見出し画像

自殺の現状を知る

こんにちは。株式会社iCAREでエンジニアをしている澁谷です。

最近メンタルヘルスマネジメントの勉強をしており、その中に「自殺総合対策大綱」「自殺対策基本法」というワードがありました。

この文字を見て自社のサービスが深く関わる事柄なのに、自殺について無知であると感じ、厚生労働省が出している「令和4年版自殺対策白書」を読むことにしました。
他の資料と照らし合わせた個人的な考察も含めて簡単にまとめてみます。

自殺対策白書とは

自殺対策基本法に基づいて、毎年国会に提出される報告書です。
多様な統計に基づいた自殺に関する状況や分析、対策の実施状況などが記載されています。

現状の自殺の統計

まず昭和53年から昭和57年までは2万1千〜2千人で推移していたのが、昭和58年で2万5千人に増加します。そして平成10年には3万2千人に増加。
背景には金融機関の破綻、中小企業の倒産、相次ぐリストラがありました。

平成15年には過去最大の3万5千人を突破。
平成18年に自殺対策基本法が成立し、その後は減少傾向に。
令和3年では2万1千人までになりましたが、今もなお2万人を超える自殺者がいるという現状です。

性別で見た統計

割合は男性の方が多く、総数の推移と似ています。
女性も同じような推移でしたが、令和元年からは増加傾向にあります。
厚労省自殺対策推進室はこの結果を「コロナの影響」と分析。
原因は健康問題が最多でした。

年齢で見た統計

割合でみると40~69歳までの年代が一番多く、10~19歳は近年増加傾向にあるようです。
自殺対策白書のデータからはこのように読み取れますが、
年代別の死因を調べたところ10~39歳までの死因一位は自殺でした。
40~69歳の一位は悪性新生物、二位が自殺です。

一見すると中年層が最多ですが、割合で見ると若い世代が最も多いことが分かります。

また平成21年の10~14歳死因1位は悪性新生物でした。
今自殺が1位になっているのは、近年問題のいじめなどが大きな原因なのでしょうか・・。

職業で見た統計

職業別でみると1番多いのは無職者、2番目に被雇用者でした。
この無職者にさらに分類があり、年金・雇用保険等生活者とその他無職者が同じくらい高く、その次に主婦が入っています。
数年にわたり減少傾向でありつつも、未だ1500人超え。
また2020年には約10年ぶりの増加となっており、コロナの影響と推察しています。

原因・動機

自殺原因の1位は健康問題、2位が経済・生活問題、3位に家庭問題、勤務問題が入っています。
中でも男性の勤務問題は1位の健康問題に匹敵するほど高い数値で、労働環境がいかに自殺の動機になっているかが伺えます。

学生

学生の自殺率は先進国の中でトップクラスです。
平成30年までは減少していますが令和からは増え続けており、社会人だけでなく学生における健康状態の管理も必要です。
また2022年10月には教員のメンタル対策強化を打ち出していることから、学校は多くのことを見直さなければいけないのかもしれません。

あとがき

日本の自殺者が多いことは知っていたものの、10~15歳の死因1位まで自殺であることには驚きました。

前述した自殺総合対策大綱が閣議決定し、平成17~18年の11年間で30.6%減少させているものの、未だ多くの自殺者が存在します。

また動機として勤務問題が増えている、そして健康問題の数値の高さからも、企業はストレスチェック以外に施策を打つ必要があります。

弊社では働くひとの健康づくりの一環としてCarelyファイブリングスという取り組みを行なっているのですが、こういったカンパニーケアがいかに大切かを改めて知る機会となりました。

あとがきのあとがき

この記事を書いていたらこんなニュースが飛び込んできました。

令和4年の自殺者数が2万1584人となったことが20日、警察庁の自殺統計(速報値)に基づく厚生労働省のまとめで分かった。3年の確定値と比べ577人増え、2年ぶりの増加。

参考

令和3年中における自殺の状況




この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?