり方を、ひいては、市川雛奈を認め、283プロダクションのアイドルとして迎え入れた。

市川雛奈のやりたいことに「ダメだ」とプロデューサーは言わなかった。

市川雛奈が諭されるような話をするとき、いち早く「あ〜、そういう感じかあ」と空気を読み取ったりそういう空気から逃げ出すのに慣れている事から、普段、雛奈はやりたい事に「ダメだ」と言われ慣れてるのでは、と思った。

だから市川雛奈のやり方を認め、受け入れてくれたプロデューサーの事を「好きかも」と伝えた、のだと解釈した。

きっと自分のやり方を認めてくれた経験があまりなくて、些細な出来事だったかもしれないが市川雛奈にとっては嬉しい思い出だったかもしれない。

そんなプロデューサーが。

自分のやり方を、市川雛奈のやり方を、市川雛奈を、「このままじゃダメだ」と言ったのならば。

彼女は、どう思うだろうか。

「今日のプロデューサー、きらい〜」

というセリフ、確かに棘はあるが、彼女なりの優しさというかそういうものが感じられて、"今日の"をつける事でプロデューサー自体の事を嫌いになったわけではない、というニュアンスが追加されたりと、まだ言い方に気を使ったのかなって感じがする。

ああ、本当に言いたくなかったんだろうなって。

だが、これは誰が悪いとか、そういう話ではない。
というのも、プロデューサーは市川雛奈が頑張ってない、とは思ってない。

市川雛奈がちゃんと頑張っている事を知っている。知っている上で、「このままじゃダメ」だと言っている。市川雛奈のやり方自体を否定しているわけではなく、プラスアルファで何かが必要だ、とプロデューサーは言っている。

だがプロデューサーにしては本当に珍しく、言い方が悪く言葉足らずだ。

「頑張っている仲間を見てなんとも思わないのか?」
「もう少し周りを見て……」
とだけ言えば「もっと頑張ってくれよ」というニュアンスに聞こえなくもない。

いやもっと頑張って欲しいのは本当の所なんだけど、『頑張っていないからもっと頑張って欲しい』のではなく、『頑張っていることを知った上でもうちょっとだけ頑張って欲しい』のだからこれは難しい。日本語って難しいね。

そして市川雛奈はやり方を認めてもらった経験というのが少なく、一度は信じたプロデューサーに「もうちょっと頑張ってくれないか」なんて言われたら頑張ってない、と思われてると誤解しても仕方ない。

ああ、またか、と。

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練習が嫌いなのか、という問いに対して好きじゃなきゃやらないでしょと答える雛奈。(雛奈は楽しくてしあわせ〜なことしかしないので)

誤解したくないのは「楽しくてしあわせ〜なことしかしない」のではなく「どんなことも楽しくしあわせ〜に過ごす」のが雛奈のスタンス。
大変な練習も楽しくしあわせ〜に過ごす。ので必然的に楽しくしあわせ〜な事しかしてない事になるというだけ。(それが真面目に練習してないように誤解されるという話)

そもそもこの質問自体が雛奈が練習してないと思っている表れではないか。

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この一連のセリフ、雛奈が今まで抱えてきた悩みが凝縮されてるような悲痛な吐露に私は聞こえた。

「雛奈はいつも頑張ってるよ……知らないかもしれないけど……」

自分のやり方では理解してもらえない、頑張っても頑張っても頑張った事にならない。

「別にいいけどね……」

これは明らかな諦めの意思。別に自分のやり方を理解してもらわなくてももういいや。

いつもの事だし。

「雛奈は雛奈の事しか知らないよ」

雛奈は雛奈の事しか知らない。これは逆説的に雛奈の事を本当に知ってるのは雛奈だけ、という事を言いたいのではないか、と思う。

何をどれだけ頑張っているか、今どれくらい出来るのか。

雛奈は別にもう自分のことわかってもらおうって思ってない。そもそも他人に自分の事がわかるはずがない。自分に他人の事がわからないように。

私も雛奈ではないので、雛奈の本当の気持ちなんて知らない。
知らないけれど、どんなに頑張ってもその頑張りを認めて貰えず、頑張ってないだろうと言われたら。

私なら頑張ることに真剣になれなくなってしまう。
最悪頑張る事が出来なくなってしまう。

頑張る事に一生懸命になれないこと、それは「楽しくてしあわせ〜」だろうか?
適当に流してちゃらんぽらんなまま、なにもかもおざなりになる。

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「アイドルは楽しいことばかりじゃない。
大変な事もたくさんある。これからそういう事が増えたら、雛奈は……」

これからも、頑張っても頑張っても誤解されて、もっと頑張れよちゃんとやれって言われるかもしれない。
嫌気がさして、頑張る事に一生懸命になれなくなるかもしれない。

その時雛奈は。

プロデューサーが本当に憂いているのは『市川雛が楽しくてしあわせ〜でいることが出来ない未来』ではないか。

このやり方自体は間違ってない。けどこのやり方じゃ危う過ぎる。

市川雛奈はまだ高校1年生の15歳だ。


2.知ってます

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物語は、後日再び出会った雛奈とプロデューサーが、和解し、ちゃんと話し合う事で動き出した。

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和解はしたけれど、やっぱ自分は自分のやり方を貫くことしか出来ないよ。

それじゃダメなの? 彼女は問う。

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「本当にそれが、『雛奈のしあわせ』な方なら反対しないよ」

けど、そうではないでしょう?

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「だけど雛奈はどこかで『ここまででいいや』って思ってるんじゃないか?」

頑張ってもその頑張りを認めてもらえず、もっとちゃんとやれ、なんて言われたら。

やはり、頑張る事に一生懸命になれなくて、ほどほど出来るようになれば、ほどほどの所までいけば。
ここまででいいや。そうなっても不思議ではない。

ここまででいいや、って線引きをして、そうやって『楽する』ことは雛奈にとって『楽しくてしあわせ〜』な事ではないでしょう?

そうプロデューサーは雛奈に伝える。

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ちゃんと話し合った事でプロデューサーと雛奈の認識の齟齬が解ける。

プロデューサーは雛奈が頑張っている事をちゃんと知っているし、その上でプロデューサーが「もうちょっとだけ頑張ろう」と言っていることも。雛奈は知った。

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雛奈の事は雛奈しか知らない。そう思っていたはずなのに、こんなにも自分の事を知っていてくれる人がいた。

頑張ったら、頑張った分だけ雛奈が頑張った事を知っていてくれる人が、いた。

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だから、雛奈が頑張った事を知っている人に、頑張った事を褒めて欲しい。
今まで頑張った事を認めて貰えなかったから。
自分のやり方を認めて貰えなかったから。

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もしダメだった時、それは雛奈が楽しくてしあわせ〜に過ごす事が出来なくなった時。オーディションに落ちてとか、WINGで優勝出来なくて〜とかそういう話だけど、そういう話ではない。
結果がダメだったとしても雛奈が楽しくてしあわせ〜に過ごす事が出来たのならばそれは彼女が彼女を貫いた結果だ。

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事務所のソファ。それは以前プロデューサーが雛奈に「このままじゃダメだ」と言った時に、「事務所のソファで寝転ぶのはダメだ」と言った記憶。

事務所のソファで寝転ぶのはダメだけど、雛奈のやり方がダメとプロデューサーは言わなかった。

だからそれはダメだ、と言われるかも知れないけれど、もう怖くない。

このなんてこと無いこの雛奈のわがままにはそういうものが含まれてると思った。

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だからこのわがままの後、雛奈は笑った。

雛奈はよく口癖のように、「雛奈、しあわせだから笑うよ」と言った。

雛奈が笑うのは、しあわせだからだ。

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雛奈が頑張った事を、頑張ったと知っている人がいる。頑張ったと認めてくれる人がいる。

ならば、ここまででいいや、のその先へ踏み出す事が出来る。

市川雛奈のやり方を、そして市川雛奈自身を否定しなかったプロデューサーがいた。

市川雛奈は走り出した。

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平気だよ、と雛奈は笑った。

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すぐ隣で、雛奈が頑張った事を知っている人がいるから。
その人は困った時に手を差し伸べてくれるから。

この雛奈の「ここまででいいや」って線引きがあることがPSSRコミュで触れられてる気がした。

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つまりあらゆるものを「つまみ食い」して、ある程度しあわせの味を確かめたら「ここまででいいや」と線引きをし、次の甘味に手を伸ばしていた。だから大抵なんでも出来る(大抵なんでも味を知っている)。それが市川雛奈の生きてきたやり方で、観点だ。


3.重要なこと

もう市川雛奈にとって勝ちとか負けとかあまり関係ないのかも知れない。

というか、最初からそうだったかも知れない。
もともと彼女の物事の基準はそれが「楽しくてしあわせ〜」かどうかであった。

だからWINGで優勝しても、出来なくても。

彼女は楽しくてしあわせなのだ。

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間違い探しか?

ちなみに上が優勝したコミュ、2枚目が敗退コミュだ。
市川雛奈にとって勝ち負けはそれほど重要ではない。

勝ち負けやその過程を含めて「楽しかったかどうか、自分がしあわせであったかどうか」。

それが彼女にとって最も大事な事だ。

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▲1枚目が優勝コミュ、2枚目が敗退コミュ。
どう考えても、というか考えなくても意図的に同じようなセリフにしてあることがわかる。
同じようなセリフにすることで含まれるニュアンスとは「負けても勝っても市川雛奈はしあわせであった」という事だと思う。

だからこの後に続く敗退コミュと、優勝コミュも対象的に進んでいく。

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室内が敗退コミュ、公園が優勝コミュ。

勝っても負けても、雛奈が頑張った事は認められるべきだ。しかし彼女が頑張った事を認めることが出来るのは、彼女の中ではプロデューサーだけだ。

だから敗退コミュでもプロデューサーは雛奈を撫でてあげることが出来たんだと思う。


4.知らないけどね

市川雛奈は「楽しくてしあわせ〜」に過ごす事がポリシーだ。

そのやり方を自分以外のプロデューサーという存在に認めてもらう事で次のステップに進む事ができた。

じゃあ、彼女にとっての幸せの定義とは何なのか?
実は本当に重要であるそれがずっとわからずにいる。

私は読解力が全く無いので、実はコミュ内に書いてあるのかも知れないが、てんでわからずにいる。

例えばWINGに優勝したら幸せなのはわかる。
やり方も認められ、踏み出した頑張りがこれ以上ない結果として表れている。

だが市川雛奈にとって勝ち負けはさほど重要な事ではない。
楽しかったから笑うよ、と負けても言った。

ならば彼女にとってのしあわせとは結果ではなくその過程にあるのだろうか?

頑張る事に一生懸命になれて、何かに必死に打ち込む事なのだろうか?

しかし市川雛奈はプロデューサーに言われて気づくまで「ここまででいいや」って線引きをし、頑張る事に一生懸命ではなかった。
しかしプロデューサーと和解する以前からも市川雛奈のポリシーは楽しくてしあわせ〜に過ごす事だった。
また、どこかで妥協することは本当に『雛奈のしあわせ』にはならないとプロデューサーも言った。

ならば過程でもない。

彼女がなにをしあわせと感じるのか、なぜそれがしあわせと感じるのか、なにを楽しいと感じ、なぜそれが楽しいと感じるのか。

全くそこに触れて来なかった。

彼女が楽しくてしあわせ〜を行動基準にしているのならば、何が基準なのか私には読み取る事が出来なかった。

少なくとも共通コミュでは、○○をしあわせだと感じます、なぜなら○○だからです、といった記述や描写はおそらく無かったと思われる。(私の読解力の問題かもしれないが)

また、なぜそのポリシーに落ち着いたのかもバックボーンがない。
なぜしあわせを追い求めるようになったかの明確な描写がない。(ので考察の域を出ない)

大抵なんでも出来てしまうから、つまらなくて楽しくやろうと努めた、とか?
いくらこうじゃない?みたいな話をしてもそれは考察の域を出ていない。

だから私には市川雛奈が、『なぜかわからないけどとりあえず楽しくてしあわせ〜を求める人間』に見えて少し恐ろしい思いをしている。

また彼女の事をここまで疑心暗鬼の目で見る事になった原因が1つある。

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この【蒲魚】という単語と、この

「この先に何があるか……知らないけどね」

というセリフだ。

この蒲魚という単語、調べると【カマトト】と読む。
かまととぶる、とかなら聞いたことあるかもしれない。
私の知っているかまととぶる、あるいはかまとと、というのは

知っているのに、知らないフリをして繕う事

これである。また実際に調べても同様の意味であった。

つまりカマトトである市川雛奈は知っているが、なにも知らないフリをしている。

のではないか、という結論に着地した。

共通コミュ内でも「知らないけどね〜」というセリフが雛奈の口から数回発せられていた。

またPSSRコミュ「End!ng」では

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まだ1年生なのに卒業した後の進路希望なんて考えられないよね、ずっと先の事だし。

と市川雛奈は言っていた。

が、突然「あ、でもそっか〜」

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「いつか終わっちゃうもんね」

なんて言うからたまげた。

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プロデューサーも私も「え……?」ってなった。
さっきまでと違って何かを急に悟ったというか、心理づいた発言をしたことにビビった。

PSSRのカード名は【HAPPY!NG】。
それは雛奈のやり方、つまり雛奈本人とも言える。

HAPPY!NGがEnd!ng、つまり市川雛奈という人生が終わり始めている。

寿命とは死ぬまでの残り時間、とも言える

その事を市川雛奈は知っている。

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「しあわせの海は空にあるの?」

海と空についての解釈は前回の福丸小糸の記事にて触れた。

そこで【海】は【努力】の象徴であり、【空】は【才能】の象徴であると結論づけた。

たゆまぬ努力が実を結びいつか成功し、空に羽ばたく事が出来るのなら、

【海】と【空】は繋がっている。

それをふまえるとこの「しあわせの海は空にあるの?」という衣装ポエムも、別の含みを持つ。

たゆまぬ努力(海)の先にしあわせの成功(空)があるの?

ただの海ではなく、しあわせの海なので本当の解釈はわからない。ここに雛奈のしあわせの答えがあるかもしれない。(衣装ポエムはしあわせの海なので、努力という過程がしあわせ、というニュアンスに聞こえる)

だがこれも明確な正解がなく、考察の域を出ない。

答えを知っているのは【蒲魚】である市川雛奈だけだ。

市川雛奈は「この先に何があるか……」の答えも、しあわせの海がどこにあるのかも、知っている。

だが、知らないフリをしている。

しあわせの定義とか基準とかなくて、雛奈が直感で楽しいと感じるかどうか、みたいなそもそも答えがないかもしれない。いつか終わりが来ることを知っているからせめて今ぐらいはしあわせ〜に生きることを目指した……とか。色々考察はあるかもしれないが少なくとも私には正解がわからない。



5.正解

もうどこからどこまで市川雛奈が知っているのか、どこから知らないフリをしているのかわからなくなった。そして深読みしすぎてもうなにもかもわからなくなった。市川雛奈がわからなくなった。

冒頭の注意書きでも一応前置いたが、わからなくなった考えを纏めるためにも本記事に取り掛かった。

市川雛奈は、というかノクチルは、コミュの内容が抽象的で、書いてない事を読まないと、コミュで何を伝えたいのかよくわからない事が多々ある。

とにかく、とりあえず書いてあること、書いてあることからわかっている事だけてもまとめようという気持ちだ。

これってこういう事なんじゃない?というのがあれば是非ご教授頂きたい。

私の市川雛奈の印象というのは総合して、「天真爛漫で自分を曲げない芯がある少女、そしてどこか悟っているような、物憂げでミステリアスな少女」です。

だがそのミステリアスな印象や、すこし怖いと思う所も含めて、彼女の事から目が離せない。
もっと彼女の事をちゃんと知りたいと思いました。深読みしすぎているのもおそらくそのせいでしょう。

本記事はノクチルイベント「天塵」が始まる前から取り掛かかりました。ノクチルのメンバーを深く知った上でイベントコミュを読みたかったのです。
が、あまりにも彼女がわからなさすぎて、結局「天塵」までに間に合わなかったうえに、出した結論もよくわかりません、という稚拙極まりない内容になってしまいました。本当にただの怪文書ですね

そんな彼女のこれからの活躍に目が離せません。

解説ともポエムともいえない怪文書である本記事をここまで読んでいただいてありがとうございましたごめんなさい。

それでは本日はこのあたりで。またお会いしましょう。

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