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【Live2D】位置関係とつなぎ目を意識してみる

どうも、カワナミです。
フリーランス人生も2年目を突破し、尻に火がついたりつかなかったりな日々を過ごしています。
これまでの案件制作・講師業に続き、VTuberさんのLive2Dを担当させていただくことも増えてきました。ありがたい。

さて今回は、Live2D公式さんの企画『みんなの Live2D LAB』に寄せた記事となります。
いろんな方がノウハウや考えていることを投稿してくださってるので、ぜひ他の記事も読んでみてください。

本記事のテーマは「パーツ同士の位置関係とつなぎ目」。
Live2Dの制作をしているけど、立体表現のクオリティを上げたい!
複雑な立体構造のモデルを作ろうとしているけどうまくいかない!
そんなあなたに、ちょっとしたコツをお伝えします。


はじめに

まず立体感を付けるにあたり挙げられるのは以下のようなコツです。

・簡単な構造物に置き換えて考える
・模型を作り観察する

もちろんこれらも大事で有効です。ここに、

・位置関係とつなぎ目を意識する

が追加されると考えてください。
あと個人的に制作を続けていて思いついたコツってだけなので、うまくいかなくても怒らないでください。許して。田舎のしがない個人事業主を許して。

位置関係

位置関係……その名通り、パーツ同士の配置の関係性です。
以下の図を見ると、「○は×の上にいて、△は×より下にいる」という位置関係がわかりますね。難しいことじゃありません。

図01

▲奥行きに差はなく、1枚の板に乗ってるイメージで

では、ここからもう少し視点を近づけて見てみます。
○の模様と×の模様はお互い斜めに存在し、△の模様と×の模様はお互い垂直に存在します。
モデリングの際に気をつける「位置関係」とは、この拡大した位置関係も含みます。
わかりやすいように「模様」としていますが、実際は「塗りの影」「首筋の線」などに置き換わります。

図02

▲斜線部分が「模様」

一般的に「角度XY」や「体の回転X」と言われる立体的な動き付けの際に、この位置関係にズレがあるとそのままパーツのズレにつながります。浮き上がったり凹んで動いているように見えてしまうわけです。

図03

▲少し極端にやっています

位置関係をある程度守れば、不自然な動きを回避することができます。
できれば「斜め」「垂直」といった単純な位置関係よりももっと突っ込み、「だいたい45度くらいの角度にある」「目測で5cmくらい離れている」まで厳密に気にしてみるとより良いです。

図04

▲ズレなくひとまとまりに見える

上記は簡単な図で説明しましたが、例えばキャラクターの場合。

図05

▲リボンと服の刺繍と鎖骨の位置関係

図06

▲目と頬紅の位置関係

こういう部分に気を使うと、モデルのクオリティアップにつながります。
構造が複雑になっても、落ち着いて位置関係を確認しましょう。
一通り調整したら、一旦視点を引いて全体のバランスを確認するのもお忘れなく。

つなぎ目

上記のお話を踏まえて、つなぎ目も意識してみます。くっついている所は離れないように、というお話です。
下の図は、長方形の下に台形がくっついています。ブラウスとスカートと考えるとわかりやすいかもしれません。

図07

▲上半身と下半身みたいな感じで

この図を立体的に回すとして……

図08

▲模様は合ってるけど、端がちょっと千切れてる……

このようにパーツの端が出たり入ったりしてしまうと、いくら模様の位置関係を合わせたところでシルエットが崩れ、破綻したように見えてしまいます。
つながっている所は離れないように。もっと視点を近づけて、「この模様のここにくっついている」ということを意識して調整すると、ひと繋がりの物体として見せることができます。

図09

▲ひとまとまり!

例えば、キャラデザによっては生えているであろう立派な角。
ひとつの角を複数にパーツ分けしている場合も多いと思います。
そんな時も、パーツ同士のつなぎ目に気をつけてみると良いです。

図10

▲巻角でやってみます

角は表面のディティールが細かいことが多いので、つなぎ目合わせがしやすいです。ズレも目立ちやすいですが……。
端が飛び出たり、線が切れたり食い込んだりしないようつなぎ目を調整しましょう。
つなぎ目さえ合わせれば、そこを基準にして他の辻褄を調整していけばOKです。

図11

▲すごく脳みそ使うけどね

単に分けたパーツ同士の接着面だけでなく、下記の図のように重なり合ってくっついている面も意識してみると良いかもしれません。

図12

▲このあたりの重なりも意識

あえて裏切る

上記のお話は「パーツ同士が滑らかに繋がった平面」が前提であり、これらをあえて裏切ることで逆の表現、つまり「凹凸のついた面」の表現が可能になります。「角度XY」の時によく言われる、「手前に出ているものほど移動量が大きい」という話と似ていますね。鼻の高さとか付けるときにやるやつ。

図13

▲奥行きが感じられます

図14

▲正面向きでは見えなかった凹凸が見えてきた、という捉え方もできますね

そのモデルで何を表現したいのか考えて、たまには裏切ってみるのもいいかもしれません。

さいごに

以上が「パーツ同士の位置関係とつなぎ目」のお話です。
上記を踏まえれば、複雑な立体物も結構なんとかなります。

冒頭の制作物まとめに載せている作例にも、位置関係とつなぎ目を意識して作成した箇所が多々あります。王冠と髪の重なり、角と眉毛の重なり、衣服の腰のつなぎ目、ベルトの金具とボタンの位置関係、パーカーの柄とポケットの位置関係、などなど……
動かしてみて何か違和感があるな?と思った時に意識すると解消されることがよくありました。

ただ、絵に正解がないように、Live2Dにも完璧な正解というものは存在しないと思っています。
もしかしたら今後、記事の内容に反する形のモデルがウケる世の中が来ないとも限りません。
ですので、あくまで参考程度に覚えていてくださると幸いです。
気にしすぎて全体のバランスが崩れたり、モチベーションが失われてしまうと意味がないのでね……。
優先すべきは己です。俺俺俺!!私私私!!

それでは、良きLive2Dライフを!お疲れ様でした。

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