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海外移住予定者が Wise でハマる落とし穴を解説!

TranserWise は 2021年2月頃にサービスの名称が Wise に変わりました。この記事はその直前に書いたため名称が TransferWise のまま残っている場合がありますが、適宜読み替えてください。内容はほとんど変わっていないはずです!

この記事は、海外に移住予定の人が日本で作った TransferWise アカウントで外国送金をしようと考えている場合にハマる落とし穴について書いたものです。

移住した直後で生活が安定していない時は、現地の通貨が不足しがちです。そんなときに TransferWise で日本から現地に安く送金が出来ると助かります。しかし、いざ送金するときに日本で作った TransferWise のアカウントが使えないという事態がありえます。

海外移住予定者は要注意!

2020年4月以降は日本の住所で作った TransferWise のアカウントを使って外国送金するために必要な条件が変わりました。また、初回の送金時に提出する書類も増えました。

TransferWise はアカウントを作成するだけなら、書類の提出は必要ありません。しかし、初回の送金時に本人確認などの手続きで書類が必要です。

私はドイツにいるときに、とりあえず日本で TransferWise でアカウントを作ってからドイツにやってきたけど、送金時に必要書類が足りないせいでせっかく作ったアカウントが使えなかったという日本人を何人か見ました。

この記事では、その詳細と現時点での対策案について述べます。

2020年4月から送金条件がちょっと変わった!

日本の法律(※1)の問題で、日本での外国送金にはマイナンバー(個人番号)を金融機関に提出する必要があります。その影響で2020年4月からは日本で作った TransferWise のアカウントではマイナンバー関連書類を提出しないと TransferWise で送金が出来なくなりました。

それ以前は、送金時には本人確認が必要なだけで、マイナンバー関連書類の提出は特に必要ありませんでした。今は本人確認に加えてマイナンバーの確認も必須です(※2)。

そのため、日本にいるときにアカウントだけ作っておいて、海外に行ってから初めて送金をするという方法を以前はとれました。未だにこの方法を紹介しているサイトもありますが、もうこの方法は出来ません。なぜならマイナンバー関連書類を海外に持っていくことが難しいからです。

※1: 「マイナンバー法」および「内国税の適正な課税の確保を図るための国外送金等に係る調書の提出等に関する法律」
※2: これらの作業は初回の送金の時だけです。一度、確認と提出が済めば次回以降は不必要になります。

対策案は?

現在のところ以下の対策があると思います。

1. 新しく住む国で TransferWise のアカウントを作る
2. 日本にいるうちに一度でも TransferWise で外国に送金しておく
3. どうにかして海外にマイナンバー関連書類を持っていく

それぞれについて説明します。

新しく住む国で TransferWise のアカウントを作る

日本国外の住所で作ったアカウントではマイナンバー関連書類を提出する必要ありません。ただし、送金時に提出が必要な書類は国ごとに異なるので、その国で TransferWise のアカウントを作れるかどうかは国とその時の状況次第になります。

日本にいるうちに一度でも TransferWise で外国に送金しておく

初回の送金時に本人確認とマイナンバー関連書類の提出を求められるので、それを済ませてしまえば、海外移住後もそのアカウントで外国送金が出来ます。

この方法の欠点は、1度でも海外送金をする必要があるという点です。海外の通販サイトで買い物をする、海外にいる知人の口座に送金するなどの方法が考えられます。そのような方法が見つからない場合もあるでしょう。

マイナンバー関連書類を持っていく

この方法は難しいように思えます。

TransferWise では提出可能なマイナンバー関連書類として以下の3つを認めています。

1. 通知カード(紙製のもの)
2. マイナンバーカード(顔写真入りのプラ製のもの)
3. マイナンバーが記載されている住民票

しかし、通知カードとマイナンバーカードは役所で転出届を出すときに返納を要求されることが多いです。例えば、横浜市役所では国外への転出時に返納を求めるとWebサイトで明記しています。

住民票にマイナンバーが記載されている場合は、転出届を出す前に発行しておけばそれを海外に持っていくことは可能ですが、全ての自治体が住民票にマイナンバーを記載しているとも限りません。(私が日本にいた頃はマイナンバー制度は始まっていましたが住民票にマイナンバーの記載はありませんでした)

まとめ

いくつか私の方で対策案を出してみました。

まずは、移住先で TransferWise のアカウントを作れるのか確認するのがいいと思います。それが難しそうだったり、お金が必要なタイミングまでに作れなさそうだっら、日本でアカウントを作って1度でも外国送金をするのがいいと思います。

ただし、いくつかは移住直前に実行しようと思っても転出届を出してしまった後ではそもそも使えない方法なので注意が必要です。

ちなみに以下のリンクから TransferWise のアカウントを作成いただくと、初回の送金の手数料が割引になります(※1)。ぜひ、ご活用下さい。

※1: 2021年8月現在は初回の送金が 500GBP 相当分(ユーロ圏だと 500€)が割引になります。

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