記事一覧
研究・批評のための読書の方法(2)
前回の研究・批評のための読書の方法(1)で読書をするときに使うツールについて紹介しました。今回はその続きです。というか、以前書いた記事を公開し、Xでシェアしたときに反応して、教えていただいたので、それを購入して使ってみました。今日はその補足のような記事になります。まずサンスター文具のウカンムリクリップ。
サンスター文具の公式サイトにはウカンムリクリップの商品紹介と動画もあります。最近話題というこ
研究・批評のための執筆の方法
今回は「書く」ときに使っているパソコン周辺のガジェットについて紹介したいと思います。自宅の書斎でも研究室でも基本的には同じような環境を構築しています。機会と身体の関係性は日々深まっていくので、違う環境にしてしまうと書きづらくなる。iMacとMac Studio+Studio Displayで使っているPCのモデルは少し違いますが、MacのPCにEIZOのディスプレイを接続して拡張し、二つのスクリー
もっとみる熊谷博子『かづゑ的』(2024)
3月2日から熊谷博子の新作ドキュメンタリー『かづゑ的』が公開される。以前、女性の映画作家について書いた共著『彼女たちのまなざし——日本映画の女性作家』を書く過程で、東京国際女性映画祭第15回の記念作品として作られた長編ドキュメンタリー『映画をつくる女性たち』(2004)、パイロットフィルムの短編ドキュメンタリー『日本初の女性映画監督 坂根田鶴子を追って』を視聴させてもらい、試写の案内まで送ってくれ
もっとみる研究・批評のための文献管理の方法
今回は前回予告したとおり、文献の管理の仕方について紹介していきたいと思います。といっても文献管理ソフトは何がいいとか、そういう話ではありません(ちなみに学生時代、使っていたのはEndNoteです)。主に文献をPDF化して管理する方法についてです。僕は「研究・批評のための資料整理の方法」で紹介したように、所有している映像データについては細かく管理していますが、もっている書籍まではエクセルに入力して整
もっとみるエッセイ本を作りたい【出版企画】
文芸誌やウェブ媒体でエッセイを何度か書いたことがある。けれども、本格的に書いたのは、2023年1月から半年間つとめた『日本経済新聞』夕刊の「プロムナード」の連載だ。僕は土曜日の担当で毎週1400字程度の短い文章を書いた。他の連載もあってなかなか大変ではあったが、これが思いのほか楽しくて日々、次は何を書こうかなと世界に対する感度があがったように過ごした。研究とは違うアンテナで生活する日々を思い返すと
もっとみる研究・批評のための読書の方法(1)
今回は読書の方法について紹介したいと思います。いわゆる読書術とか読書論のような大層なものではなく、本を読む時に使っている道具についてです。おそらく色々なツールがあり、それぞれの用途にあわせて駆使しているのではないかと思います。研究や批評をするには大量の本を読まなくてはなりません。それも研究書や洋書は重いものがたくさんあるので、ずっと持ったままだと疲れます。ページをめくるのもダルくなる。だから腕に負
もっとみる鵞樹丸『わらじ片っぽ』(1976)
『週刊文春』の連載「黄金の日本映画」で映画紹介をやっている。ここでは毎回「雑誌の発売日の後に映画館で観られる往年の日本映画」という条件のもと作品を選定し、原稿を書くことになっている。たまに最近の作品も取り上げるが、基本的には昔の日本映画がほとんどだ。結構選ぶのが難しい。なぜかというと昔の映画をかける名画座はどんどん潰れていって、選択肢もかぎられているからだ。ここではあまり有名な映画は選べない。「傑
もっとみる映画批評本を作りたい【出版企画】
映画本の企画
一般に僕たち研究者や批評家が作る本として、対談や講義本などは抜きにすれば、大きく書き下ろしかこれまで寄稿したものの論集がある。つまり一から書くか、書いたものを寄せ集めて本にするか、である。『美と破壊の女優 京マチ子』(筑摩書房)や『24フレームの映画学——映像表現を解体する』(晃洋書房)は(後者は発表済みの論考も少し収録したので「ほぼ」)書き下ろしの本なのに対して、『アクター・ジェ
研究・批評のための資料整理の方法
研究を始めるためには、資料調査・収集・整理・分析がかかせません。僕は映像を研究しているので、ここでは映像に関する資料のアーカイブをどうやっているのかを紹介します。かつてはVHSやDVDを購入するか、テレビで放映された作品を録画してアーカイブするのが通常でしたが、いまは映像研究がとても楽になりました。動画配信サービスに入っておけば、いつでもアクセスして繰り返し見て確認できますし、場所をとりません。し
もっとみる