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No.59 - 「法人営業」に未来はあるのか?


最近、立て続けにこんな話を聞きました。

  • 転職を考えるなら、「無形商材」の「法人営業」が最強である

  • 「法人営業」、特に「IT業界の法人営業」には将来性がある

  • キャリア形成において最も重要なのは、「法人営業」スキルである


・・・。

なんか、こういうの流行ってるんですかね?


猫も杓子も「法人営業」です。
口を開けば「法人営業」です。

何なのでしょう? 一体。

「法人営業」を推す人が抱えている矛盾


別に、「営業職のキャリア」を否定するつもりはまったくないです。
私の周りには、営業職として成功している人はたくさんいます。

私自身も、新卒入社して最初は営業職でしたし、結構仕事は楽しくて、営業成績も当時のチーム内トップでした。
ほんの数年前まで、法人営業部隊の同行サポートの仕事をしていたこともあります。営業畑の仕事も、そこそこ経験してきたつもりです。


ただ、その実体験から考えても、「キャリア形成において最も重要なのは『法人営業』スキルだ」というのは、さすがに極端過ぎる気がします。

また、「法人営業は転職に有利だ」というアドバイスも、ほとんど的外れだと思っています。

以前の記事にも書きましたが、営業職は今後、間違いなく生き残りがシビアになっていきます。


「ただの営業マン」は、今後確実に淘汰されていきます。
その傾向において、「ITだから大丈夫」「法人営業は安泰」みたいな都合の良い話はありません。

現に、「IT業界」の「法人営業」としては有数の待遇を誇るエリートキャリアであるはずのGoogleの広告営業職は、2024年頭に大量に解雇されています。


「IT業界の法人営業」には将来性があるんじゃなかったのかい??

「無形商材」の「法人営業」が最強って話は、どこにいったの??


普通に、前提が最初からおかしいのです。

キャリアを考える際、「法人営業」を選べば将来性があるとか、転職に有利だとかって話、普通にあり得ないです。

合ってる・間違ってるというんじゃなくて、そもそもの発想がおかしいです。


でも、矛盾に気づかない人は、こういう甘い言葉にあっさりと騙されます。

  • 「自分も法人営業の仕事に就けばいいんだ!」

  • 「IT業界の営業の仕事を探せば、きっと未来が拓ける!」

などと、すぐに思い込んでしまいます。


こういう安易なアドバイスをする人たち、本当に良くないと思います。

「キャリア構築において法人営業が最強」という話自体、最初から絶対に成立しないからです。


致命的な「矛盾点」は、下記の2つです。

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