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C99A初日「アーリー入場」を利用しての雑感

 2021年12月30日、31日。2019年12月開催のコミックマーケット97(C97)以来久々となるコミケ、コミックマーケット99(以下、C99A)が開催された。
 C99AではCOVID-19感染拡大対策の一環として、コミックマーケット史上初めて一般入場が事前登録制かつチケット購入制となった。あわせて導入されたのが「アーリー入場」という制度だ。
 ざっくり言えば「余計にお金を積むと早く入れる」仕組みである。
 C99Aでは通常の一般入場は11時以降のチケット購入時に指定された(する、ではない)のタイミングで入場が可能となりチケット価格は2000円。これに対してアーリー入場では10時から入場開始でチケット価格は5000円。差額は3000円である。
 ワンダーフェスティバルの「ダイレクトパス」や東京ゲームショーの「サポーターズクラブチケット」など、同様の仕組みを導入する大型イベントが見られるようになってきたが、コミケでもついにというべきだろう。
 幸いにも筆者はC99A初日東地区のアーリー入場を利用することができた。以下、その感想を文章にしたものだ。

差額を払う価値は十分にあった

 結論を先に書いておくと、筆者はアーリー入場のために差額の3000円を払う価値は十分にあったと感じた。

 筆者がアーリー入場に価値を感じたポイントは大きく二つ。
 一つめはアクティビティとして非常に面白かったこと。もうひとつは、入場後のおよそ1時間、おそろしく快適な環境での買い物ができたこと。 2022年8月開催予定としてアナウンスがあったコミックマーケット100でもアーリー入場があるなら、ぜひ利用してみたいと思っている。

 以下、もう少し細かく書いていく。

魅力的なアクティビティとしてのアーリー入場

 アーリー入場は一般入場者の先頭グループとして会場内に入れる、というものだ。
 筆者の場合、30日は朝6時半過ぎにりんかい線国際展示場駅に到着し、検温や受付を済ませたのち東駐車場の4本目の列(人数にすると先頭から700人目くらい)の位置で入場することとなった。従来のコミケであれば信じられないことである。

 C97までのコミケであれば、りんかい線の始発列車(朝5時半頃に国際展示場駅着)が「駅に着く」時点で入場待機列はすでに1万人級といわれていた。一般入場の700人目くらいにつく、ということが何を意味していたかは何となく察してほしい。
 そこまでしなければ見られなかったはずの景色を、お金を払うだけでインスタントに見ることができた。個人的にはこの時点でかなり元を取れたように感じた。

快適な買い物環境

 買い物環境に関しては多くの説明を要しないだろう。
 C99A初日東地区の場合、通常の一般入場が開始される11時までのおよそ1時間は、目測でおよそ2000人ほどと思われるアーリー入場者と、サークル参加者しかいない環境だった。今回に関していえば、サークルに支給される通行証の枚数も減っていた(通常1SPに3枚のところが2枚になっていた)。

 そのためにいつもなら列があるはずのところに列がない、あるいはあっても極端に短く、買おうと思うだけ買い物ができるような状況であった。天国のような地獄のような(お財布的に)状況である。

 ただ、「快適に買い物をしたいだけ」であれば、サークル通行証の入手につとめたほうがより楽ではあり、これはアーリー入場ならではの魅力とは言えないようには思われた。

誘導の混乱などについて

 チケット制もアーリー入場もはじめて導入された施策だけに、朝の段階の誘導では若干ではあるが準備会側に混乱が見られたのも事実である。

 筆者の場合、朝6時50分頃に東京ビッグサイト前交差点、庭園広場側の角にいたスタッフより「(国際展示場)駅前で列を作っているのでそれに並んでほしい」と言われ駅のほうに戻ろうとしたところ、有明駅前の信号まで戻った段階でその信号にいたスタッフより「東7ホール(受付場所)に向かってほしい」「(駅前に)列はない」と指示・案内され、来たばかりの道を戻ることになる、という一幕があった。
 個人的には「初物だしなぁ」と逆に楽しくなってしまったが、次回以降はもう少し案内を洗練させてほしいとは思う。

徹夜組対策としてのアーリー入場

 SNS等で今回のC99Aは「徹夜組がいない」ことが話題となっていた。
 列の先頭が取れないことが分かっているのに徹夜をする人はさすがにいなかった、ということなのだろうか。
 そういう意味で、仮に感染拡大対策が不要になった後も、徹夜組対策としてのアーリー入場というのは有効な選択肢となりえるのではないだろうか。

 以上「アーリー入場を利用した」ことについて絞ったC99Aの感想をお届けした。ワクチン検査パッケージ関連や、それに伴う東西分割については元気があればまた何か書きたいと思う。

 



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