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[一語一会 #32] フォッサマグナ

日本はどんどん曲がっているらしいと,聞いたことがある.
その節目がフォッサマグナだ.

フォッサマグナは,糸魚川-静岡構造線(巨大な断層みたいなもの)を西端とする,大きな溝らしい.ただし,新しい地質の土がその上に積もって,山もできたりしているので,一見すると溝のようには見えない.
マグマが出てくるところにもなるから,山もできるし,岩石ひいては土も生まれてくるということだ.ちなみに富士山もその上にある山の一つだという.

地球の表面はプレートでできている.プレートテクトニクスという言葉を聞いたことがある人もそれなりにいるのではないだろうか.

プレートには海洋プレートと大陸プレートがあり,ぶつかると様々なものができる.基本的には,大陸プレートが海洋プレートより上側にあるということは前提で,大陸プレート同士がぶつかると,その衝突面で隆起するし,大陸プレートと海洋プレートがぶつかると,海洋プレートが大陸プレートの下に沈み込んで,海溝ができる.

陸と陸の代表例がヒマラヤ山脈(インドプレートとユーラシアプレート),陸と海の代表例は多くあるが,日本海溝やマリアナ海溝があげられるだろう.

さて,日本列島は4つのプレート,北アメリカプレートとユーラシアプレートの二つの大陸プレートおよび,フィリピン海プレートと太平洋プレートの二つの海洋プレートから成っている.
海洋プレートが大陸プレートの下に沈み込むので,北アメリカプレートやユーラシアプレートの下に,フィリピン海プレートや太平洋プレートが沈み込んで,それぞれ南海トラフや日本海溝,千島海溝を形成している.

また,おおむね北アメリカプレートとユーラシアプレートの境目がフォッサマグナに相当している.つまり,その各プレートの動き・力によって,日本列島はだんだんもっと曲がるように動いているというのだ.

地震や火山が日本にとって不可避であるのは,火を見るよりも明らか,というわけだ.来ることはわかっているからこそ,現在という貴重な時間とリソースの一部を割いてでも,事前に備えを進めておくことが,少しでも苦しむ人を減らすことにつながるし,長期的にウェルビーイングにつながっていくはずだと個人的には思っているところなのだ.

少し脇道にそれると,特に地域において高齢化が進んでいく中で,やはりコミュニティとしての事前の備えというものが求められているところだと思う.しかも,コミュニティに参加して,役割を持つということは,災害等に対する備えとなるだけでない.人間としての根本の欲求を満たしてくれる可能性がある点で,そのコミュニティ総体としてのウェルビーイングの増進にもつながると思う.

一応戻ると,フォッサマグナはかなり大きな構造であるので,わかりやすいが,そうでなくても日本中にこういったことを考えるきっかけとなる材料はあるのだと思う.その土地その土地にあった対策もあるだろうし,そのようなきっかけをつかみながら,コミュニティレベルで備えを進めて見れれば面白いのではないか,と思っている(もしかしたら,すでにこの視点での取り組みもあるかもしれないが…).

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