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宇都宮ブレックス〜カルチャーの伝道師〜②

宇都宮市は餃子の街だ。宇都宮のハチ公前といえば餃子の像であり、栃木県民は誰もが知っている。ただ待ち合わせ場所に使う人が余りにも少ないのはここだけの話にしておこう。

そんな宇都宮に餃子が広まった理由は、戦時に満州で活動していた方々が宇都宮に戻った際に餃子の文化を持ってきたらしい。
いわゆる餃子の【伝道師】たちがおり、宇都宮の歴史を築いてきたわけだ。

そんな宇都宮で新たな【伝道師】が誕生し、歴史を刻もうとしている。それはプロバスケットボールチームの宇都宮ブレックスだ。
そんな宇都宮で新たな歴史を築くブレックスの新たな【伝道師】探しをここで考えたい。

前回、『宇都宮ブレックス〜カルチャーの伝道師〜』というnoteを記した(こちら)。様々な方に反応いただき、非常に嬉しい限りだった。

時間に余裕のある方はぜひ読んでいただけたら嬉しい。そこでは「BREX MENTALITY」の重要性を述べ、若い世代に継承していくことが大事だと伝えた。その継承者こそが【伝道師】というわけだ。

今回のnoteでは【伝道師】の候補をあげていく。まずおさらいのために、前回の要約をまとめたので読んでいない方は見ていただけたらと思う。

○前回の要約
宇都宮ブレックスにはBREX MENTALITYというチームカルチャーがある。これは在籍16年目になる田臥勇太が理想とするバスケであり、彼がブレックスに浸透させ育て上げたものである。彼なしで宇都宮ブレックスを語ることは出来ない。

その田臥からBREX MENTALITYを受け継いだのが渡邉裕規だ。彼は長年バイスキャプテンとしてチームを支えている。そう彼が2代目【伝道師】であり、比江島を始めとした後輩たちに、BREX MENTALITYというチームカルチャーを現在進行形で伝えている。

しかしながら、田臥→渡邉に次ぐ3代目【伝道師】が見つかっていないことが問題であると伝えた。正直、田臥・渡邉の現役生活は長くない。コート上でチームカルチャーを受け継いでくれる【伝道師】を早急に見つけなくてはならないのである。

(補足)
BREX MENTALITYとは?(前回のnoteを抜粋)
『泥臭さで表現されるBREX MENTALITYを噛み砕くと3つの言葉になる。
①『粘り強いDF』
②『献身的なリバウンド』
③『ルーズボールへの執着心』
いずれもブレックスの象徴的なプレーであり、これはファンも理解している。

実際に選手はこのBREX MENTALITYをコート上で示すことが求められ、体現できない場合プレイタイムが獲得できないのがブレックスの伝統。
あの比江島慎ですら、DFが理由で移籍当初は6thマン起用になる程だった。』

前回の要約は以上になる。より詳細を知りたい方はぜひ前回のnote(こちら)を読んでから、今回の話を聞いていただくことも念の為おすすめしておきたい。

○このnoteの主題

改めて今回は【伝道師】の候補者を挙げ、それぞれの選手について言及していく。

まず初めに、このnoteの結論を先に伝えてしまうと『完璧な伝道師は不在』ということだ。これは田臥・渡邉の存在が大きすぎる部分があるのだが、あくまで候補者という観点で見ていく。
もちろん、将来的には完璧な【伝道師】になり得る候補者たちだと考えている。

では早速、候補者を紹介していきたい。
○【伝道師】候補者の3名
①比江島慎

日本のエースである彼は、コート上でBREX MENTALITYを体現してくれる存在になり得ると考えている。
比江島ステップを代表とするオフェンスマシンとして有名だった彼は、ブレックスへ移籍したことでDF技術を身につけ、まさしく選手としての幅が広がった。

さらに彼はブレックスでもエースであるにも関わらず、DF・リバウンド・ルーズボールへの献身性をすでに併せ持つ。
これは彼の性格なのかもしれないが、小中高大と全国優勝を目指してもなお、高みを目指し続ける姿勢はBREX MENTALITYが目指す【泥臭さ】そのものかもしれない。

そんな彼だが、寂しいがパリ五輪で日本代表から離れる可能性が大きい。プレイヤーとしての一つの節目と言えるだろう。
五輪後は彼にとって、バスケをする理由探しをする時間が訪れると想像できる。現在OF・DFともにハイレベルに達し、エースでしてBリーグ優勝も成し遂げた。
完全体に見える彼だが、今後最も成長のできるポテンシャルのある領域があるとすれば、メンタルやリーダーシップの部分だろうと考えている。

現在の彼はシャイな性格であり、チームを引っ張るという柄ではないだろう。しかし2年前のCS決勝のように、スイッチが入ったら止まらないのだ。自分でもこのやる気スイッチの場所が分かっていないのが彼らしいが、その姿を見てしまうと【伝道師】に押さざるを得ない。

BREX MENTALITYというカルチャーの【伝道師】としてチームを引っ張る新たな経験をすることで、さらに人としての魅力が増し、日本に歴史を残すプレイヤーになる可能性を残す。それこそ田臥勇太のようにだ。

このように彼のキャリアと更なるポテンシャルをを考えても【伝道師】の後任を担うだけの理由になり得る。またブレックス側から見ても、彼を残留させるための大きな価値付けになると感じる。まさしくWIN-WINの関係だろう。

②高島紳司
若干22歳、大卒ルーキーの彼。ブレックスにおいてルーキーイヤーでローテ入りするのは稀だ。恐らくテーブス海と彼くらいだろう。

現HCの佐々宣央が直接リクルートするほど惚れ込んだDFは、ルーキーとは思えない存在感をコート上で放っている。まさしくDF+献身性と言ったBREX MENTALITYを体現する選手だ。

立ち位置的にも遠藤祐亮の後継者として完全にハマり、今後10年ブレックスにいて欲しい選手だ。世代交代という意味でも思い切って任せてみることも考えていい。若手の奮起は組織の活性化に繋がる。

また彼が今後のキャリアアップを考える時に、日本代表というステージがあるだろう。彼が代表入りする可能性が1番高いのは、完璧な3&Dになることである。
すなわち40%程度の3P確率を持ち、さらに相手のエースキラーとしてDFに勤しむ。この形を作り上げるための近道は、BREX MENTALITYの【伝道師】になり、コート上でそれを示すことだと言える。

③DJニュービル
昔ライアン・ロシター(現A東京)という選手がブレックスに在籍していた。チームの大黒柱に関わらず献身性に溢れ、苦しい時にチームを支えたのは彼だった。田臥勇太から直接電話で移籍交渉を受け日本に来た縁もあり、田臥の意志をよく理解していた。

そのようにあえて外国籍から選手を探すとすれば、DJニュービル一択だと考えている。

ブレックス移籍1年目の彼は、ハンドラーとスコアラーを兼ねておりすでにチームの中心だ。また試合中は積極的にハドルを組む姿勢やタイムアウト中にもチームを鼓舞する姿が見られる。
正直、もっとセルフィッシュな選手だと感じていたので、嬉しすぎる誤算だ。

そんな彼に跡を継いでもらう。BリーグにおいてニュービルのようなPGが出来る外国籍は貴重だ。今後彼が日本に残りたいのであれば、大歓迎である。

○まとめ
3名の候補者をあげた。どの選手も【伝道師】になれる可能性があると考えている。
ブレックスのカルチャーであるBREX MENTALITYを若い世代に継承しなくては、ブレックスの強みが失われかねない。その強みを失うということは、強豪ではなくなることに直結するだろう。

現在ブレックスは分岐点を迎えている。
すなわち、この先強豪でい続けるのか。または一つの地方チームになってしまうのか。
ブレックスの未来を担う選手たちに期待するとともに、この先チームがどんな姿になろうと応援しよういう気持ちは変わらずいようと思う。

今週末はアルバルク東京との天王山が控える。
2連勝で優勝を射程に捉え、2連敗で首位陥落という今シーズン最も大切な試合になる。
最近ちぐはぐな試合が続くブレックスだが、今週末BREX MENTALITYの真価を期待する。


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