緑単EDHカードレビュー『エルドレインの森』
帰ってきたエルドレイン。前作『エルドレインの王権』は大量の禁止カードを出したが、今作は全体的に程よいカードパワーに見える。
統率者的には役割・出来事・食物といった「噛みあうデッキでは嬉しいけど、汎用性には欠ける」ギミックが多め。紹介するカードが少なくなるかと思ったが、全体的に優秀なカードが多く杞憂となった。
なお今回は通常セットと統率者セットを区別せず紹介する。公式のカードギャラリーがそうなっているので。
各カードレビュー
ギャレンブリグの宮廷
久々の統治者カード。毎ターン2個のカウンターだけでも悪くない性能だが、統治者であればその後倍に。とんでもない速度で成長していく。
《西の樹の木霊》では文句なしに採用できそう。それ以外のデッキでもアド源+殴り補助として十分な性能。
壌土造りのフォーン
《クウィリーオン・レインジャー》などによって手札に余りがちな土地を他のリソースに変換できるいぶし銀カード。《ヴォリンクレックス》などの土地サーチ能力を持った統率者であれば一層の活躍が見込める。
強靭の徳目
悪くない。決して悪くはないのだが、せめて土地全般のマナを3倍にしてほしかった。基本的には《ニクス咲きの古きもの》が優先されるが、全体除去後のリカバリを考えると、意外と採用を検討できるかもしれない。
木苺の使い魔
序盤はマナクリとして足回りを支えつつ、マナが伸びた後は手札に戻ってお使いをしてくれる。7枚切削はやや心もとないが、拾える範囲が広いので外れるリスクは無視できそう。
何度も使いまわせるデザインをしているが、召喚酔いの都合上テンポは悠長。1回お使いに出てくれれば十分と割り切って使うのが良さそう。
緑のカラーパイは召喚酔いとタップイン。
王のもてなし
《レインジャーの悪知恵》もとうとうここまで強化されたか……
類似カードには事欠かないが、次のターン以降も修正と護法が残るという点が別格。この手のカードはデッキに入れても1~2枚程度のことが多いが、これは問答無用で最初に入る1枚になる。
荒々しい三つ子
何やらド派手な能力持ち。《倍増の季節》《よりよい品物》《食物連鎖》など相性の良いカードには事欠かない。統率者に指定したかった。
菓子の復讐の夜
食物シナジーのあるデッキなら間違いなく入る1枚。要は追加の《森の友、ジャヘイラ》だが、自前でトークンを連れてくる・起動型能力持ちという性質を考えると緑の《最高工匠卿、ウルザ》なのかもしれない。多分気のせい。
豆の木をのぼれ
優秀なアド源。この軽さで最低限ETBでのドローがついてくるというのはかなりお得。ギラ木のようなランプ寄りの緑単では試す価値がある。
野生との遭遇
アドの取れる一方格闘。なんとも不思議なテキストをしているが、コストパフォーマンスは十分。やや小回りが利かない点に目をつむれば十分に採用を検討できる。
開花の亀
ETBと攻撃時に土地を出す……《原始のタイタン》かな?
緑のミッドレンジとしては非常にちょうど良いアドの取り方をしてくれる。ギラ木ではギランラと木霊の間のつなぎとしてこれ以上ない性能。こういうカードを待っていた。
起動型能力のコスト軽減も《ニクスの祭殿、ニクソス》《さびれた寺院》《ギャレンブリグ城》《出現領域》《作戦室》など幅広く適用できる。
雷落としの幕開け
基本的には《歯と爪》の方が強いので、それだけでは足りない&コストを用意できるランプデッキに。PiEDHでは十分にプレイアブルな気がする。
アガサの魂の大釜
いかにも悪いことしそうな能力。緑単では能動的には活用しづらいが、《夢の円環のドルイド》のような脆くて強い起動型能力持ちを再利用できるのは嬉しい。
総評
緑単を一線級に押し上げるようなパワーカードこそなかったものの、全体的に程よく優秀なカードが多かった。特に《開花の亀》はヘイトを買わずに土地という安定したリソースを伸ばせるのが本当にうれしい。緑単は一度は全体除去を撃たれる前提で立ち回る必要があるため、こういうカードは積極的に採用していきたい。
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