登紀子からユダヤの友へ
「星を空から落し海の水を知る」
「オリーブの木の下で育ったこの故郷」
「ワインを飲み サボテンの実をかじったこと」
「友よ祖国を離れろと云われても それはできない」
加藤登紀子さんがライブで歌ってきた「ユダヤの友よ」の一部分だ。
悲しいことだが、イスラエルがパレスチナ自治区のガザに軍事侵攻して武力衝突が拡大し、多くの人々とりわけ子どもたちが殺されている今、この歌に注目が集まっている。
故郷を奪われたパレスチナ人の哀しみとユダヤ人との共存への願いがつづられた歌であり、登紀子さんは停戦への願いを込めて、2023年11月22日(水)に福岡市で開かれたコンサートで久しぶりに歌った。
イスラエル国家が1948年に突然このパレスチナの地に作られ、突然土地を奪われ、国を奪われた彼らパレスチナ人の怒りや悲しみ。それから75年の間に、なんとか平和を求めて来た切実な願いが、根底から打ちのめされるような今回の戦争。イスラエル側にもこの戦争を求めていない人たちはたくさんいるはずですーーと登紀子さん。
「パレスチナ人の思いを代弁する歌を聴いてほしい」。
登紀子さんのブログによると、この歌は「ファウジ・エル・アスマールというパレスチナの詩人が50年くらい前に獄中から世界に発信した歌」。
「私が1994年にエルサレムを旅した頃は、イスラエルのラビン首相とパレスチナのアラファト議長が平和的に共存する決意をし、奇跡的な平和が生まれていました。そのラビン首相が暗殺されたというショックな出来事が、今さらながら悔しく思い出されます」。
「去年からのウクライナ紛争、アルメニアの異変、そしてこのイスラエルの激突。世界は何処へ向かおうとしているのか、厳しい流れが止まらない!」と登紀子さんは悲痛な叫びをあげている。
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