秋葉純次郎

海外で諸外国の方たちと国際契約のプロジェクトに多数関わりました。施工管理、工程管理、原…

秋葉純次郎

海外で諸外国の方たちと国際契約のプロジェクトに多数関わりました。施工管理、工程管理、原価管理、安全・環境・品質、契約管理、契約交渉、国際入札図書作成などのプロジェクトマネージメントと組織運営が専門の技術士(建設部門)です。

記事一覧

組織運営(Project Management)

日本企業がUSスチールを買収する計画が進んでいるようです。USスチールはアメリカの基幹産業を代表する会社なので、アメリカ人が所有しアメリカ人が操業する「完全なアメリ…

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いまの日本社会の情景(Japanese Society Now)

2010年に日本のGDPが中国に抜かれて3位となったころ、産業界には「六重苦」があるからだといわれていました。2023年にはドイツに抜かれて世界4位となり、2025年にはインド…

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日本社会の背景(Background of Japanese Society)

 いまの日本をよりよく知るために、日本がどのような道を歩んできたのか振り返ることは無駄ではありません。 3世紀の「魏志倭人伝」に倭国王(親魏倭王)卑弥呼の邪馬台国…

秋葉純次郎
2週間前
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環境のインフラ整備(Environmental Infrastructures)

最近の大きな環境問題といえば地球の温暖化です。気温上昇を産業革命前から1.5℃に抑えるという目標を達成するために、世界中で化石燃料の使用を減らすことが掲げられてい…

秋葉純次郎
2週間前
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河川のインフラ整備(Improvement of Water Flow)

2024年4月21日に熊本県五木村が、川辺川にダムの建設計画の受け入れを正式に表明したことが報道されました。 1965年の球磨川大水害時に既存のダムが役に立たなかったことを…

秋葉純次郎
3週間前
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地球温暖化(Global Warming)

地球温暖化の影響でしょうか、今年は暖冬だったといわれました。しかし、3月半ばになると急に寒い日が続き、桜の開花予想は1週間程ずれました。4月には夏日や30℃を超える…

秋葉純次郎
3週間前
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ソフトのインフラ(Soft Infrastructure)

札幌市が2030年の冬季オリンピックの開催地に立候補するのを取りやめました。市民の賛同が得られなかったのは、2020東京オリンピックで当初予算の5倍かかった費用と実行委…

秋葉純次郎
4週間前
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ハードのインフラ(Hard Infrastructure)

 阪神淡路大震災から29年が過ぎ、東日本大震災から13年が経ちました。2024年元旦の能登半島地震では6万戸以上の家屋が崩壊しました。地震発生から4か月が過ぎて避難所の仕…

秋葉純次郎
1か月前
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プロジェクトの計画(Planning)

2025大阪・関西万博の準備状況はあまり芳しくないようです。外国パビリオンの準備が順調に進んでいないといわれています。2020東京オリンピック組織委員会の運営もあまり誇…

秋葉純次郎
1か月前
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次期戦闘機プロジェクト(Next Generation Fighter Project)

 イギリスとイタリアと日本の3国で次期戦闘機を共同開発することが発表されました。開発計画を管理運営する政府間の機関としてGIGO(GCAP, Global Combat Air Programme, …

秋葉純次郎
1か月前

国産旅客機プロジェクト(Domestic Aircraft)

 国産旅客機の開発に再挑戦することが報道されました。国産旅客機というと、双発ターボプロップエンジンの旅客機YS-11と、開発が中止された双発ジェットのMRJを思い出しま…

秋葉純次郎
1か月前

道路インフラの整備(Development of Road and Highways)

 鉄道が人や物のほかに情報や文化を運んだように、道路も生活を支えてきました。高速道路は物流を支え、国道は都市と都市を結んで、街道筋は地域を走っています。道路は生…

秋葉純次郎
2か月前

鉄道インフラの整備(Development of Railways)

 2024年3月16日に北陸新幹線が金沢から福井・敦賀まで延伸されて開業しました。これまでに新幹線が建設された地方は、新幹線の開業を歓迎してきました。新幹線が通った地…

秋葉純次郎
2か月前
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労働生産性の改善(Improvement of Japanese Labour Productivity)

過去30数年にわたって日本が成長しなかった理由の一つとして、低い労働生産性が改善できなかったことがあります。経済成長のためには労働生産性を改善し生産性をあげて、産…

秋葉純次郎
2か月前

労働生産性を支える技術(Technology supporting Labour Productivity)

日本は戦後の廃虚の中から驚異的な高度成長を遂げ、先進諸国に追いついて並ぶまでになりました。成長の原動力は重厚長大や軽薄短小の「モノつくり」産業にみんなで一緒に携…

秋葉純次郎
2か月前
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日本の労働生産性(Labour Productivity in Japan)

2024年2月15日、内閣府は2023年の日本のGDP(国内総生産)は、ドイツに抜かれて4位に転落したことを発表しました。昨年11月の時点で国際通貨基金(IMF)は日本が4位になる…

秋葉純次郎
2か月前
組織運営(Project Management)

組織運営(Project Management)

日本企業がUSスチールを買収する計画が進んでいるようです。USスチールはアメリカの基幹産業を代表する会社なので、アメリカ人が所有しアメリカ人が操業する「完全なアメリカ企業」であるべきだという論調があるようです。今後の成り行きを見守るしかありませんが、USスチールというアメリカの象徴的な企業の買収は行われることになるのでしょうか。
政策的な問題は別として、技術的な課題は日本の企業がアメリカ(外国)の

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いまの日本社会の情景(Japanese Society Now)

いまの日本社会の情景(Japanese Society Now)

2010年に日本のGDPが中国に抜かれて3位となったころ、産業界には「六重苦」があるからだといわれていました。2023年にはドイツに抜かれて世界4位となり、2025年にはインドに抜かれて5位になることが確実です。
GDPが伸び悩んでいる理由として、いまは「新・六重苦」があります。
1 円安、
2 地方の衰退、
3 少子高齢化
4 人手不足、

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日本社会の背景(Background of Japanese Society)

日本社会の背景(Background of Japanese Society)

 いまの日本をよりよく知るために、日本がどのような道を歩んできたのか振り返ることは無駄ではありません。
3世紀の「魏志倭人伝」に倭国王(親魏倭王)卑弥呼の邪馬台国が記されています。ただ、記述の解釈違いによる邪馬台国に関する論争は未だに解決していません。
4世紀の初めころの古墳時代(大和時代)に畿内は統一されたようです。応神天皇から仁徳天皇の時代にヤマト王権が確実になったと考えられているのです。しか

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環境のインフラ整備(Environmental Infrastructures)

環境のインフラ整備(Environmental Infrastructures)

最近の大きな環境問題といえば地球の温暖化です。気温上昇を産業革命前から1.5℃に抑えるという目標を達成するために、世界中で化石燃料の使用を減らすことが掲げられています。日本は2050年にカーボンニュートラルを達成するためのロードマップを世界への約束として公表しています。
2050年にカーボンニュートラルを達成するという公約を守るためには、石炭火力発電所の削減と自動車の電気自動車への転換を主要とする

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河川のインフラ整備(Improvement of Water Flow)

河川のインフラ整備(Improvement of Water Flow)

2024年4月21日に熊本県五木村が、川辺川にダムの建設計画の受け入れを正式に表明したことが報道されました。
1965年の球磨川大水害時に既存のダムが役に立たなかったことを受けて、1966年に事業を開始した球磨川水系の川辺川ダム計画には多くの反対がありました。2020年の豪雨では球磨川流域で多くの河川氾濫が起きましたが、ダムによらない治水方法を探る動きに変わりはなかったのです。
ダムによらない治水

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地球温暖化(Global Warming)

地球温暖化(Global Warming)

地球温暖化の影響でしょうか、今年は暖冬だったといわれました。しかし、3月半ばになると急に寒い日が続き、桜の開花予想は1週間程ずれました。4月には夏日や30℃を超える真夏日がありましたが、5月になって北海道では雪が降りました。
昔から夏は暑いものですが、私たちが子供の頃は34℃と聞くと本当に暑かったものです。夏休みは午前中の早い時間に夏休みの宿題をして、その後蝉を取りに行ったり川で泳いだりして遊んだ

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ソフトのインフラ(Soft Infrastructure)

ソフトのインフラ(Soft Infrastructure)

札幌市が2030年の冬季オリンピックの開催地に立候補するのを取りやめました。市民の賛同が得られなかったのは、2020東京オリンピックで当初予算の5倍かかった費用と実行委員会の不祥事が影響したといえます。
 2025年の大阪・関西万博の準備は、順調に進んでいないと報道されています。施工の遅れに加えて予算が1.8倍に増えたことや、約2,800万人の入場者予想に対して、アンケート調査で7割の方が「興味な

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ハードのインフラ(Hard Infrastructure)

ハードのインフラ(Hard Infrastructure)

 阪神淡路大震災から29年が過ぎ、東日本大震災から13年が経ちました。2024年元旦の能登半島地震では6万戸以上の家屋が崩壊しました。地震発生から4か月が過ぎて避難所の仕切りのない雑魚寝は解消されたようですが、被災者のみなさんの不自由な生活は続いています。火災で壊滅的な打撃を受けた輪島の朝市地区や倒壊家屋の片づけは進んでいません。土砂崩れによる道路や鉄道の復旧、液状化地域の改修には時間がかかるとい

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プロジェクトの計画(Planning)

プロジェクトの計画(Planning)

2025大阪・関西万博の準備状況はあまり芳しくないようです。外国パビリオンの準備が順調に進んでいないといわれています。2020東京オリンピック組織委員会の運営もあまり誇れるようなものではありませんでした。リニア中央新幹線の開業は2027年から2037年以降への延期が発表されました。プロジェクトの工程や費用問題が表面化するのは、行程が伸びるとか予算が膨らむと言った情報が流れた時です。一般には「またか

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次期戦闘機プロジェクト(Next Generation Fighter Project)

次期戦闘機プロジェクト(Next Generation Fighter Project)

 イギリスとイタリアと日本の3国で次期戦闘機を共同開発することが発表されました。開発計画を管理運営する政府間の機関としてGIGO(GCAP, Global Combat Air Programme, International Government Organisation)の設立が合意されたのです。
国際機関であるGIGOの本部はイギリスに置いて、組織は運営委員会と実施機関で構成されています。運

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国産旅客機プロジェクト(Domestic Aircraft)

国産旅客機プロジェクト(Domestic Aircraft)

 国産旅客機の開発に再挑戦することが報道されました。国産旅客機というと、双発ターボプロップエンジンの旅客機YS-11と、開発が中止された双発ジェットのMRJを思い出します。
YS-11は1959年に政府と民間が出資し設立した特殊法人日本航空機製造の製造で、1962年に初飛行し1973年までに182機製造されました。運用は1965年に始まり、国内はもとより世界中で活躍しました。2006年に国内の定期

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道路インフラの整備(Development of Road and Highways)

道路インフラの整備(Development of Road and Highways)

 鉄道が人や物のほかに情報や文化を運んだように、道路も生活を支えてきました。高速道路は物流を支え、国道は都市と都市を結んで、街道筋は地域を走っています。道路は生活に欠かせないインフラですから、道路の整備は私たちの安心と安全に応える必要があります。
一般の道路で改良が完了した道路の延長は約6割で、改良が必要な道路が4割あります。今後も整備が必要な一般道は少なくないのです。たとえば、通学路の安全確保や

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鉄道インフラの整備(Development of Railways)

鉄道インフラの整備(Development of Railways)

 2024年3月16日に北陸新幹線が金沢から福井・敦賀まで延伸されて開業しました。これまでに新幹線が建設された地方は、新幹線の開業を歓迎してきました。新幹線が通った地方では、地元に伝わる伝統文化を多くの人に知ってもらういい機会として、地元の方たちは大変な努力をされています。確かに、新幹線は地方を元気にしてきましたが、時がたつと地方の衰退化に拍車をかけてきたように思われます。
新幹線を利用して地方を

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労働生産性の改善(Improvement of Japanese Labour Productivity)

労働生産性の改善(Improvement of Japanese Labour Productivity)

過去30数年にわたって日本が成長しなかった理由の一つとして、低い労働生産性が改善できなかったことがあります。経済成長のためには労働生産性を改善し生産性をあげて、産業の供給力の強化が必要です。持続的な成長経済を確実にするためには、たゆまない労働生産性の改善が欠かせないのです。
日本経済の課題点と改善策について、いろいろな議論が長らく交わされています。議論の中心は新技術開発し最先端技術を実用化して導入

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労働生産性を支える技術(Technology supporting Labour Productivity)

労働生産性を支える技術(Technology supporting Labour Productivity)

日本は戦後の廃虚の中から驚異的な高度成長を遂げ、先進諸国に追いついて並ぶまでになりました。成長の原動力は重厚長大や軽薄短小の「モノつくり」産業にみんなで一緒に携わってきたからです。
「モノつくり」のモノは形のあるものばかりではありません。モノに形があろうがなかろうが、個人で作ろうが団体で作ろうが、製品を製作したり、作品を制作したり、創作したりする仕事は何かモノを作りますからすべて「モノつくり」とい

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日本の労働生産性(Labour Productivity in Japan)

日本の労働生産性(Labour Productivity in Japan)

2024年2月15日、内閣府は2023年の日本のGDP(国内総生産)は、ドイツに抜かれて4位に転落したことを発表しました。昨年11月の時点で国際通貨基金(IMF)は日本が4位になるだろうことを予測していました。IMFの2023年12月の発表では、日本のGDPは44,100億ドルでドイツは43,090億ドルでした。両国の差は10億ドルで、かろうじて日本は世界3位の座を守っていました。GDPはドル表記

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