📓いや、必ずもう一度流れはくる！日本の「地域」を取り戻す未来

１日を終えるときに、
程よい疲れと達成感を感じている。

そんな時間を迎えるのが好きです。

そのために、
朝や、仕事の時間に精一杯を出す。

ここからは、
がんばった自分へのゆったりタイムです♪

共育LIBRARYへようこそおいでくださいました✨

教育、人間、人生など、様々な「知恵」や「情報」が詰まった図書館のような、皆さんがくつろぎ、人生の「気付き」を得たり、知的好奇心を満たしたりできる居場所を目指しています😌

どうぞ、ごゆるりとお過ごしください。

共育LIBRARYりょーやん、元教師です。

「孤育て」

育児は家庭内で行うべきもの。
そんな、子育ての孤独感を感じる風潮から、
このような言葉が生まれてきました。

確かに、
かつての日本に比べて、
子育ての状況は明らかに異なってきています。

共働きが多くなる親。
業務の複雑化によって、
仕事や学びに費やす時間も多く取る必要がある。

学校の業務の簡素化、
地域のコミュニティの消滅傾向により、
頼れる社会資源自体が減少していっています。

かつてはヤングケアラーがいたとしても、
実は地域によってケアされていた。
そのことを、記事にしたこともあります。

「プライバシーを確保したい」

そんな思いを抱える人も多く、
段々と個で完結する環境に走っている現代。

しかし、
既に気付き始めている人はいるはず。

このまま「個」の環境に走り過ぎる傾向は、
逆に危機を招くことになる。

そんな危険性に気付き始めている人たちが、
「令和の新しいコミュニティ」を作ろうとしている。

いや、既に作っているかもしれません。

この記事では、そんな、

「人間にとって地域／コミュニティとは何なのか？」

という視点に着目して、
記事を書いていけたらと思います。

未来のことを想像しながら、
ぜひ、ご覧くださればと思います。

なぜ「核家族」になったのか？

現在の「個」の時代への先駆けとなったのが、

「核家族」

への移行です。

かつては、
村や地域が１つの大きな家族であり、
子どもは村の共有財産であり、
親だけが教育を行うものではありませんでした。

なぜ、このような、
核家族化の流れになっていったのでしょうか。

筆者は２点の要素を考えています。

１つ目は、戦後のムラの分断です。

日清戦争、日露戦争。
日本は「大国」と呼ばれる相手に対して、
戦争で勝利しました。

そして、
アメリカも日本との戦いに対し、
非常に苦戦した。

その要因は、日本人の、
想像を上回る結束力だったと言います。

戦後に日本を統治することになったアメリカは、
お祭りや神社を中心として機能する、

「日本の村」

が、結束力の源になっていると考えた。

よって、
団地やアパートという集合住宅地に住む流れをつくることによって、日本の村を分断し、結束力を弱めようとしたという説があります。

２つ目は、経済成長面です。

家電を売るにしても、
住宅を売るにしても、

核家族や、一人暮らしをした方が、
その分多くの消費を必要とします。

日本が経済成長をしていくためには、
たくさんの製品が売れる必要があった。

よって、
できるだけ世帯数を増やし、
購買する母体を増やしていくようにした。

そういった説もあります。

何が正解かは分かりませんが、
そういった説があるということです。

そして、時代はさらに流れ、
現在は完全に「個」で完結する層が増えて生きているという流れになっているのです。

コミュニティがないと人はどうなるのか？

コミュニティの必要性については、
様々な研究が為されています。

人間はもとより、
社会的な生き物です。

人と人とのリアルなつながりが、
少なくなることにより、
どのようなデメリットが生じるのか。

それを見ていきますね。

まず、コミュニティに属していないと、
単純に生存率が下がります。

１９９５年のシカゴ大火では、
男性よりも女性の方が生存率が高かったそうです。

女性は男性よりも、
社会的な人とのつながりを大切にする性質の脳をもっています。

また、集合住宅地に住んでいた、
中南米系の人たちの方が当然生存率も高かったという事実があります。

つまりコミュニティに属していない場合は、
生存率が下がるということなのです。

２つ目は、健康面です。

社会との結びつきと、
健康や寿命の相関関係が高いことは疫学的に証明されています。

社会とのつながりは、
心身にもプラスに働くことも分かっている。

孤独による経済損失は、
イギリスでは約４.９兆円という調査があるようなので、かなり心身に影響があることが分かります。

理想的なコミュニティとは？

理想的なコミュニティを語る上で、
重要なのは、
コミュニティの安全性です。

「割れ窓理論」という、
１枚割れている窓ガラスを放置すると、
他の窓ガラスも割られているという理論があります。

実は、
この１枚目の窓ガラスが割られるまでには、
その前段階がある。

空き家で、
草がぼうぼう、
全く放置されていた家の窓ガラスが割られたということです。

荒廃した空き家が広がっているアメリカのある地区では、修繕された廃屋の内外では、銃犯罪が３９％減少したそうです。

そして、もとからあった犯罪が、
他の地区に移った気配もデータにはなかった。

つまり、犯罪をする人間自体が減ったのです。

日本でも、２０３３年には、
全国の空き家の率が、
３０.４％にまで上昇すると予測されています。

空き家を整えた地域のコミュニティという条件は、安全性を保つためには必須だと言えるでしょう。

次に大事なのは、
コミュニティに入れるべき社会的インフラ。

例えば、

・図書館
・コンパクトな学校
・公園／自然

など。

知的で、デザイン性があって、
様々な交流するスペースがある図書館。

そういった、
誰でも楽しく訪れることができて、
多目的に使えるスペースをもつ図書館が必要と言われています。

図書館の近辺に住んでいる住民のストレス指数が非常に低いという傾向から、図書館が人々のストレスや不安を緩和する「人が集まる場所」として機能していることが分かります。

コンパクトなサイズの学びの場である、
スモールスクールも重要。

荒廃した地区の学校を、
スモールスクールという、
小規模のスケールにしたことによって、
卒業率が５０％以上上昇した事例もあります。

それだけ管理が行き届いて、
手厚く教育を行うことができたのでしょう。

そして、公園／自然。

公園には、必ず自然があります。

自然には人を癒す力が、
思っている以上にある。

荒廃した空き地の横を歩いたときの心拍数は、
１分あたり９.５回上昇。

これは病になりかねない、
危険な心拍数です。

ただ、緑を目にすると、
その心拍数が下がったそう。

緑には、予想以上に、
人のストレスを緩和する力があると言えるでしょう。