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「学級崩壊」の地獄から生還する/教師を続けるために必要な条件

1週間、長かったーー!!

4月のこの時期は忙しいところが多い。

教員時代は、
怒涛の日々だった。

お疲れの皆さん、
休日で自分のことを癒してあげて・・・

さあ、ハーゲンダッツでも食べますかね😆♪
好きなのは、キャラメルかいちごです✨✨


共育LIBRARYへようこそおいでくださいました✨

教育、人間、人生など、様々な「知恵」や「情報」が詰まった図書館のような、皆さんがくつろぎ、人生の「気付き」を得たり、知的好奇心を満たしたりできる居場所を目指しています😌

どうぞ、ごゆるりとお過ごしください。

共育LIBRARYりょーやん、元教師です。


「学級崩壊」

それは、
もはや教師の言葉が意味を為さなくなり、
子どもたちが、
ルールを無視して好き勝手にやり始める状態。

教師というのは、
経営者であり、
統率者であり、
リーダーでもあります。

30~40人の集団を統率するのですから、
中小企業の社長を務める仕事と、
遜色ない仕事と言えるかもしれません。
経済面は除きますが。

もしくは、
子ども集団をまとめあげていくのですから、
もっと難しいかもしれません。

新卒教師というものは、
そんな経営者とは何か、
統率者とは何かを知らない状態で、
いきなり学級担任を務めることになります。
(小学校の場合)

22~23歳で、
社長業を行うイメージ。

人間とは何か
集団とは何かを理解しなければ、
当然クラスは荒れる。

筆者の1年目も荒れました。

そんな教師という仕事の厳しさと、
その困難を乗り越えるために必要なことを、
この記事にまとめたいと思います。

この記事は、
メンバーシップの仲間である、
だいさん×共育LIBRARYのコラボ記事です。

最後まで見ていただけたらうれしいです。



学級崩壊からの生還

『学級崩壊からの生還』

という本があります。

学級崩壊を経験し、
この困難を乗り越えて、
復活劇を果たした40人の教師たちの記録がまとめられた本です。

筆者が10年教師を務めた中で、
新しく教師になった人を、
これまで7人ほど見たことがあります。

7人は程度の差こそあれ、
初めて学級担任をもち、
漏れなく全員、1年目で荒れました

その内、崩壊まで行ったクラスは、
2つ。

復活したクラスもあれば、
そのまま崩壊までは行かずとも、
ずるずると引きずって終わったクラスもある。

それだけ、
誰にでも起こり得ることであり、
新卒教師が、
乗り越えなければならない試練でもあります。

今回は、
著籍の中から、
2人の教師の記録を、
かいつまんで紹介します。

学級が荒れていくまでのリアルな状況と、
どう復活していくかをご覧ください。


1人目の記録 Tさん

その教師の記録は、
こんな冒頭から始まります。

「このままガードレールに突っ込んで行ったら、楽になれるかな」
真剣にそんなことを何度も考えた。
そんな状況から、私の教師生活は始まった。

大学時代まで野球をやって、
ひたすら自分を鍛え続けてきたTさん。

そんな先生のクラスでも、
崩壊は訪れます。

まず、始業式の2~3日前、
この先生は前担任から以下のような言葉をかけられます。

この学校でいちばん大変なクラスよ

それを、
大学卒業したばかりの教員がもつ。

最初は子どもたちは、
様子を伺うため、大人しくしています。

「先生、手伝ったろうか?」
・・・
いちばんのやんちゃ坊主の大樹君。(仮名)
「なんや、たいしたことないやん。かわいいもんや」
とその時は、甘く考えてしまった。

「・・・」部分は筆者が省略

最初は、様子見をする。
しかし、ちょくちょく試し行動をし始めます。

先生が話している際中に口を挟む。
注意するとふてくされた態度をとる。

その態度を注意する友達がいると、

うるさいんじゃ。かっこつけるな!
あほの俊介!
おまえなんかに言われたかないんじゃ!
この前、おまえのとこで豆腐買ったら、腐ってたわ。
くさったとーふー

と教師の前で、堂々と友達の悪口を言う。

その様子に唖然とするTさん。
あまりに咄嗟のことで、
何も言えず、動けなかった

この瞬間、
崩壊へのカウントダウンが始まります。

例えば、
以下のような行動が見られるように。

・担任の前で堂々と友達に手をあげる男子
・担任の悪口をヒソヒソを聞こえるように言う女子

「うるさい、勝手に話をするな!」

と怒鳴っても、

「フン、何言ってるんや!あんたのほうこそうるさいんや!」

という感じで睨みつけてくる。

結果、崩壊。

家庭訪問に行っても、

「うちの子は先生のことキライだと言っています」

と言われる。

授業中のおしゃべり、
教師への暴言、批判。
暴力、意地悪、いらずら。
教室から飛び出す子ども。

授業参観にも関わらず、
親が見ている前で、
「デカー!」「あほー!」
と担任の悪口を言う
子どもたち。

そうやって、
追い詰められるところまで、
追い詰められたとき、
1人の先生の言葉で、
Tさんの決意が変わります。

「君は子どもに振り回されている。
君が子どもを振り回すぐらいでないとダメだ」
と言われた。
そう言われたことによって、自分自身が、
クラス一のガキ大将になってやろうと決意した。

そして、少々無理やりであっても、

「何を言っているんだ。オマエたちの言っていることは筋が通らない。俺の言っていることのほうが絶対に正しいんだ」

というぐらいの態度で、
接するようになっていきます。

(振り返るとバカだったが、当時は本気でそう思っていたと後述しています。)

土日も子どもを運動場に呼び出し、一緒に遊ぶ
何度も何度も、様々な家に家庭訪問し、
保護者を味方につける。
家庭訪問の際に、子どもを褒めて褒めて褒めまくる

そして、
楽しい授業を研究する。

すると段々、

「先生、すごいやん」
「新米やと思ってバカにしていたけど、和美さんにとび箱を跳ばせられるようにするなんて、先生見直したわ」

と反応が変わってくるように。

そして、3学期前に、
見事に復活。

T先生の手を離れた子どもたちは、
5年生の時にまた荒れてしまうのですが、
Tさんが6年生でもう一度担任し、
立派な6年生になって卒業したそうです。


2人目の記録 Aさん

長くなるので、
コンパクトにまとめます。

前年度は、
バリバリのベテラン教師に担任されていたクラス。

よって、
4月の始めは大人しい

しかし、
段々と試し行動が出現するようになり、
喧騒に包まれるように。

朝の職員の打ち合わせが終わって、
教室に向かう途中でも、
自分の学級から大声や奇声が聞こえるようになった。

「うるさい!静かにしろ!」

と怒鳴ると、
その瞬間は静かになるのだが、
またうるさくなっていく。
その繰り返し。

ある女の子から、

「先生、去年よりみんなうるさくなったみたい。B君やCさんは、とっても静かだったんだよ」

と言われる。

同じ学年の先生に頼りっぱなしになってしまい、
その姿を目にする子どもたちは、
その先生の言うことは聞くが、
担任の言うことは聞かなくなる。

やがて、担任がそばを通るだけで、

「くさい」
「いやな人がきた」

などと言い、
わざと離れるように。

その年は、
そのまま終わってしまうが、
Aさんは、教育雑誌を読み、
学級崩壊を立て直す術を知っている教師との出会いを果たします。

そこからは、
覚悟を決めて、
授業や学級経営の猛勉強を始める日々。

そして、再び、
荒れていると言われるクラスをもつことに。

年度の始めに、

・どのような学級にしていくのか
・えこひいきを許さない
・教室はまちがうところだ

そんな方針を子どもたちに堂々と語り、
鍛えた腕で授業を行い、
一緒に活動することを基本とした結果、
見事に学級は立ち直ったそうです。

では、このような事例から、
教師を続けるための条件を考えてみます。


教師を続ける条件

教師に必要なのは、

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

媚びない
ブレない
動じない

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

の態度。

ルールや方針を明確に打ち立て、
それを貫き通す覚悟が必要です。

いわば、
統率者としての覚悟

戦場であれば、
リーダーが判断を誤れば、
兵士は命を落とします。

教師も、
判断や行動を誤れば、
誰かが傷つく可能性がある。

下手をすれば、いじめや、
学校に来れない事態になるかもしれない。

だからこそ、
痛みや悲しみに寄り添いながらも、
ダメなものはダメであると伝える、
毅然とした態度が必要。

強さと優しさ。

そして、磨くべきは、

「授業」

です。

学校で過ごす時間のうち、
7割以上が授業の時間なのですから、
授業がつまらなければ、
漏れなく荒れていきます。

ただ、これらのことを、
新卒1年目の、
この間まで学生だった人ができるかと言えば、
厳しいと言わざるをえないでしょう。

なぜなら、
大学では、
集団を統率する方法や、
授業の方法を習わない
ところが多いから。

大学の教授は、
研究者ではあっても、
実践者ではない場合が多いからです。

だからこそ、
新卒教師には、
指針となる存在、
寄り添ってくれる存在、
そんな導いてくれる存在が必要なのです。


初担任のサポーター だいさん

様々な不安を抱えている初担任を支えようと、
noteで記事を発信しているクリエイターがいます。

それが、だいさんです。

だいさんは、
初担任をする人や、教育に関心がある人、
現場に同志がいない人、
自分らしくありたい人に向けて、
発信をしています。

発信している内容も、
まさに初めて担任をもつ先生にとって、
心強くなるものばかり。

失敗しても怒られない。
悩みをいつでも相談できる。
理想的な存在だと思います。

でも、ただ優しい「だけ」の
先生にはある欠点があります。

それは強い指導ができない
ということです。

塾講師を経験した後、
高校教員になっており、
教員以外の世界も知っているだいさん。

教師のタイプを、
以下のように分類する記事も投稿しています。

コーチ(スポーツ指導者)タイプ
学者/研究者タイプ
保育士/保健士/カウンセラータイプ
プレゼンター/パフォーマー/芸術家タイプ

様々なタイプがあっていい。

そして、
全てのタイプが共通してもつべきものが、

「人間性」

だと言っています。

人間という器を広げていき、
それでいてその先生の長所を伸ばす。

そのためには、
その先生を真摯にサポートしてくれる、
先導者がいてくれると、
暗闇に光が見えてくるのではないでしょうか。


まとめ

筆者は、残念ながら、
教員として、
耐えうる器ではなかった。

もともとが強くない気質なのか、
寄り添う方は得意なのですが、
強さを全面的に押し出し、
「統率」していくのが、
そこまで得意ではありませんでした。

そして、
もともとルールが好きではないので、
そのルールを守らせることも苦痛だった。

楽しいのは好きなのですが笑

よって、
統率者でなければならないと、
学校の環境に過剰適応してきた結果、
その蓄積でメンタルが崩れた
のだと、
今は分析しています。

寄り添う優しさだけではなく、
毅然と厳しく子どもを育てていく優しさも必要。

だからこそ、
そんな駆け出し教師を支えてくれる、
存在が必要ですね。

SNSや学習会で師となる人を見つけたり、
学年担任制のように、
責任を分散して協力し合える体制が、
少しずつ広がっていけばいいなと思っています。

この記事で述べた書籍からの事例は、
2000年頃までの記録なので、
令和の今は、
また全然状況は変わっています。
その点はご理解ください。


この記事が、
良かった、楽しかった、
興味深かったと思われた方は、
だいさんの記事に、
スキ、コメントをしたり、
してみてください!

初担任だけでなく、
教育に関して興味関心がある人にとって、
勉強になる記事が詰まっています。

共育LIBRARY×メンバーシップの仲間のコラボ記事は、これからも発信していく予定ですので、楽しみにしてもらえるとうれしいです♪

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