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リベンジは来春に

 先週桜は見頃を迎え、日本は花見モードになった。しかし、私は見られなかった。タイミング悪く彼と大喧嘩した後だったからだ。

 世の中は花見に賑わい浮かれ、街中には幸せそうな家族、カップルで溢れているのに私はドヨンとしていた。なんでこうタイミングが悪いのかと自分と不機嫌な彼を恨んだ。

 私たちにしては珍しく短いスパンで喧嘩を繰り返した。仲直りしたと思ったらまた揉め、少し別れの危機を感じた。しかし、そう簡単に別れはしない。もうすぐ付き合って丸3年、お互いバツイチ、家族公認で仲良し。猫もいる。事実婚みたいな状況だし、もし別れたらお互いの家族が悲しむ。

 何よりも、苦い経験をしているバツイチ同士、それなりの覚悟を持って付き合っている。お互いの良いところも悪いところもすっかりわかって、その上で日々を積み重ねている。もし別れたら、今までの積み重ねは何だったのかと思うし、また別の誰かと新しい関係を構築するのはしんどい。きっとその気持ちは彼にもあると思う。なかなかに長引いた喧嘩だったが、お互い我慢していた胸の内を話し、ようやく円満に戻った。

 昨日、やっとのこと花見に行った。昨年と一昨年に行った井の頭公園に行こうかとなったが、絶対に混んでいるのでやめた。人混みが嫌いで初老の我々にはきつい。花見の後は行きつけの居酒屋に行く予定だったので、地元の武蔵国分寺公園に行くことにした。

 出迎えてくれたのはパンジーとチューリップ。これでもかというくらい晴れやかに咲いていて胸が高鳴る。先週は風が強い日や雨の日もあったが、こんなお出迎えをしてくれたら桜にも期待が募ってしまう。

 しかし、やはり風と雨の影響は大きく、かつ満開の翌週だったのですっかり葉桜になっていた。

 もう葉桜だねー、だいぶ散ってるねーと笑いながら歩く。ここは円形になっていって、ぐるっと一周すると500mある。緑が目立つ桜は花見にはやや物足りず、ただ二人で仲良くウォーキングするだけに終わった。

カルガモがいたので覗く彼

 不完全燃焼で終わった我々。滞在時間は20分ほどでお目当ての居酒屋に行った。やっぱり我々は花より団子だ。

 汗ばむ陽気の中で桜を堪能できなかったのは悔やまれるが、「来年は見頃に来ようね」と約束した。満開の桜は見られなかったものの、来年リベンジという楽しみができたからまぁ良しとしよう。

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