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エッセイ?

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エッセイがなんなのかよく分かっていない
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エッセイ 故郷は天井

エッセイ 故郷は天井

思いがけず寝てしまった時、微睡んでいる時、ふと自分が居る場所を認識し直す一瞬がある。家で横になっている時、それは起こった。

夜の予定を考えながら自室で横になり、気が付いたら寝てしまっていた。時間にして5分くらいだが、目を覚ました瞬間に違和感を覚える。ここは何処だ?と。そんな経験は皆さんにもあるだろう。

知らない部屋
ベッドに横になったまま、天井を眺める。自分から見て左側に窓があって、足元を見る

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エッセイ 耳かきは成果物横領

エッセイ 耳かきは成果物横領

誰かに耳かきをしてもらう行為。

世間では、異性にやられたら嬉しい行為として浸透している気がする。私も数回だけ言われたことがある。「耳かきしてあげようか?」と。気持ちはありがたいけど本当にやめてほしい、膝枕だけ別売りにして欲しいと熱弁した。そんな人間の嘆きです。

①楽しみを奪われる私は幼少期から、病院に通う回数が多かった。乳歯が丈夫すぎて抜けない、歯茎が硬くて次の歯が真っ直ぐ生えてこれない、歯が

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エッセイ コスプレ問答〜金マイクロビキニと鉄骨渡り〜

エッセイ コスプレ問答〜金マイクロビキニと鉄骨渡り〜

これは思考実験であり、おそらく生涯解決しない問題になる。少ないとも私は暫定的な答えすら出せていない。

Aさんがいる。Aさんは異性で貴方と交流がある。貴方はAさんを人間的に応援しており、今後も友好な関係を築いていきたいと思っている。

Aさんがある日、貴方へ伝える。「ちょっとコスプレして写真撮ろうと思うんですけどリクエストありますか?」と

貴方はやったぁと喜びつつ、答える。パッと応えられるだろう

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エッセイ 劣位オスのエレジー

エッセイ 劣位オスのエレジー

ある日森の中、貴方が散歩していると熊さんに遭遇してしまいます。話し合いが通じるファンタジーな熊ではなく、空腹で明らかな敵意を放っている。貴方は助からない。絶命。

では貴方が20人くらいのグループで散歩をしている際に、同じようなキラー熊さんに出会ったらどうでしょう。もしかしたら貴方が絶命するかもしれませんが、貴方とそんなに仲良くない知人が1人か2人襲われているうちに残りのメンバーは逃げて助かる可能

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エッセイ いつ結婚すべきなのか?

エッセイ いつ結婚すべきなのか?

私は人間が苦手で、性別関係なく極力会話したくなかった。その一方で、世界に数人しかいない友人と過ごす時間は面白いし、人から求められたいという欲求もどこかにあった。早速矛盾している。

特に異性から求められること、俗に言うモテることへの憧れと強烈な僻みがあった。「モテようとする奴は面白く無い、ダサい」と切り捨てる一方で「自然体で過ごしながらモテたい」と願う。私のような陰湿なオタクボーイは皆持っていた願

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エッセイ 童貞の日

エッセイ 童貞の日

友人が「心の童貞は治らない」と語っていた。本当にそうだと思う。私も30数年生きた男性だが、己の童貞性に背を向け、怯え、見なかったことにして走って逃げようとしている。

童貞の頃は色々なことにドキドキしたよね〜と、気恥ずかしい青春トークを始めるやつは今すぐこんな記事を読むのはやめて、明るい人生を送ってほしい。帰れ。同じ生き物とは思えない。くたばれ。嘘です。繁殖力と社交性の高いあなた方にくたばられたら

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エッセイ 死者と葬儀の記録

エッセイ 死者と葬儀の記録

Tさんは声が大きくて、ガハハと豪快に笑う人だった。俺は長生きしなくて良いんだ、死ぬまで好きなものを食うんだと豪語し、滅多に病院に行かない人だった。Tさんは私の祖父の弟子だった。祖父は、ピアノの調律師をしていた。

私が産まれた頃祖父は亡くなり、物心ついた時にはTさんを知っていた。「俺は、君のじいちゃんの弟子だ。師匠の孫は俺の孫だ。俺をおじいちゃんだと思ってくれよ!」という旨を、大きな声で自己紹介さ

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エッセイ IKEAにシャチハタはあるのか

エッセイ IKEAにシャチハタはあるのか

これは私が生きていた頃の話。

その日の仕事が終わって、ふと頻繁に使うシャチハタが薄くなっていることに気付く。住んでいる地域では星川という苗字は珍しいらしく、見つけた時に買っておかないと無くなってしまう。

普段は来ないエリアに来ていたので、せっかくだから知らないお店で食事を済ませつつ、シャチハタを買って帰ろうと思い立った。急速に発展したエリアなので、新しくて大きな店舗が知らぬ間に増えている。青と

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エッセイ 手が届く範囲の奇跡

エッセイ 手が届く範囲の奇跡

福祉業界で支援職をやっている時、ご家族から泣いて感謝される機会が多かった。「息子がまたアパート暮らしできるなんて奇跡だ」「我々家族も関わりたくない、信用できないと思っていた。息子がグレるのも当然だ。その息子が人を信じるなんて」等。

噛み砕いて書くと、私は「精神科病院から退院できるくらい回復したけど行き先が無い人」を施設で一旦受け入れ、約2年以内に次の行き先を確定させる仕事をしていた。恐ろしいくら

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エッセイ 小説を応募したい!?

エッセイ 小説を応募したい!?

星川実業と申します。くだらないnoteばかり書いています。先日、創作活動をしている友人から「色々書いてるけど、受賞歴とか無いの?」という話になりました。

そもそも応募したことが無いし、書き残すようになったのもここ2年でnote始めてからだよ〜という回答をし、気が付きました。

「私も物書きの端くれなんで〜」と言う為には、賞に挑まなきゃダメじゃないか?と。今の私はトレーニングモードしかやってないの

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エッセイ 死ぬなら今

エッセイ 死ぬなら今

今日のために沢山練習した。2分も経てば大会の試合が始まる。歴だけは長いので緊張は無い。集中できている。相手はプロだ。隙が無くて強い。

まともにやって勝てる相手じゃないが、まともにやらないと後悔する。それが身に染みているので、俺はあくまでも真っ当にやる。客観視すれば勝てない相手だろう。

それでも、勝ちたい。やっぱり勝ちたい。自分の人生を肯定したい。無神論者だが、自分の脳に念じる。「寿命を減らして

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エッセイ 物書きは露出狂なのか?

エッセイ 物書きは露出狂なのか?

書くことは露出なのか文書は様々な形がある。ジャンルも形式もバラバラだが、己の思考を言語化したものが好きだ。

自分が何を考えているのか、を相手に伝えるには発信しなければいけない。声に出しても良いが、時間対効率が良くないし、空気の振動が収まると消えてしまう。文字は残しやすい。読み手側の速度で消化できる。良い。

私が発作のようにモノを書いてしまうのは一種病的な側面だが、一応合理的な理由を2つ用意して

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エッセイ 女性にぬいぐるみをプレゼントする男はクソ

エッセイ 女性にぬいぐるみをプレゼントする男はクソ

ある日、家の前で人を待ちながらネットを眺めていたら、恐ろしい一文が目に入ってきた。

「子供同士ならまだしも、ある程度の年齢になった女性へのプレゼントにぬいぐるみ🧸を選ぶ男はヤバい」

そういうのは早く言って欲しかった。学生時代のバレンタインデー、ぬいぐるみにチョコを持たせた状態で女の子にプレゼントしたことがある壮絶キモさMAXIMUM人間もいるんだ。その辛すぎる過去と向き合いながら必死に生きて

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エッセイ 楽天球団が生まれた日 ネーミングの魔力

私が中学生の頃だっただろうか。地元の宮城県、仙台にプロ野球チームが誕生するぞ!と地元民は盛り上がっていた。

当時から捻くれオタクボーイだった私は野球へ関心はなかったが、どうやら当時の新鋭企業ライブドアと楽天が争っているらしい。面白そうなのでニュースをチェックしていた。

誕生、プロ球団当時、楽天は知名度が低かったがライブドアの方が若干嫌われていた(中坊視点のイメージです)様子だったので、ライブド

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