今日も傘を忘れた。

どこかのある日のフィクション

今日も傘を忘れた。家に帰るのはめんどうだから、足を止めず、歩き続ける。空を見上げた。自信満々の青空は、どうやら今晩下り坂らしい。町行く人々は傘を持っている。白い服にシミができるように、傘を忘れた自分を際立たせる。なんで、傘を忘れたのだろう。そう、いつも身軽でいたいのだ。折り畳み傘をずっと持ってるくらいなら、使う日だけ忘れた方がいい。天気予報も見ない。明日の空なんて、どうなるかわからない。と、自分を正当化してみる。天気予報をチェックするのが面倒なだけなのだ。あぁ、今日も傘を忘れた。後悔は少しあるけど、こんな日もある。

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