#318 リモートワークのボトルネックは「上司」
「期待したほど部下が自分で動いてくれなくて…」と嘆く管理職の愚痴を聞きました。よくよく聞くと、そりゃぁあなたが原因では?と思ったので、メモ。
1、忙しすぎる上司はボトルネック。
暇すぎる上司というのも問題ではありますが、忙しすぎる上司とどっちが部下が困るか、といえば、断然後者でしょう。
なぜなら上司に用はなくても、上司の権限、承認に用があるからです。
オフィスでチーム全員が机を並べている場合、上司が全く席にいない、という場合を除けば、上司の承認を取るのにさほど大きな問題はありませんでした。
上司が今席にいるか、ちょっと話しかけても大丈夫そうか、機嫌はどうか、を伺い、タイミングを見て、「少しよろしいですか?」と声をかけ、ささっとサインなり承認なりをもらって仕事を進めることができたのです。
ところが、リモートワークではそれができません。
メールで依頼するにも背景情報とか経緯なんかを書き始めると意外と時間かかる。そもそもメール出しても返事がない…
それでは、とミーティングを設定しようと、上司のスケジューラーを見ると、朝から晩まで予定でびっちり…
そう、忙しすぎる上司は、部下にとってボトルネックになるのです。
2、仕事を任せたのに自分で仕事を進められない、のは上司のせい。
そんな状況で仕事を任されたら、どうなるでしょう?
上司:「この仕事は○○さんに任せた」
でも、その仕事を進めるためには上司の承認がいくつか必要です。また、他部門との交渉が必要な部分がありますが、自分が部門を代表して調整、決定してきていいのでしょうか?
結局、要所要所で上司に承認を貰う必要が出てきます。
ですが、メールしても返事はない、ミーティングしたくても空きがない…
やっと捕まえた、と思ったら、「ずいぶん時間かかってない?任せたって言ったよね?」
…そりゃないですよ…
3、仕事を任せるなら権限もセットで渡す。
仕事を任せるなら、それにまつわる権限も渡してあげないと、自走はできません。
面白いもので、忙しい状態が大好きな上司に限って、権限を委譲することに抵抗があります。
もっと言えば、本当の意味で任せることができないので、いつも忙しい、のです。
4、まとめ
いかがでしたでしょうか?
ここまでひどい上司はいないと思いますが、最近似たようなケースが身近でありました。
相談されたので、権限も渡すか、メンバーが相談しやすいように朝礼のような時間を毎日15分でいいので設定するか、と仕事をうまく回している部署の例を共有してみましたが、どちらも渋い反応でした。
また、別のケースでは、権限も渡しているが、いちいち相談にくる、というものもありましたが、メンバーに聞くと、確かに権限も与えてもらったが、勝手に進めると怒られるので、結局は、細かく報告を入れている、ということもありました。
こうした問題は、オフィスにいた時から、部下に気を使わせていた上司に多い気がします。つまり、声をかけるタイミングを部下に図らせていたような上司です。
相手が自分に合わせてくれているのに甘えていたので、リモートワークになっても、同じように相手が来るのを待っているがために起きている不幸、な気がします。
考えてみれば、リモートワークになる前から、ボトルネック、だったんですね。
最後までお読みいただきありがとうございました。
私の身近に限った話で恐縮ですが、どこか参考になるところがあれば嬉しいです。
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