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松武さんが操作をミスった回が結果として個人的ベストテイク「riot in lagos/YMO」:見た動画を紹介する日記(2023年12月17日)第181回

YMOが1980年にロサンゼルスで公演、しかもその時の模様が当時としては画期的なことに衛星中継で日本でも生放送されたときの映像。
「Tighten up」でメンバー入場、そこから「Riot in Lagos」が始まるのだが、この時、シンセオペレーターの松武秀樹氏(ステージ中央でシンセに囲まれて座っている)が、メンバー全体でリズムを同期、共有するためにヘッドホンで流しているクリック音(リズムパターン)の機械操作を誤り、クリック音(リズム)と自動演奏で流れているそれ以外のシンセの音の拍がズレた状態で演奏がスタートという状況になっていて……。

松武氏は途中で何度かクリック音と自動演奏の同期を試みたり、自動演奏の音をちょっとずつ出してみようと試みたものの、無理と判断して自動演奏を切ったため全体の音としてはスカスカになってしまっているのだが(同じ年の他のライブ音源と比較するとよくわかる)、拍がズレたクリック音がヘッドホンから流れる中で懸命にドラムを合わせようとする高橋幸宏を初めとして、メンバー全員がいつも以上の緊張感に包まれていて、「YMO」に対して「演奏にコンピュータ(自動演奏)を用いた画期的なグループ」という世間的な評価と同時に「メンバー全員が手動演奏にも熟練していて、手動演奏の部分にこそ面白さがある」と思っている個人的には「YMOのRiot in Lagos」としてはベストテイクだと思う。

この話は後日談で、この生中継をリアルタイムで見た多くの人には上記の状況は伝わらなかったみたいだけど、この状況を理解したうえで見ると、異常に気づいて後方の松武秀樹のほうをチラチラ見る高橋幸宏、イライラしてるように見える教授(坂本龍一)、身体でリズムを取る細野晴臣、そしてド頭でやらかしたことに気づいていろいろ試行錯誤している様子が見て取れる松武秀樹、映像的に見どころが多くて楽しい(本人たちはそれどころではなかったわけだが)。

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