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長期思考

こんにちは。テクノロジーの力を活用して医療ヘルスケアの未来を作る、株式会社メドレーで主に採用領域を担当している加藤と申します。毎年恒例のHR Advent Calendar 2020の19日目を担当します。

今年は「○△に大切な□をテーマに、人事にかかわる25人が書き綴るということですが、既に皆様がいろいろなテーマでタメになることを書いて下さっているので、私からはこれまでまだあまり書かれていない視点を探して書きたいと思います。

(ちなみに、当初今年書こうかなと思っていたテーマは、既にindeedさんのメディアで寄稿させていただいているので、そちらをお読みいただければと思います)

時間軸の話

というわけで、いろいろなTipsが書かれている中で、私からは点ではなく線の視点として、時間軸を長く取って思考し、設計し、実行することの大切さについてお話しします。

採用担当をしていると、特に成長企業においては、どうしても目の前の採用計画にアップアップになり短期的な思考になりがちです。自転車操業的に、リードを捌くような感覚になってしまう。チームづくりが疎かになってしまう。そのうち、目の前の採用計画のみならず計画外の採用依頼も流れ込んできてどんどん溢れてしまう。そうなると、ますます短期思考になってしまうという悪循環に陥っている方が多いのではないでしょうか。

採用計画を1年だけ達成する、予算内に達成する、ということは、そこまで難しいことではありません。しかし、「何年も何年も達成し続ける」ということは容易いことではありません。徐々に計画を割り込んでしまったり、計画は達成できても予算をオーバーしてしまう、ということが起こってしまう。

何故こういうことが起こってしまうのでしょうか。それは、何年も安定的に採用目標を達成し続けるということは、短期的な目標は当然に達成しながらも、以下のような取り組みをバランスよく同時並行で進めてこそ初めて成し得ることだからです。

・長期的な視点に立って複数年を見据えたブランディングやオペレーションの設計
・新しい取り組みが花開くまでの準備期間を想定した前倒しの仕込み
・採用チームの採用と育成を中心とした中長期的な採用目標を達成するチームビルティング
・採用する部署の部門責任者やリーダークラスの総合的な魅力づけを行い採用力を高めるためのガイド

今年には効かないけど来年や再来年の未来に効くような仕込みを、アップアップしている中でバランスよく入れていく。中長期に過度に視点が行きすぎても短期目標を達成できず、逆もまた然りです。バランスを見ながら微調整を繰り返していくことも求められます。

バランス感覚を鍛えるためのポイント

では、こうしたバランス感覚はどうすれば鍛えられるのでしょうか。あまり体系的に整理できていないので感覚的に書きますが、

1.採用マーケット(顕在・潜在含む)を正しく理解すること。変化や移ろい、流れを読み取る訓練を積む。マーケットと自分たちの採用活動が沿っているか、徐々に離れてしまっていないかを定点的に観察する。
2.社内をつぶさに観察すること。点で見るのも大事だが、それ以上にステージやトーンの変化であったり、大きな流れを読み取る訓練を積む。今やっている仕込みが何年くらい効果を発揮するか(持つか)という「施策の賞味期限」を想定しながら実施する。
3.オペレーションを点(時点)で捉えないこと。将来につながるものと今を乗り切るものに分けて考え、そのバランスが適切かどうか常に見守る。短期的に成果が出るものと中長期的にチームを強くするもののバランスを意識して金額と時間の配分を決定する。

この辺かなぁという気がします。

採用担当に求められる長期思考

事業を営む上では当然に求められる長期思考ですが、こうして整理してみると、採用活動という意味ではあまり語られることの少ないテーマですよね。

採用とは、事業を次のステージに進めるための確実な仕込みをすることが求められる存在です。この領域がこけたりつまづいてしまうと、事業がスケールしません。事業がスケールしないと、会社は成長することができないのです。

この文章を読んでいただいている方の多くは、成長産業ないしは成長企業で採用や人事を担当していることと思います。成長企業における採用の難しさとは、毎年毎年確実にそのハードルが上がっていくことです。今年達成できたからといって、来年さらにハードルが上がったときにも同様に達成できるという保証はない。ましてやその再来年はなおさらです。累乗的にハードルが上がります。

それゆえに、手法もマインドも他の領域の人に先んじて自らが変えていかなければいけない。他の人と同じペースで変わっていくのでは時既に遅しなのが採用担当に課せられたミッションです。だからこそ、採用担当は常に、誰に言われるでもなく、また誰を真似するでもなく、自己変革をしていかなければならないのです。

かくいう私も、今年度末に4年間勤め上げた採用担当を離れ、後身に託します。来年は社長室に異動して、別の領域からさらなる会社の成長に向けた仕込みを行なっていく予定です。これまで行なってきた仕込みや将来に向けた活動は遅かれ早かれ賞味期限が訪れ、その先は未来のチームがそれを担っていくことになります。

自分自身がどれだけ長期思考を持って会社に貢献することができてきたか。この4年間を振り返ると、達成感と反省の念が入り混じったような気持ちになります。自分が直接携わらなくなっても、これまで以上に採用活動がうまく機能し、いつしか「あいついなくても全然回るじゃん。あいつ必要だったっけ??」とみんなに思ってもらえれば、この4年間の冥利に尽きると感じることができるでしょう。

長期的な視点で、成し遂げられる組織を

素晴らしい時代に生きている実感がありつつも、医療ヘルスケア分野の課題解決に取り組んでいると、世の中には困っている人々が沢山いることに気づきます。根深い課題を解決するためには長期的な視点で本質的なアプローチが必要となるため、短期的に利益に繋がりづらいものも多く、時に挑むことも避けたくなるような困難もたくさん訪れます。 世の中には数多の会社がありますが、私たちはその中でも「多くの実需を満たし、課題を解決していく会社」 となるべく、困難なことを成し遂げられる組織づくりを志向しています。
株式会社メドレーのコーポレートサイト「大切にしている価値観」より

まさにこういうことだと思います。

医療ヘルスケアの領域に限らず、本質的な課題解決を志向する会社には、どの部署にもこの考え方が求められると思います。そして採用担当とは、その考え方をまさにリードして体現する人物なのです。

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