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一見テキトーそうなスピード結婚の結果、生まれた天才の話

「親ガチャ」などという言葉が流行り、「できるだけいい遺伝子を」と、収入や遺伝子、見かけだけなどで配偶者を選ぶ人もいるそうです。

しかし、面白いことに、歴史上、天才と言われるような人は、割とテキトーな結婚で生まれていたり、養子だったり、ありえないほど貧しい家庭から出てくることもあるのが面白いです。

19世紀のドイツ。とある貧しい若者が「結婚しよう」と決意し、手近にいた「長年誰とも結婚してなかった」41歳の女性とスピード結婚。2間のアパートで家族五人で生活したのです。

ハンブルグの粗雑な貧しい界隈で「幸福な家庭を作る」と決意し、苦労しつつも三人子供を育てます。そして、本当に幸福な家庭を作ったようです。

妻が42歳で生まれた2人目の子が、ヨハネス・ブラームスです。

この一見、「適当そう」な結婚がなかったら、音楽史がまったく変わってしまったかもしれない……衝撃を受けたのでご紹介します。

元ネタは、Podcastの「The Great Composers Podcast」。話しているのは、Dr.Kevin Nordstorm。米国のライト・ステート大学の音楽の教授のようで、かなり信憑性のある話だと思います。

貧しい若い男性が「ただ未婚だった」という理由で家主の娘にプロポーズ

お父さんのジェイコブは、1806年生まれ。労働者の家の出で、家族は店員や労働者など。しかし、彼は音楽が好きで、父親から大反対されながら音楽家になります。

しかし、ジェイコブは決して才能ある音楽家ではなったようです。しかしいろいろな楽器ーーヴァイオリン・ヴィオラ・ホルンなどを街のダンスホールなどで、頼まれればいつでもどこでも演奏しました。オフの時間にはできるだけ多くのレパートリーを学び、練習を続け、コントラバスも独学で弾き始めました。ユーモアあふれる粘り強い性格で、他人から好かれたのが大きかったようです。

技術は時間とともに向上したものの、貧乏で、みすぼらしい環境で生活していたようです。

1830年、24歳の時にハンブルクの市民になった彼は、「結婚しよう」と決めて、すぐに花嫁を探し始めます。そして最初に見つけた未婚の女性に落ち着きます。それが当時住んでいた家の家主の娘のクリスティアナでした。

彼女がただ「未婚である」という理由だけで、一週間後、彼はプロポーズをしたのです。

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