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初めてのシンガポールでの主夫、4ヶ月を振り返ってみる

シンガポールにきて今日で4ヶ月ちょっと経過した。
シンガポールのマンションを我が家とようやく思えるくらい慣れてきた。
この4ヶ月がどうだったかと言うと「辛かった」その一言につきる。
一方で今は非常に前向きに日々生活している。
主夫・海外生活においてどういった気持ちの変化があり、マイナスな状況をどう脱却していいったのかを振り返ってみたい。


自己紹介

奥さんのシンガポール赴任をきっかけに、2023年9月末に前職である(株)リクルートを退職をして、2023年10月よりシンガポールを主夫をしている。

以前は化学業界専門のコンサルタントとして転職をエージェントをしていた。

前回の記事でも僕のことには書いているので是非こちらも読んでいただきたい。

「自分の価値」についてもがき続けた4ヶ月


なぜ主夫になったかの答えは明確で「家族のため、子供のため」。
なので家族に対して、特に子供に対して価値を提供できたのであれば
「僕の価値」としては正解であるとは客観的に思ってはいた。
ただ残念ながら子供から感謝のフィードバックはないし、評価もない。
そんなことは当たり前だし、分かりきっていることなんだけど、本当に価値ある行動なのだろうか?とずっと自信をもてずもがいていた。

さらに主夫に対しての世間の見方はネガティブではないものの正確に捉えられていないと感じていて、人と会うことがストレスになっていた。
具体的には、特に男性は主夫(婦)に対して「気楽なイメージ」を持っている方が多いようで、「主夫いいですね~うらやましいです。」と言われることが多く、相手の悪気のない一言に妙に落ち込んだりして、次第に人と会うことを拒絶し始めた。

自己評価も定まらず、自分で納得した主夫になる決断すら揺らぎだし、完全に「価値」迷子になっていた。

誤った「価値」の設定

家族へ・子供への価値提供を「僕の価値」とおいていたものの、迷子になってしまった僕は定点観測できるように違うかたちで価値設定をした、そしてそれは大きな間違いをしてしまった。

それは子供たちの「英語の進捗度合い」を自分の価値としておいてしまったことだ。
自分の価値→子供への価値提供→子供たちが必要なこと→英語→英語教育を頑張ろう→進捗度合いを測ろう

みたいな発想だ。

子供にもストレスをかけた誤った対応で本当に反省をしている。

負の循環からの脱却

この負の循環から脱却できた大きな要因は2つで「妻の存在」と「元同僚との再会」だ。

妻も久しぶりの駐在で本当に大変だったとは思うが、僕のストレスを受け入れてくれて僕の過ちも否定せず感謝してくれていたのでどん底まで落ちることはなかったのだと思う。

そして這い上がらしてくれたのは元同僚。
人と出会うことを極力さけてはいたが、やはり助けてくれたのは人だった。
彼は僕より1年早く奥さんの海外赴任をきっかけにリクルートを退職してロンドンで主夫をしていた。いわいる僕の先輩だ。

彼にお願いをして2時間ほどSkypeでお話をさせてもらった。

話している段階では、僕より1年先に進んでいる彼の姿が眩しすぎて自分とは遠い存在のような気もしていた。ただ彼の今の姿を教えてもらったり、アドバイスいただく中で自分のことが客観的に見ることができて、目指すべきベンチマークが設定できた。

更に、彼との再会きかっけで一冊の本に出合うことができた。

「妻に稼がれる夫のジレンマ」 小西一禎さん著

小西さんも元主夫/駐夫で、主夫/駐夫の苦悩をご自身も経験された方。
その方が駐夫12名をインタビューして、苦悩葛藤・そして現在を描いている本である。

非常にマイノリティである駐夫の実例を12名分も見れるということで本当に価値の高い本だった。

<本を読んだ感想/学んだこと>
・僕が今抱えている葛藤は皆さんが通ってきた道だということ
・12名の方のその先のキャリアまで記載されているので、不安が消えていった
・駐妻も同じ葛藤をしているという気づき
・自分のやるべきことの言語化が進んだ

特に自分の甘えに気づき、やるべきことの言語化が進んだことが本当に大きかった。

主夫/駐夫という特殊な立場に自分自身に自信がもてなくなったことで、「俺は可哀そうな奴で誰も理解してくれる人はいないんだ」というようなどこか『被害者意識』が芽生えていたのだと思う。
本書を通じて、『女性のキャリア中断』や女性の葛藤も知ることができた。
女性は旦那さんの海外駐在に帯同するのは当たり前という見えない社会からのプレッシャーがあるということ、さらには日系企業では、駐在員帯同者は駐在員を支える立場であるとの前提のもとルールや規則が定められており、帯同者の現地の就労を禁止ている会社も未だ多い。
社会からのプレッシャー、会社の制度やルールから、女性は声をあげ辛い状況であることを知り、不満を言える立場である自分の甘さを痛感した。

甘さを痛感はしたが、一方で駐夫だからこそ、今まで人事に関わってきた者だからできることもあるということが見えてきた。

それは『発信』だと考えている。
駐在員そして帯同者が少しでも前向きになれるのように以下2点については発信をしていきたい。

・駐在員の在り方
・駐在員帯同家族へのケア

4ヶ月の学び

『思考がとまれば行動がとまる』

主夫をやっていると、目の前のことが忙しく、そして外部とのコミュニケーション量が減るので、どうしても目の前のことに注意がいってしまう。
そして主夫(婦)はめちゃくちゃ疲れる。
こんなことを繰り返していると、どうしても先のことに目がいかない。そうすると思考がとまり、様々な行動もとまり僕の場合病むことに気づいた。

なので思考をとめないことが僕が主夫をやるうえで最も大事なことと気づいた。そのためには以下を守れば自然と思考は回り、行動がうまれる。
よろしければご参考に

<思考をとめないコツ>
・インプットを絶やさない
・現実逃避
・良好な夫婦関係

最後に

今回も最後まで読んでいただきありがとうございました。
僕は主夫になって感じたことですが、他のケースでも似たようなことはあるのではと思います。
何かのヒントやもしくは誰かに優しくしてみようと思える、そんなきっかけになれば嬉しいです。

ではまた。





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