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個人的オリックス史〜ニュースと現地観戦スコア〜【2012年】

2022年オリックスはリーグ2連覇を果たし、日本シリーズ制覇も達成!!!
そして2023年9月21日にはリーグ3連覇!!!
3連覇はパ・リーグで21世紀初の快挙!!!
おめでとうオリックス!!!

優勝して嬉しいは嬉しいがふと考える(賢者)
あれほど低迷したオリックス(2005年~2020年でAクラス2回最下位6回)がこれほどの好成績を残せる要因はなんだろうか?

監督、投手力、FA補強……色々言われるけど一番大きいのは選手層の厚さだと思ってます。「誰かが抜けたら別の選手が活躍して埋める」のサイクルが2021年から回り始めて、今年は集大成となった感もある。
では低迷し続けたオリックスは如何にしてチーム全体の戦力を充実させるに至ったのか。

それは安易な補強で非常に痛い目を見て、ドラフト戦略に舵を切る機会があったから(当時のファンですら分かるレベルの大失敗をした)

この記事では現地観戦スコアを軸に置きながら、オリックス関連ニュース、当時のドラフト、辛いですが戦力外通告を含めた編成面を絡めて振り返ることで個人的オリックス史としたいと思います。



2011年ドラフト

まずは私がファンになる前年のドラフトから振り返ります。
リンクは通算成績です(2023年時点)
戦力外通告などを受けて引退した選手を「引退」と表記しています。
戦力外通告など受けた後も社会人野球などで現役続行された選手、その後の経歴が分からない選手については「自由契約」と表記しています。
引退・自由契約後も何らかの形でオリックスに携わっている選手についてはその後の職業も併記しています。

  1. 【内】安達了一(東芝)※……現役

  2. 【内】縞田拓弥(JR東日本)……2018年引退(九州地区担当スカウト)

  3. 【投】佐藤達也(Honda)……2018年引退(オリックス広報)

  4. 【投】海田智行(日本生命)……2022年引退(解説、姫路 Egreters監督)

  5. 【捕】庄司龍二(ジェイプロジェクト)……2015年引退(一軍出場無し)

  6. 【内】堤裕貴(龍谷高校)……2016年自由契約

  7. 【内】小島脩平(住友金属鹿島)……2020年引退(内野守備走塁コーチ)

  8. 【外】川端崇義(JR東日本)……2017年引退(育成コーチ就任後2018年退団)

※高橋周平(東海大甲府高)の抽選外れ後指名

育成ドラフト

  1. 【捕】稲倉大輝(熊本国府高)……2013年自由契約(一軍出場無し)

  2. 【内】柿原翔樹(鎮西高)……2013年自由契約(一軍出場無し)

当時のオリックスらしい社会人重視の姿勢がよく分かるドラフトです。
活躍に目を向ければ、現役で内野守備の名手・安達、2014年オリックスの快進撃を支えた佐藤、長年に渡ってブルペンを支えた海田、ユーティリティ性で選手起用に幅を持たせた縞田・小島、ルーキーながらシーズン100安打達成の川端が居る点でも良いドラフトに見えます。

ただ気がかりなのは社会人内野手3人、しかも打撃より守備がアピールポイントの所まで被っているためチーム編成のバランスが悪くなるように感じます。
打撃に関してはバルディリスやT岡田、後藤光尊、新外国人の李大浩などに期待していたのでしょうか。
しかしそうなると、三塁バル、二塁後藤、一塁李大浩(当時T岡田は外野)
遊撃手争いに安達を加えるのは分かるけど他の内野手ルーキーは一体……?
2023年現在の視点から簡単に振り返るだけでは意図が分かりにくいドラフトと思いました。


2012年現地観戦スコア+ニュース

・5月1日オリックス対ロッテ(京セラ) 2x-1(勝) 
私が初めてオリックス戦を観戦した日。
応援歌がカッコイイ球団だな、との認識ぐらいでライトスタンド下段……いわゆる応援席に行きました。

しかし客入りはガラガラ。
応援団のいるブロックは多少ファンが集まっていましたが、その隣のブロックにもなれば殆どの人は通路側に座れるような空き具合でした。
ちなみに2023年は全席指定席になり、通路側は応援団に近い席を中心としてファンクラブ有料会員の先行発売で争奪戦になっています。10年ちょっとで色々と状況も変わりました。
ただ、ファンは少なくても初めての応援席。熱の入った応援団の演奏と大合唱は初めての経験でとても楽しかった。

試合展開といえば0-1でロッテリードのまま9回裏へ。
このままアッサリ負けそうだな、なんて思っていたらバルディリスが逆転サヨナラ2ランを放ち勝利

初観戦で逆転サヨナラHRで勝利。運命的なものを感じてオリックスを応援することにしました。
サヨナラHRを放ったバルディリス、実は前日にもサヨナラHRを放っており二試合連続のサヨナラHRでした。
球団としてはオリックス・ブレーブス門田さん以来22年ぶりの記録、そして2012年当時でも過去に8人しか達成したことないレア記録でした。
そしてバルディリスの次に達成したのが、2016年カープ対オリックスでの鈴木誠也っていうのがね……(神ってるの誕生)

球場に着いてから誰かのユニフォームを買うかと思ったけど、どの選手を買えば良いか分からなくてネーム無しのビジターユニを買ったのもいい思い出。

ちなみに下は当日の写真です。
注目は画像右下に見えるスタンドを覆うオレンジの幕。
今でも語り草になっているあまりに客入りが悪かったため上段席に広告の幕を垂らして空席を埋めていた頃の京セラドーム大阪です。

広告に「当ててみろ!」と煽り文句があった(当てたのを見ずに終わった)


・5月22日オリックス対阪神戦で川端崇義がプロ初HRとなる第一号満塁HR

・5月27日オリックス対横浜(横浜スタジアム) 9-2(勝)
初のビジター観戦は横浜スタジアムでした。
開放感があって良い球場でしたが、立ち上がって応援すれば隣のファンと肩が触れ合ってしまうような京セラドームより狭い外野席の横幅に苦戦しました。
それでも横浜・関内に構えられた球場から見えるビル群と青空のコントラストが気持ちよく、ロケーションは最高でした。

・6月24日オリックス対西武(西武ドーム) 3-4(負)
初の西武ドーム。
8回に平野が三失点して逆転負け(当時の抑えは岸田)
そして当日は伝説のらき☆すたデー

ナイスバッティン、ナカジ~~~
何気に萌えアニメ(死語)とのコラボ試合ってこの試合が初めてだったような気がします。
今ではパリーグ自体がアイマス、ライブライブとコラボしたり色々と手広いが、その走りだったと思います。

・7月6日オリックス対ロッテ(QVC) 11-7(勝)
初のQVCマリンフィールド(現在ZOZOマリンスタジアム)
だったが、当日は試合開始に間に合わず初回オリックスが4点取ったところから見始めました。
その後も得点を積み重ねて(失点もしつつ)これは余裕で勝ったな~とか思っていたら小雨の中を耐えていた先発・寺原が5回に大爆発。
里崎に一点差に迫られるスリーランを浴びて雰囲気が一気に変わりました。
その前にセンターのルーキー・川端がフライを取れずタイムリーエラーで点差を縮められているのもチームとして弱さを感じます。
川端も守備は上手い方じゃなかったし、ルーキだから目を瞑る必要はあるけど守備が上手くない新人をセンター起用ってのもどうだったんだ。
それでもなんとか耐えて最後は李大浩・T岡田の連続HRで突き放して勝利。

しかし今(WBC特需)では考えられないぐらい球場がガラガラだな……

・8月11日オリックス対ロッテ(QVC) 4-0(勝)
小松が5回0失点で2勝目。
スタメンを見て注目したのがショート縞田。
2011年ドラフト1位安達、2位縞田でショートを守らせているのが気になります(ショートの候補は他に大引、山崎浩二)
安達はショートに置く目的で獲得していただろうが、なぜ同年2位の縞田までショートを試していたのかよく分からない。

・8月13日オリックス対ロッテにてマエストリがイタリア出身投手としてNPB史上初の勝利を挙げる

・9月11日オリックス対西武(西武ドーム) 3-2(勝)
最終回にオリックスがクローザー涌井(!!)から2点を取って逆転勝利。
9回1死一二塁からT岡田が涌井の15球目を捉えて同点タイムリーを放てば、代打梶本は勝ち越しの犠牲フライ。
ロースコアで締まったゲーム……に見えるがミスもありました。

いわゆるベースの空過ルール
年に一回くらいは見る気がするが現地で見たのはこれが最初で最後かもしれない。
走者が進塁し(次のベースを踏み)フライアウトが成立した場合、走者は進塁してきたベースを再び踏んで塁へ戻らなければならない。
ベースを踏まなくてもいいことになると走者が優位になってしまう。

例えばこの場面で一塁の安達が三塁に達してからフライでアウトになった場合、上記のルールがなければ安達は二塁を経由せずマウンドを乗り越えてショートカットして一塁に戻って良いことになる
「踏んだ塁はちゃんと踏んで帰ってね」というルールを初めて知った試合にもなった。
というのは試合後の話で、球場の審判によるアナウンスでは何の説明かサッパリ分からなかった(分かりやすい説明は難しい!)

・9月22日オリックス対ロッテ(QVC) 3-8(負)
ルーキーの海田が先発(中継ぎへの定着は2015年以降な気がする)
しかし3回投げて3失点で降板、その後も中継ぎの失点が嵩み敗戦。
そこに希望はあるんか?(消費者金融)
ありました。
高卒二年目の三ツ俣大樹がプロ初ヒットを含む二安打。
これからの活躍を期待させました。
しかしまたショート……(今でこそ二塁・三塁もこなしますが当時は?)
これからオリックスのショートは誰で行くのか。
まだまだ定まっていない様子が采配から良く分かります。

9月12日から25日まで球団ワーストの12連敗
・その最中9月24日岡田監督・高代ヘッド休養、森脇監督代行体制へ
字に起こすと本当に酷い……
2021年オリックス優勝後に発売された「オリックスはなぜ優勝できたのか?」にはコーチに当たり散らかす岡田監督とそれにビビり散らかす選手間でコミュニケーション・試合に対する臨み方に齟齬が発生して、岡田監督の指揮に対する熱が冷めてしまっていたと記されていた。
それを知ると12連敗も今思えば納得です(当時の私たちは何を応援していたんだという気分にはなりますが)
一方で過去に監督と選手で溝があったからこそ、2023年阪神で監督を務めた岡田監督の柔和な対応に繋がっているのかな~とも思います(負けが込むと口調が鋭くなる気もしますが)
結局この球団ワースト記録は9月26日に止まりました。
止めたのは前年一軍登板が無かった26歳の前田祐二
正直まったく勝つと思ってなかったのでスコア速報を見て心底驚いたのは今でも新鮮に覚えています。

・10月8日リーグ最終戦のソフトバンク戦にて西勇輝がノーヒットノーランを達成
現地観戦はしていませんでしたが、球団ワーストの連敗記録、リーグ最下位、シーズン中の監督交代と散々だった2012年オリックスに最後の最後に希望の光が見えました。
高卒4年目の西勇輝にとってプロ初完封となるノーヒットノーランを達成。
2012年シーズンは怪我による離脱などありましたが8勝3敗と5つの貯金。
来シーズン以降の活躍を予感させる快投ぶりでした。
またノーヒットノーラン達成後に、西とともに二軍で怪我からのリハビリを共に歩んだキャッチャー伊藤光の涙も非常に印象的でした。
ちなみにこの試合はソフトバンク小久保裕紀の引退試合でもあり、引退試合でノーヒットノーランが達成される珍しいケースでした。


2012年シーズン成績振り返り

以上で私の現地観戦は終了です。
2012年の現地観戦成績は5勝2敗でした。
オリックスのリーグ戦成績は57勝77敗10分、借金20でした。
引分が10試合と多くなっていますが、東日本大震災後の節電のため試合時間が三時間半を超えた場合に新しい回には突入しない、俗に言う「三時間半ルール」があった影響です。
チームとしては借金20が示す通り、月間勝ち越しも7月の11勝10敗で貯金1を作るのが関の山で殆どの期間で万遍なく負けていました。

またチームの打撃投手成績に目を向けても、打率・出塁率・得点・盗塁・三振・防御率・被安打リーグ最下位でした。
打てなければ、守れてもいない。
そこに希望はあるんか?(消費者金融)
ちょっとありました。

野手で言えばドラ8ルーキーの川端が打率.266を記録。
新外国人の李大浩は本塁打24本(リーグ2位)91打点(リーグ1位)251塁打(リーグ1位)と長距離砲としての実力を見せつけました。
投手に目を向ければ、規定投球回達成は木佐貫だけと寂しい2012年でしたがそれも先発ローテを期待された金子・西の負傷離脱が響いたところだったので2選手の年間を通した成績に期待が残ります。
中継ぎでは8回平野9回岸田の形は安定していたので、あとは7回を任せられる中継ぎを探すことが急務でした。
色々良いところはあっても結局チーム成績はリーグ最下位が多いので補強ポイントはすべて、といった印象です。

ちなみに下の写真は2012年に達成された各種記録の記念Tシャツ。
先発投手陣はエース金子千尋や西勇輝などタイトルを期待させる投手がいましたが、いずれも怪我などの影響でタイトル獲得には至りませんでした。

よく見るとマエストリの記録日が一日ずれている

2012年シーズン個人的総括(スタンド雰囲気を含めて)

主力のケガなどで苦しいシーズンであったことは間違いありませんが、12連敗など負け方がかなりド派手な上に最下位であったことに納得してしまうのが弱いファンのメンタルかなと悲しくなります。
しかもシーズン終盤に来て12連敗ですからファン一年目の私に”負け癖”がつくには十分な一年でした(負けても何も思わなくなった)

試合展開といえば、ランナーを溜めてどのように4番李大浩を迎えられるかが鍵だったので野球初心者としては分かりやすく盛り上がれてその点は良かった(それ以外で盛り上がれないとも言う)(以後吉田正尚までこの野球をする)

現地観戦は順位も気にする必要が無かったので本当に「のほほん」と見てました。

先述の逆転劇の試合のため、盛り上がってはいますが今では信じられないほど空いています
オリックスの守備中はかなりの人が寝転んでいましたが、それでも十分スペースはあるほどでした。

応援団の方も人員不足が激しく、この日は試合開始時点で太鼓を叩く応援団の方一人しかいませんでした。リードしながら太鼓を叩きラッパなしで応援することになりさすがに驚きました。
弱いとスタンドを見ているだけでもその現状が分かるもんだな……と思ったのは未だに鮮明に覚えています。
12連敗、監督休養など暗い話題に事欠かない2012年オリックスでしたが翌年はド派手なトレードでプロ野球界を驚かせますがそれについては次の記事で。



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