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ネタバレ注意 seed映画感想

妻が「ガンダムSEEDの映画観に行こう!」と希望したので、劇場版ガンダムSEEDフリーダムを観ました。その素直な感想を勢いのまま残します。ネタバレしかないので読まないでください。


観るかどうか迷ってる方へ一言で伝えると「超豪華な同窓会」でした。とりあえずSEED放送当時に見ていた世代や、ゲーセンで連ザをやっていた人は見てほしい。まず昂る瞬間があると思う。満足感は高かったです。色々な意味で

SEEDでファウンデーションと言えばソウルファウンデーションという名作同人作品があるので、スタッフには絶対信者が居ると思ってます(断言)


前評判と、下がるハードル

私はSEED〜デスティニーを視聴し、妻とHDリマスター版も観た。外伝も少し齧って、プラモを作って塗装した。



だがSEEDシリーズが好きかと問われたら「そんなには…」と答える程度の熱量だ。ストライクのデザインは嫌いじゃない(面倒なオタク仕草)

去年くらいに妻から「ガンダム見たことないんだけど面白いの?」という質問を受け、補足解説しながらAmazonプライムでガンダムシリーズをいくつか見た。一番ウケが良かったのは水星の魔女で、次点でSEED。羽根と金ピカな塗装が好みらしく、機体はストライクフリーダム、キャラだとアスランが好きな様子。

メカオタク寄りの私は量産機が好きで、SEEDでいえばストライクダガーが安心する。連ザゲーセン世代なので生ストライクにも愛着がある。シールドで殴る横格キャンセルビームが俺の青春だった。キャラだとシン、モラシム隊長は結構好き。最終盤クルーゼの楽しそう感も好き。

すっかり映画を楽しみにする妻に対して、まぁSEEDなんでしょう…?と期待していない自分。

発表されたキャラクターデザインはなんか唇が厚くて頭が大きいように見えるし、新機体もなんだかワクワクしない。明らかに後続機が控えてそうだが、まぁスーパーコーディネーターのキラさんが全部やっつけてくれるんでしょう…?という感覚。

設定上スペックを抑え気味な可変機、合体や追加武装があるんじゃないか等とオタクの友人と少し話が出たが「まぁどうなんでしょうねぇ…」と皆熱量は低めだった。

どうせ俺のダークダガーL(バズーカ装備)は出ないんでしょう…?そんな気持ちで映画館の席に座る。


脳内リアクション抜粋

ほぉ〜アニメみたいなテンポでいいんじゃない?開幕テーマソングと新機体お披露目。こりゃ後続機登場濃厚ですわな。変形滑らかだしまぁ思ったよりうご…あっウィンダムじゃんウィンダムだよウィンダム!!ジンめちゃ動あっっザウート?!?!えっ同窓会やんけこんなんダガーさん!!そりゃ居るわ105ダガー先輩いなきゃ始まらないっすもぉっ?!ディン居た?!あ〜自信ないけどジンじゃないやつ飛んでたなふふふ懐かしいなぁそのミサイル装備ぅぇ〜ーウィンダムこんなに動いていいんすかぁ?!ほっほっほ中略

あぁ〜人間パート…なんか口の動き不自然じゃない?動くと違和感が緩和されるかな…なんか…このラブコメパートもうちょい削ればさ…ザウートさんもうちょい動かしてくれてよかったんじゃないかな…?いや分かるよ?話の中心はあくまで人間だって…もうちょい削ってさ…その時間でゾノとかさ…グーンとかさ…モラシム隊長とかさ…みんなウンチオモラシムとかプレイヤーネームつけて遊んだ思い出がさ…シンくん、キラさんをすっかり受け入れて懐いとるやん。素直ボーイすぎる。あぁーーーーーーーーーなんかオーバードブーストみたいなので2機まとめて運ぶじゃん!!!そういうのアップで撮ってよ途中で切り離すやつでしょホラーーーーーーーーーそういうのそういうの良いじゃん良いじゃん中略

ちゃんと敵の強さに説得力持たせようとしてるのは良いっすね。見た目弱そうだったけどスペック強いのね。キラくんもボロボロね。俺達のアークエンジェルも沈んでしまいますよと。そのトゲトゲ何??どういう発想でその武器積む??そろそろ来るかねヘルプ枠がぁーーーーーーーーーシャアズゴック???ゼーゴック???えっっまさかゾノとか言ってたけど何???モラシム隊長いやっっ死んでるからモラシムゾンビっ?!うわぁーーー?!?!

モラシムゾンビ…じゃない?!


めっちゃキレてるアスランザラ!!!!面白すぎるだろお前おい!!なんで善戦してんだよコラ!!!!ゾックなら勝ってたくらいのオーラあるぞお前は本当にもう!!キラの仲間サイドに居ると異常に強い男!!なんなの?!?!中略


バイキングで食いまくるシンくん…解釈通りすぎる…お偉いさんに頭下げるのが遅れるシンくん…イメージ通りすぎる…キャラ立っててええなぁ…ラクスさん、そのスカートの裾上げる挨拶、太もも見せながらやるのジワジワくるな…もう国の代表みたいなポジションなのに太もも出しながら上品な挨拶してるの面白いな…。キラくんの驕りと悩みを表層化させつつ殴り合うアスランザラ。イキイキしとるな。シンくんめっちゃキラくんに懐いとるやん小犬か?アスランには噛み付くのにあっ親友を殴りながら噛みついてくる元部下クソガキも殴るアスランザラ!!つえっ中略

いや〜豪華すぎる同窓会やんけ。イザークママしっかり出すやん。えっちだね。生存キャラ大体全部出す気でいるな?ラクスさんなんか身体にボリューム出たな…ミーア…出れないよな……どっかで入れ替わっててくれないかな…キラキラした羽は新機体の一部かな…

あー〜デスティニーやん!あっっ結構強引に行くんすね??もうお前らが見たいもんコレだろを特盛にする気だ?あっっBGM!!!出撃インパルス!!!これはいかんぞ!!!身体がゲーセン時代みたいに身構えてる!!!機体選ぶ時の音だもんこれうわぁーーーーデスティニーがちゃんと動いとる!!!そう!!!設定上こういう強さがあるんだから見せ場を作るべきだった!!!感じるぞ解放をうわぁーーーーーなんでもありダァーーーーー!!ケツ!!ミーアじゃないのぁ?!小技も光っアカツキの設定も拾いつつ名シーンオマージュ愛?!遺伝子問題を愛でゴリ押しすんのうわぁーーーすげぇーーーー!!!



抜粋でしたが、こんな感じで脳内で騒ぎながら見れました。楽しそう感が伝われば幸いです。


まとめ① 同窓会と説得力のバランス


冒頭で述べたように、この映画のベースは豪華な同窓会だと感じた。原作ファンに向けて、これが見たかったんでしょ?を特盛にした感じ。

例えばミラージュコロイドを用いた作戦の時にわざわざ「ニコルの戦術と一緒だ」の旨を口に出したり。ミラージュコロイドがある程度知られた世界でわざわざ「ニコルの」と発言しているのは不自然に感じるが、あのキャラのことも勿論忘れていませんよ〜と我々に向けたメッセージのような印象だった。体裁を守りつつ主人公サイドを逃す為に芝居を打った艦長の「大人の戦い」もそのまま再現されていた。バジルール作戦とかね。あ〜やってた!とアハ体験させられるとは

イザークとディアッカがデュエルとバスターで出撃するのは、みんな見たかったけど流石に無茶だと感じるだろう。それを分かった上で「こんな古い機体を…」「俺は良いけどね」と発言させる。制作サイドも、こんな旧式を出すのはおかしいって分かってますよ〜でも愛着ありますよね〜と主張しつつ、なんとミーティアとくっつける。ほら、みなさんご存知の超兵器ですよこれで戦えますよね?!と強引ながら整合性を持たせようとするパワー

本編終盤では「もうパイロット性能も機体も最強だったら負けないじゃん…」という状況になってしまっていたが、劇場版でそれはまずい。敵もスペック高いですよ〜アークエンジェル沈みますよ〜と前半で頑張ってパワーを見せつつ、主人公サイドは型落ちの旧機体で戦わせる。ほら!頑張らなきゃ勝てませんよ!とパワーバランスを整えつつ人気の旧機体を登場させる。見た目ほぼ一緒ですけど内装はちゃんとアップデートしていますという設定。すごいパワープレイだ。

じゃあ主人公サイドは新機体無しか〜?と思わせて、追加武装で強化ときたもんだ。やられました。オタクは型落ちの旧機体に新しい追加武装を載せて無理する感じが好きなんだ(断言


まとめ② SEEDに足りなかった「重さ」と「戦闘」


SEED本編のメカは悪い意味で「軽くて薄い」という印象だった。動きも音も。

劇場版冒頭ではそれを払拭するような、動きの重さを感じさせる地上戦から始まる。弾を撃った反動、揺れ、機体の重さ、動きの溜め、着弾のめり込み等、それらを描写するぞという意思を感じた。

もう一つ私の好きな要素、戦闘中の「小技」の数々。クロスボーンガンダム等の作者長谷川先生が得意なジャンル(だと勝手に認定している)で、所謂アニメ的な必殺技ドカーンではなく、状況に応じたテクニカルな工夫。

(例えばゲーム版フルクロスのクソ強技で有名になった「この瞬間を待っていたんだ!」は、原作だと腕を切り落とされて大剣振れないもうダメだ〜と思わせて、射出したワイヤーで落とした大剣をキャッチして身体を捻って相手を斬りつけるという名シーンからきている。カッコ良すぎてオタクが唸る)

SEED映画でも随所に見られた。例えば防戦中のストフリが背面にファンネルバリアを出しながら飛んで被弾を減らしたり、ムゥさんが近接格闘に対して僅かに下がりながらバルカンを撃って抵抗したり。アカツキが出たと思ったらちゃんと仕事して、やっぱり不可能を可能にするんだろうなと思ったらビーム反射機能を使ってコロニーレーザー(違う)を反射するというウルトラ大活躍。しれっと凄いことしてる。短い時間だったが、ちゃんとアカツキの設定を拾いつつ見せ場を作る力強さ。

ちゃんと描こうとしてますよ!感が嬉しかった。


まとめ③ あの時できなかったデスティニー


ちょっと泣きそうになったのは、シンくん&デスティニーの活躍っぷり。デスティニーガンダムはスペック上最強格でパイロットも強かったはずなのに、本編では発揮する場面がなかった。その鬱憤を晴らすかのような演出の数々。


相手の設定も絶妙だ。高性能な装甲で射撃武器の通りが悪い。しかも心を読んでくる。古今東西、心を読んでくる敵への対策には伝統がある。何も考えないか、複数の人間が関わって読む対象をズラすか。(ルパン、ジョジョ、遊戯王とメジャー作品でも使われている手法)

じゃあ誰が適任か?そりゃシンくんのデスティニーですわ。「こいつ…何も考えてない?!」が一番似合いつつ、接近戦が強いデスティニー。完璧だ。(アスランがテクニカルな枠を担うと思わなかった。登場から機体までテクニカルすぎるわ)

シンくんの戦闘は若干ギャグっぽく描かれていたが、ステラの喪失は当然引きずるレベルだしデスティニーの光の翼で残像を見せる程の高速移動ができるのは元々設定であった。じゃあ本物の分身くらいできますわ。この力強さである。家族も好きな女の子も死んで、やっと自分を認めてくれたと思ったお偉いさんは超悪いやつだった。生半可なショックじゃない。それでも子犬🐶みたいに真っ直ぐ生きてるシンくんにちょっと泣きそうになった。こいつやっぱり良い奴だよ。

終盤にインパルスガンダムスペックⅡが出る時に「全てのシルエットを射出」と発言があった時は、お手製デスティニーインパルスをやる気か?!と身構えた。しかし本気シンくんがいる場面では不要だった。


まとめ④ SEEDってなんなのか&愛


SEED本編のメインテーマは何か?と考えると、軸にあるのは「遺伝子組み換えと選民問題」ではなかろうか。骨太なSFがメインテーマにあるはずが、アニメーションやシナリオの繋ぎが悪いせいで濃いオタク達からの評価が低かった印象が強い。

(ちなみに、デスティニープラン実行後の世界がどうなるかを描いたゲームがある。オプーナだ。マジで。)

本編では「苦労しながらも、こう、みんなで上手く頑張っていこうね〜」とぼんやり終わった印象が強い。結局、遺伝子組み換えで生まれる優秀な人類の方が幸福度高いんじゃないの?現状のナチュラルはどんどん立場弱くなるんじゃないの?と問題の根幹は何も解決していない。平和や協力を訴える側がみんな超優秀な遺伝子組み換え人間なんだもの。皮肉が効いてる。俺たちゴミクズ遺伝子はそんな高尚なお考えにも至れませんわ。誰が竿役のナチュラルだ(言ってない)

劇場版でもその問題を投げかけられる。豪華な同窓会をしつつ、SEEDの舞台でこのテーマを避けるわけにはいかない。どうするか、愛!!!


愛?!今更?!?!と敵役のように動揺する私をよそに話がすごいペースで進み勢いでゴリ押された。キラもアスランも互いに大好きすぎだろ、というのは本編からあったが、ラスクカガリのオマケ感というか、君ら本当に愛し合っとるんか?みたいな感覚はあった。こいつらは愛し合ってます!!を急に描いてきた。

でもやっぱり何も解決してなくない?と感じるのは自分が捻くれているのかもしれないが、何事も「結論が出て解決するまでやらなければ終われない」わけではない。特にガンダム作品はそういうの多い気がする。まだまだ問題は残るけどワイらで少しずつ理解し合えれば良いね、みたいなやつ。

じゃあやっぱり愛されていない俺たちホームレスナチュラルはもう死ねってコト?!と心の中の中年ハチワレは抵抗するが、もうあの世界には届かないのである。なんか愛し合って頑張れ、と。

俺のダークダガーを出してくれ。戦争が終わっても毎日倉庫で整備してきた……全部ぶっ壊してやりましょうクルーゼ隊長っ!それが一番フェアだ!!うぉぉーーー〜バァーーン絶命!!!




勢いのまま書いているので内容はボロボロだが、このライブ感を残すことに意味があると思いたい。自分で読み返した時に、今日の感想を思い出せるように。

ネタバレトークしたくてうずうずしてる人はご連絡ください。私はしばらく「ラスクが押し倒されたシーンで、あれがミーアに入れ替わってたら俺泣いてたと思う」とミーアの話をすると思います。対戦よろしくお願いします。



結論:ソウルファウンデーションの新作待ってます!!!!!




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